【貯蓄額】31歳、接客業の場合
プロフィール
31歳、男性
一般的な接客業
妻(29歳、公務員)と2人暮らし
世帯年収800万円
【相談内容】昇給が望めないため、転職以外で収入を増やす方法を教えてください
「昇給が望めないため、給与収入を増やすには転職するほかないと考えています。副業を始めれば、転職せずに収入を増やせるでしょうか?上手に稼ぐコツを教えてください」
現在の貯蓄額は平均と比べると高い?低い?
相談者さんと同じ30代の2人以上世帯の平均貯金額は601万円、中央値は150万円*であるため、相談者さんの貯蓄額は平均よりも大幅に高い水準にあります。
*……参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」
預金と同額の投資信託を保有する一方で、株式や暗号試算などハイリスクの金融商品は、少額に抑えるなど金融資産のバランスも良いです。
投資による資産形成は必要な金額を見据えて設定
相談者さんは、現在のお仕事では昇給が難しいため、副業で収入を増やせないか検討されているのですね。
毎月の収入から投資への資金分配が多いようですので、手元のお金が少ないのではと推測します。
実は、相談者さんのように老後資金準備はしっかりできているものの、手元資金が心許ないケースは少なくありません。
資産形成に取り組むときは、まず将来に必要な金額を計算するところから始めるのがおすすめです。
例えば、65歳から90歳までの25年間、年金のほかに毎月10万円ずつ投資信託を取り崩すと仮定します。その場合必要となる資金総額は、3,000万円です。
そして、この3,000万円を目標に利回り年6%で積立投資を行う場合、毎月の必要な積立額は21,057円*。
極端な言い方をすると、この金額を超える積立投資額は、あまり必要ではない積み立てだと言えます。
また、必要以上に積み立てを行うことで、毎月のやり繰りがマイナスとなる可能性も。
もし毎月21,057円以上の積立投資をしているのであれば、しばらく金額を抑えて、手元資金を増やすほうがよいでしょう。
*……参考:金融庁「つみたてシミュレーター」
副業をする際は目標額などの設定が必要
積立投資による効果は、運用期間が長いほど大きくなります。
運用期間が短いと効果はほとんど見込めないため、短期間で必要になるお金の準備には副業が向いています。
副業でうまく稼ぐポイントは、以下のとおりです。
- 目標額を設定する
- 本業に影響が出ないように稼働時間を守る
- 身についているスキルや技術を最大限に生かす
副業も、老後資金準備と同じように必要な金額の設定が重要です。
時折「とにかく貯蓄を」という意識で、毎月できるだけ貯蓄をされる方がいらっしゃいます。
それが悪いわけではありませんが、いきすぎると「本来好きに使えたはずなのに、必要のない我慢をしてまで貯蓄に回した」というストレスにつながることも。
貯蓄もできて、好きなこともできる人生を送るためにも、必要な金額を設定することから始めてみましょう。
まとめ
・過剰な貯蓄は避けましょう。
・投資も副業も必要な金額から逆算した金額設定が重要です。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。
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