【貯蓄額】58歳男性の場合
プロフィール
58歳、男性
学習支援業 講師
年収550万円
家族構成:妻(49歳、契約社員)、子ども1人(11歳)、母(88歳、年金受給者)
【相談内容】教育費や親の介護費、自分たちの老後資金は今の貯蓄で賄えますか?
「役職定年で、今後年収が上がることは期待できません。一方で、子どもはこれから教育費がかかります。また、同居の母や別居の義両親が要介護状態で、施設などの介護費用もかかってくることが予想できます。自分たちの老後資金も含めて、現在の貯蓄で賄えるのか心配です。」
ファイナンシャルプランナーによる回答
教育資金はいくら必要?
教育費で一番かかるのは大学の費用ですが、国公立か私立かで必要な金額は大きく異なります。
調査によると、国公立の場合は4年間で415万円、私立理系の場合は736万円がかかります。
- 国公立大学:入学金28.6万円+授業料96.6万円×4年=415万円
- 私立大学(文系):入学金40.6万円+授業料145.2万円×4年=621.4万円
- 私立大学(理系):入学金46.6万円+授業料172.4万円×4年=736.2万円
*……参考https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf
一人暮らしをするかしないか、留学の有無によっても異なりますが、800万円あれば安心でしょう。
また、奨学金を利用するのも選択肢の一つ。
返済がいらない給付型や、無利子タイプもありますよ。
親の介護費はいくらかかる?
お母さまと義両親の介護費用を負担する場合、いくらかかりそうか確認しましょう。
調査によると、介護費用の平均月額は8.3万円、期間は5年とされています。
3人分となると、総額は約1,500万円となりますね。
*……参考https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/p133-179.pdf(p.170、p.174)
老後資金はいくら準備する?
ご自身の老後資金については、どのような生活を送るかで必要な金額が大きく変わります。
必要最低限の生活で月28万円、旅行や趣味を楽しむゆとりある老後生活には月38万円がかかるといわれています。
受け取れる年金の平均額は約22万円となっており、差額は自己資金で賄わなければなりません。
*……参考https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf
65歳の退職後、老後が20年とするならば、必要最低限の生活で1,440万円。
ゆとりある生活で3,840万円の準備が必要ですよ。
質問者さんの貯蓄額は中央値の約17倍
50代既婚世帯の平均貯金額は1,147万円、中央値は300万円です。
*……参考https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2023/
質問者さんの金融資産は5,000万円と平均を大きく上回ります。
銀行預金以外のお金の置き方も活用されていますね。
お子さんの教育費やご自身の老後資金に加え、家族の介護費用も賄えそうですよ。
とはいえ、銀行預金の比率が大きいように思われます。
低金利の中、物価が上昇すると、銀行預金ではお金の価値が下がってしまうことに。
大切なお金を守る意味でも、NISAなどを活用してもう少し投資に回すことをおすすめします。
まとめ
・教育費や介護費用を負担しても、老後は普通に暮らせそうな資産をお持ちです。
・物価が上がる中で銀行預金に置きっぱなしもリスクになります。
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