しじみ

<しじみ>栄養素が増える?便利な下処理&保存方法【管理栄養士直伝】

Gourmet / Recipe

しじみに含まれるオルニチンは、肝機能のサポートに特に注目されていて、二日酔いの回復や肝臓病の予防・改善に役立つ可能性があるとされています。
そのため、しじみは「肝臓の友」とも称され、健康食品として古くから珍重されてきました。
しじみに含まれるオルニチンは冷凍されることで約8倍に増加します。旬の季節に冷凍保存しておきましょう。

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ごん太郎
ごん太郎
2024.04.01

しじみの栄養価と健康への効能

しじみ

春は送別会や歓迎会、お花見と、お酒を飲む機会が増えますよね。
そうなると心配なのが、二日酔い。

そこで今回は、二日酔い改善に期待できる食材「しじみ」をご紹介します。

しじみの栄養素

しじみには以下の栄養素が豊富に含まれています。

オルニチン

非たんぱく質アミノ酸でしじみに特に多く含まれる成分で、肝臓の代謝機能をサポートし、アンモニアの解毒作用を促します。
二日酔いの症状の軽減や肝機能の改善に効果的です。
また、成長ホルモンの分泌を促すことで、疲労回復や体力増強にも寄与します。

タウリン

心臓機能の向上やコレステロールの低下、抗酸化作用など、体の多くの重要な機能に影響を与える重要なアミノ酸。
神経系の健康をサポートし、疲労感の軽減にも役立ちます。

ビタミンB12

赤血球の形成に必要な栄養素。
貧血の予防やエネルギー代謝の正常化に重要であり、神経系の健康維持にも寄与します。

鉄分

鉄は酸素を体の各部に運ぶために必要なヘモグロビンの成分。
不足すると貧血を引き起こす可能性があります。

しじみはなぜ健康食として注目される?

豊富な栄養素を含むしじみは、健康食として非常に高い評価を得ています。
特に、現代人に多いストレスや疲労、不規則な食生活による健康問題への対策として期待できますよ。

また、しじみはそのまま食べるだけでなく、スープやお味噌汁などさまざまな料理に活用でき、日々の食事に気軽に取り入れやすい点も魅力です。

しじみを冷凍保存すると栄養素はどうなる?

しじみ凍結後

しじみを日常の食事の中に気軽に取り入れたいと思っても、季節によっては入手が難しく、下処理にも手間がかかるので難しいですよね。

しかし、安い時期に多めに買って下処理をして冷凍しておけば、いつでも必要な分だけ使えます。

冷凍となると味も栄養価も落ちるのではと心配になるかもしれませんが、実は生の状態より利点があるのです。

しじみのオルニチンは冷凍されることで増える

しじみに含まれるオルニチンの量は、冷凍によって増加します。

しじみが生きている間はオルニチンが一定の量で保たれ、冷凍すると細胞内の酵素活動が変化します。
冷凍によって細胞が破壊されると、それまで細胞内でバランスを保っていた酵素の働きが変わり、通常はあまり生成されないオルニチンがより多く作られるように。
アルギニンというアミノ酸をオルニチンに変換する活動が活発化し、最大8倍まで増加します。

冷凍によるオルニチンの増加は、しじみを適切に処理し、適切な条件で冷凍することが重要。
不適切な方法での冷凍は、食品の品質や栄養価に悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。

しじみの選び方と正しい下処理方法

しじみの下処理

新鮮なしじみの選び方

殻がしっかりと閉じており、生き生きとしたものを選びましょう。
殻にヒビや破損がなく、表面が濡れているが臭いがないことも重要なチェックポイント。

しじみを軽く触ってみたときに反応して殻を閉じるのは、新鮮である証拠です。

しじみを安全に下処理する手順

しじみ砂抜き

しじみを冷凍保存する前の下処理は非常に重要で、砂抜きから始めます。

しじみ砂抜き中

しじみを0.3〜1%の常温の水に浸しましょう。
この状態で4時間ほど置くと、しじみが砂や泥を吐き出しますよ。

その後、水洗いにより表面の汚れを落とします。
このとき、しじみが完全に閉じていないものや、殻が破損しているものは取り除いてください。

しじみ熟成中

しじみをざるにのせ、湿らせたキッチンペーパーをしじみにかけて2時間ほど放置します。
しじみのグリコーゲンが燃焼し、コハク酸などの旨味成分が増えますよ。

 しじみの効果的な冷凍保存方法

しじみ凍結前

下処理を終えたしじみを冷凍するには、フリーザーバッグなどに入れ、オルニチンの増加を促すために簡単な断熱材に袋ごと包んで冷凍保存します。
適当な断熱材がない場合は、新聞紙で包んでも効果的です。

断熱材で包むのは、しじみのオルニチンの増加が約-4℃の状態で最も活発化するため。
そのまま冷凍庫に入れてしまうと-4℃を下回ってしまいます。
ゆっくりと温度を下げるため、断熱材に包みましょう。

解凍方法とそのポイント

凍結したしじみを料理に使う場合は、凍ったまま調理してください。
自然解凍すると口が開かなくなってしまいます

また、汁物などに入れる際は水が沸騰してから入れ、強火で短時間で済ませましょう。

再凍結はできないため、使わない分はすぐに冷凍庫に戻してください。

冷凍しじみを使ったレシピ

しじみパスタ

しじみを使った料理と言えば、しじみの味噌汁が一般的ですよね。
今回は、しじみを使ったパスタをご紹介します。

材料

  • スパゲッティ麺  100g
  • しじみ      50g
  • えのき茸     30g ※ほかのきのこ類でも可
  • レタス      20g
  • オリーブオイル  大さじ1
  • 白ワイン     大さじ2
  • 塩・こしょう   適宜

手順

  1. スパゲッティ麺を既定の時間茹でる。
  2. フライパンにオリーブオイル・白ワイン・しじみ・エノキ茸を入れる。
  3. 強火にかけ、煮立ったたら火を止める。
  4. スパゲッティが茹で上がる1分前にちぎったレタスを麺と一緒に茹でる。
  5. 茹で上がったスパゲッティとレタスを3に入れ、強火で絡ませ、塩・こしょうで味を調える。

冷凍しじみがあれば簡単に作れるので、お酒が残る翌日の朝食や昼食におすすめです。

疲れた身体に優しく寄り添う、しじみのチカラ

二日酔いの朝や体が疲れ切っている日にはシンプルなしじみの味噌汁を一杯いただくと、その温もりと栄養がじんわりと体を癒し、回復へと導いてくれます。
忙しい日々の中で家族を支える「内助の功」としても、大きな役割を果たしてくれますよ。

ライター・管理栄養士ごん太郎

◆ライター・管理栄養士 / ごん太郎

管理栄養士歴15年。趣味で料理全般、スイーツ・パン作り、コーヒー、紅茶、ビールをやっています。
コーヒーについては自家焙煎歴20年以上、ビールは日本ビール検定2級をもっています。
得意ジャンルは食・健康・栄養·医療関連。
人は幸せな未来を想像するとその中に『美味しいものを食べるという項目が上がります。そのお手伝いとしての情報発信をしていきたいと願っています。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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ごん太郎

管理栄養士歴15年、趣味で料理全般、スイーツ・パン作り、コーヒー、紅茶、ビールをやっています。コーヒーについては自家焙煎歴20年以上、ビールは日本ビール検定2級をもっています。いつか自分でビールでビール醸造所を夢見てライター業務に取り組んでいます。得意ジャンルは食・健康・栄養·医療関連のものです。
人は幸せな未来を想像するとその中に『美味しいものを食べるという項目が上がります。そのお手伝いとしての情報発信をしていきたいと願っています。