【相談内容】一人暮らしの叔母の光熱費を支払っています。扶養に入れられますか?
「都内に住んでいます。地方で一人暮らしをしている叔母(75歳)に光熱費などの金銭的な援助を少額行っています。扶養に入れることはできますか?扶養家族が増えるとメリットがあると聞きましたが、自分と叔母に具体的にどんなメリットがあるのか教えてください」
プロフィール
40代後半、女性(会社員)、都内在住
75歳、叔母、地方で一人暮らし
親子以外も可能?親族を扶養に入れる条件
相談者さんは生活費を援助している叔母を扶養に入れたいとのこと。
扶養に入れるには、次の条件を全て満たしている必要があります*。
①扶養者とその配偶者の三親等内の親族で、扶養者に生計を維持されている人。
②配偶者・兄弟姉妹・直系尊属(子、孫、父母)でない場合は、同居していること。
③年間収入(年金含む今後1年間の見込み収入)が130万円未満。
60歳以上または障害厚生年金を受給する障害者は、年間収入180万円未満。
同居しているときは、扶養者収入の半分未満であること。
別居しているときは扶養者からの仕送り額未満の収入であること。
④75歳未満であること。(後期高齢者医療制度の対象のため健康保険に加入できない)
*……参考:全国健康保険協会「被扶養者とは? 」
75歳以上は扶養の適用外なので注意!
先ほどの条件に照らし合わせて考えてみましょう。
叔母は直系尊属ではないので、扶養に入れるには同居する必要があります。
現在、叔母様は地方で別居している状態のため、扶養に入れることはできません。
さらに、75歳以上の人は健康保険を抜けて後期高齢者医療制度に加入します。
そのため、仮にこれから同居する予定になっても、残念ながら扶養に入れないと言えます。
扶養に入れるメリット・デメリットとは?
今回のケースでは扶養に入れるのが難しいですが、これから扶養親族が増えるケースでも考えてみましょう。
一般的に、次のようなメリット・デメリットがあります。
扶養者のメリット・デメリット
扶養控除を受けることで、所得税や住民税の負担を減らせます。
一方、手取りが増えることで各種手当等の収入要件に引っかかる場合があるため注意が必要です。
被扶養者のメリット・デメリット
健康保険料や年金などの社会保険料の支払いが免除されるのがメリット。
一方、収入上限があるため、働き方をセーブする必要があるのがデメリットです。
厚生年金加入者よりも年金受給額が少なくなるでしょう。
なお、扶養控除額は扶養親族の年齢によって違います。
たとえば、16〜19歳未満、23〜70歳未満は一律で38万円ですが、19〜23歳未満は63万円に上がります。
また、社会保険上の扶養と税制上の扶養条件は異なるので要注意。
扶養親族の年収上限は123万円です。
いわゆる103万円の壁が123万円に上がったことで話題になりましたね。
まとめ
・配偶者、直系尊属、兄弟姉妹以外を扶養に入れるには同居が条件。
・75歳以上は後期高齢者医療制度に加入するため、扶養に入れない。
・扶養に入れると扶養者は扶養控除を受けられ、被扶養者は健康保険料や年金の支払いが免除されるメリットがある。
※この記事で扱うテーマは、マネー相談に寄せられる一般的なお悩みに、AIと編集者が一部編集を加えたものです。相談への回答および解説はすべてFP資格を持ったライターが対応して執筆しています。
◆綾瀬わか
AFPライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。
多い?少ない?貯金は足りている?
あなたの年収や毎月の貯金額を「家族構成×居住エリア」が同じ世帯と比べてみませんか?
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。