水をかけすぎるとどうなる?
暑い時期は特に「たっぷりかけたほうがご先祖さまも喜ぶはず!」と思ってしまいますよね。
でも石材のお墓は水に弱い一面があります。表面に水が残ると、時間とともにシミやカビが出やすくなり、彫刻部分や隙間にたまった水から苔が生えてしまうことも。
また、花立てや線香立てなどの金属部分に水がかかり続けるとサビの原因にもなります。
つまり、供養のつもりが長い目で見るとお墓を傷めることになってしまうんです……。
やりがちな失敗
お墓参りでありがちな「やりすぎ行動」を挙げると……
- 水をバシャーッとかけるだけで掃除をしない
- 洗剤やタワシでゴシゴシこする(墓石を傷つける原因に)
- 花筒の水を替えずにそのままにしてしまう(虫や臭いの原因に)
- お線香の燃えカス・灰をそのままにして、次のお線香をあげてしまう
こうした行動は、見た目がきれいになったようで実はお墓に負担をかけてしまうことが多いんです。
正しい水かけ・掃除のコツ
お墓のお掃除は「やさしく、ほどほどに」がポイントです。
汚れが気になる部分は墓石に水を上からかけてブラシ等でこするのもOKですが、やわらかい布やスポンジに水を含ませて優しくふき取るのが理想です。
水は全体に軽くかける程度で十分。
花立の中に溜まった水は捨てて、スポンジやブラシで内側を水洗いしてくださいね。
線香立ては下皿に残っている灰を取り除いてから水洗いしましょう!
自然乾燥でも悪くありませんが、最後に乾いた布で墓石全体を拭いておくと劣化防止になります。
大切なのは“気持ち”
お墓参りは「どれだけ水をかけたか」でなく「どんな気持ちで手を合わせたか」が一番大切です。
完璧に掃除できなくても「ありがとう」「また来るね」と心を込めてお参りすることが、なによりの供養につながります。
※浄土真宗ではお掃除以外で墓石に水をかける必要はないとされています。

◆yukari.t
葬儀社を営む家に嫁いで10年、アラサー3児の母です。
日常の中で“最期の時間”に寄り添う仕事に向き合ってきました。
そんな経験をもとに、葬儀にまつわる情報や日常マナーをお届けするライターとしても活動しています。
終活アドバイザー・終活ガイドの資格も保有しています。
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