保険って本当に必要?入ったほうがいい人、入らなくてもいい人【FPが解説】

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日本では多くの人が保険に入り、街中やテレビなどでも保険の広告をよく目にします。ただ、「自分もそろそろ保険に入らないとならないのかな」となんとなく保険を選ぶと、お金の無駄になってしまうかもしれません!
お金の専門家であるウェルスナビの「得能先生」に保険を考えるポイントを教えてもらいました。

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日本では困った時でも公的な保険が充実している

病院出典:stock.adobe.com

病気やケガになって治療にお金がかかったり、収入のある人が亡くなってしまったりなど、万が一に備えるために「保険」という仕組みがあります。皆さんの周りにも、保険に入っている人は多いのではないでしょうか。

「社会人になったら保険に入った方がいいのかな?」などと考えるとき、私たちがイメージするのは、自分で保険プランを選んで加入する「民間の保険」だと思います。

ただ、私たちは、既に手厚い保険に加入しているのです。それは、医療保険制度などの「公的な保険」です。社会人の皆さんは社会保険料を支払っていると思いますが、それは公的な保険に入っているためです。日本で働いていれば、公的な保険には必ず入ることになります。

病院で治療した場合に、治療費が原則として3割で済むというのは、知っている人が多いかもしれません。それだけでなく、もし高額な治療費がかかった場合には、一定の金額以上は保険がカバーしてくれるので、払わなくても済みます。万が一、障害が残って、仕事や生活がままならなくなった時は、生活するためのお金を年金という形で受け取れます。

日本では公的な保険が充実しているということを知った上で、さらに民間の保険に入る必要があるのか、と考えることが重要です。

万が一の時にどのくらいお金で困るかで保険に入るかを決める

計画をする女性出典:stock.adobe.com

次に、病気やケガなど万が一が起こった時に、どのくらいお金で困るのかを考えてみましょう。

独身の方、パートナーがいても両方が働いている方ならば、万が一が起こっても、必要なお金はそれほど大きくない可能性があります。公的な保険を使いながら生活を立て直せるのであれば、民間の保険に入る必要はないかもしれません。

一方で、自分が稼いだお金で暮らしている家族がいる場合には、自分が働けなくなったときのダメージは大きいでしょう。生活する分のお金を、何らかの形で用意しておく必要があります。

このように、その人が置かれている環境や家族の状況によって、万が一の時にどのくらいお金に困るかは違ってきます。それほど困らない場合は、民間の保険に入らなくていいかもしれませんし、困るとしても必要な分だけ保険でカバーするというのが、無駄のない保険の入り方になります。

保険料が増え過ぎると、他にお金が回せなくなる

貯金計画出典:stock.adobe.com

無駄な保険を避けたいのは、備えが大きくなるほど支払う保険料が多くなるからです。

保険に入る時は、どんなことが起こったらお金を受け取れるようにするか、事前に決めます。お金に困ったとしても、保険でカバーされることが起こらなければ、お金は受け取れません。保険にお金を回し過ぎると、保険料の負担が大きくなり、必要なものにお金が使えなくなる可能性があります。

また、将来何か起こった時の備えは、貯蓄でもいいというのはポイントです。貯蓄であれば、どんな状況にも対応できます。病気やケガが起こった時だけでなく、進学や転職といった自分のチャレンジにも使うことができます。

自分にとって必要な備えはどのくらいなのかを考え、保険には必要なだけ入り、貯蓄との良いバランスを見つけていきましょう。

まとめ

日本では保険に入るのが当たり前と考える人が多いため、「どんな保険に入ろうか」から考えてしまいがちです。お金を上手に使うためにも、「そもそも自分に保険は必要なのか」から考えるようにしましょう。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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得能達/ウェルスナビ

とくのう・たつ。ウェルスナビ リサーチ&クオンツ。全自動で資産運用をおまかせできるロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の研究・開発をしている。早稲田大学で企業金融分野のゼミに所属。卒業後、DIAMアセットマネジメント(現 アセットマネジメントOne)で約8年間金融商品の開発や、国際分散投資を行うファンドの運用を担当した。「働く世代に資産運用を広げたい」との思いから、2023年にウェルスナビに入社。一橋大学大学院経営管理研究科修士課程修了(MBA)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2児の父。趣味は家計簿記帳と、マニアックな投資の実践。