教育費を考えるステップは3つ
教育費を考える際に悩んでしまうのは、実際に使う額がつかみにくい点があるのではないでしょうか。
公立より私立の方がお金がかかりそう、大学に現役合格してくれると助かる、などの漠然としたイメージがあったとしても、自分の子どもが実際にどのような選択をするのかは分かりません。とはいえ、ある程度のメドをつけることで、教育費を貯めるという行動が起こしやすくなります。
ステップとしては3つです。
- いくらかかるかを知る
- 将来設計を目に見える形にする
- お金を”育てる”選択肢も考える
教育費がいくらかかるかを知る
まず、教育費がいくらかかるか知ることから始めます。
一般的に教育費の負担が重くなる高校入学から大学卒業までを見ると、子ども1人あたり約943万円という調査結果が出ています*。これは授業料だけでなく、その他学校でかかるお金、通学費、塾代やお稽古代も含んだ金額になります。
国公立の学校に通えばやや負担は低く、私立理系であれば負担が高くなりますが、一旦はこの金額を基準にできるでしょう。ただ、1000万円近い金額を想像しただけで、クラクラしてしまいそうです。そこで、もう少し目に見える形にしてみましょう。
*……日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」
将来設計を目に見える形にする
教育費は毎年同じ額が一律でかかる訳ではありません。特にお金が出ていきやすいのは入学のタイミングです。お金を貯める計画においては、高校入学と大学入学のタイミングを一旦のターゲットとすると分かりやすいでしょう。
調査では、高校の入学年度は約110万円、その後は年間で約75万円、大学入学年度は約230万円、その後は年間で約149万円という結果が出ています。月々の収入でどのくらい賄えるかを考えながら、子どもの入学年度までにどのくらい貯めるかを考えてみましょう。それを踏まえて、例えば「毎月3万円を貯金に回し、10年後までに360万円貯める」などと、できそうな行動に落とし込んでみると、取り組みやすくなります。
月々の収入から貯蓄に回すのは難しい、という方でも、ボーナスで年間36万円の貯蓄をする方法もあります。「今は月1万円も難しいけれど、2年後から月3万円貯められるように家計改善しよう」という目標を立てたり、転職や副業などで収入の上乗せを目指したり、といったことも考えられます。
この時、教育貯金は専用口座を作るのがお勧めです。専用口座にお金が貯まっていくことで達成感があり、手をつけたくなくなります。
お金を育てる選択肢も考える
お金を貯蓄に回す習慣ができたら、次はお金を育てる選択肢を考えていきましょう。10年以上使わない予定の資金は、資産運用に回すことで、資産を増やすことが期待できます。2024年から始まった新しいNISA制度を活用すれば、非課税で投資ができます。
注意点としては、使う時期が近づいたら概ね2年以内に必要な資金を現金にしておくことです。もし大学の入学金を納めないとならない時に金融危機が来て、資産が減ってしまったら、大きなダメージになります。
まとめ
どうしても足りない場合は、奨学金や国の教育ローンなどを併用する選択肢もあります。額が少なくても、まずは貯める習慣をつけることが大切です。コツコツ続けることが将来の選択肢を広げます。
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