ごぼうの栄養は食物繊維だけじゃない!
ごぼうの栄養といえば食物繊維。
ごぼうには水溶性食物繊維のイヌリンや不溶性食物繊維のリグニンなどが豊富に含まれています。
また、カリウムや鉄、亜鉛などのミネラルや葉酸、ポリフェノールのテアニンやクロロゲン酸も多いのが特徴です。
特に皮には鉄が実の6倍以上、クロロゲン酸が2倍以上含まれています。
クロロゲン酸は、糖尿病や脂肪蓄積の予防効果で注目されている成分。
皮も一緒に調理して食べるようにしましょう。
ごぼうの下処理①洗い方
ごぼうは皮にも栄養が豊富に含まれています。
そのため、ピーラーなどで皮を厚くむいてしまうのはNG。
布巾などでこすりながら流水で洗うのがおすすめです。
たわしなどでごぼうが白くなるまでこすると、皮の栄養がほとんどなくなってしまうので要注意。
画像の上が布巾、下がたわしで洗った状態のごぼうです。
たわしなどの硬いもので洗うと白くなりやすいので、布巾以外で洗う場合も皮を落としすぎないようにしましょう。
POINT
スーパーの売り場でよく見かける「洗いごぼう」。
すでに泥や汚れをきれいに落とされている状態なので、さっと洗うだけでOKです。
簡単に調理できて便利ですが、栄養を多く摂りたい場合は「泥付きごぼう」がおすすめですよ。
ごぼうの下処理②切り方
ごぼうに多く含まれている食物繊維の「リグニン」は腸の動きを活発にするため便秘解消効果に、抗菌作用があるため大腸がん予防にも期待できます。
リグニンは切り口に多く発生するため、「ささがき」に切るのがおすすめです。
しかし、茹で調理の場合は断面の多いささがきでは水溶性の栄養素の多くが流出してしまいます。
茹でる場合は「筒切り」のように大きく切って栄養素の流出をなるべく抑えましょう。
POINT
ごぼうのポリフェノールの主成分であるクロロゲン酸も水溶性です。
ささがきのごぼうを茹で調理してしまうと、クロロゲン酸の量は8%まで減ってしまうといわれています。
ごぼうの下処理③あく抜き
ごぼうのあく抜きは、水や酢水にさらすのが一般的。
どちらも長時間さらすと水溶性の栄養素が流出してしまうため、切った直後に30秒さらす程度にしましょう。
色を白く仕上げたいときは、酢水を使うのがおすすめです。
油で炒めるときはえぐみも色もあまり気にならないので、あく抜きせずにそのまま調理することもできますよ。
ごぼうは下処理で栄養が変わる!
ごぼうの下処理の基本は「皮を落としすぎない」「調理によって切り方を変える」「水にさらしすぎない」の3つがポイントです。ごぼうは食物繊維だけでなく、ミネラルやポリフェノールなどの栄養素も多く含まれているので、下処理を工夫して栄養も逃さず食べましょう。
◆ライター / yuki
管理栄養士。
大学院修士課程修了後、薬局の管理栄養士として栄養指導や相談、栄養・運動講座、レシピ作成、健康食品や化粧品の販売などに携わる。
現在は2児の子育てをしながら在宅でフリーの管理栄養士として活動中。食や美容に関する記事の執筆や監修などを行っている。
薬膳にも興味があり、薬膳調整師の資格を取得。食を通じて健康な身体づくりをモットーに日々知識をアップデートしている。
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