【お雑煮】地域で違いが!?全国の定番レシピから珍しい種類までご紹介

Gourmet / Recipe

日本のお正月の定番「お雑煮」。地域によって、味付けや入れる具材、お餅の形・調理方法などがいろいろ違って面白いですよね。
全国各地にはたくさんのお雑煮の種類があり、それぞれ特徴がありますよ。
ここでは地域ごとの違いや歴史、さらに関東・関西の大定番レシピはもちろん、珍しいお雑煮もご紹介します。
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あんみつ
立花恵
2023.12.31

お雑煮は地域によって特徴に違いがあって面白い♪

2種類のお雑煮出典:www.shutterstock.com

お餅の入った汁物・お雑煮(ぞうに)。
日本の伝統的な料理の一つで、その歴史は古く平安時代にすでに存在していたとされています。室町時代にはハレの日やお祝いの食事として食されていたのだとか。
お餅は高価で限られた人のみ食べられるものでしたが、江戸時代からは安価になり庶民のあいだにも広まりました。
今やお正月の定番料理のひとつとなっていますよね。

そんなお雑煮ですが、地域によって違いがたくさん!自分の地元や嫁ぎ先、地方出身の友人など、周りの人にどんなお雑煮にを食べているか聞くだけでも、その違いにけっこう驚くことも。

地域によって具材や味付けなどが異なり、全国各地にはなんと100均種類以上のお雑煮があるんだそうですよ。さらに細かい違いを含めれば、お雑煮の種類は、村の数ほど、家の数ほどとも言われているほどなんです。

地域ごとに異なる味付けや具材

地域ごとのお雑煮の違いは、実にさまざま。

まず味付けを大別すると、日本の東西で分かれます。東日本がすまし汁(だし汁に醤油・塩などで味付け)に対し、関西・近畿周辺の西日本では味噌仕立てが主流。
もちろん例外もあり、西日本でも九州あたりは甘みのある醤油ベースのすまし汁だったり、変わり種としては鳥取・島根などの中国地方の一部では小豆汁だったりすることもあります。

次にお雑煮の具材は、里芋やにんじん、大根などを入れることが多いようですが、こちらも地域によって異なります。
なかには特産品や旬のもの、縁起物などが入っているお雑煮もあり、それらは味も見た目もより特色のある内容に。

全国には、本当にいろいろなお雑煮があります。

定番「お餅」も地域ごとに違いが

お雑煮に入った丸餅出典:www.shutterstock.com

お雑煮の具材といえば、お餅が大定番。でも、お餅も地域によって違いがあります。

まず形は、東日本が角餅で西日本が丸餅がメイン。山形(丸餅)、高知(角餅)、香川(餡入りの餅)などの例外もあります。
次に焼き方も、東西で特徴が異なり、東日本は焼きスタイル、西日本は煮るスタイルが主流です。

またお餅の扱いとしてもっとも異例なのが、お餅を入れない徳島県の地方の「うちちがえ雑煮」
代わりに、岩豆腐という特産品がお雑煮の具材として加わります。もともとお米が育ちにくく、保存が効いて栄養源でもあった岩豆腐が重宝されていたことから、お雑煮にも用いられるようになったそうですよ。

【地域別】日本全国の美味しい9つのお雑煮

それでは、日本全国にあるお雑煮をご紹介します!関東・関西の定番お雑煮から、地方の珍しいものまで取り上げています。

それぞれの特徴はもちろん、おすすめレシピなどもピックアップしたので、お正月のお雑煮を作る際に参考にしてみてくださいね。

鶏ガラだし雑煮(北海道)

鶏ガラ雑煮出典:recipe.rakuten.co.jp

北海道は、明治・大正に多くの人が本州から移住したので、お雑煮も全国のなかでももっとも多種多様だと言われている地域です。そのなかでも、札幌周辺でよく食べられているのが「鶏ガラだし雑煮(とりがらだしぞうに)」です。

鶏ガラだしのスープに、つと(なると)・人参・大根などの具材を入れて、醤油・砂糖で味付け
お餅は、角餅を焼いてから入れます。

宮古くるみ雑煮(岩手県)

お雑煮のお餅をくるみだれにつける出典:www.shutterstock.com

岩手県の「宮古くるみ雑煮(みやこくるみぞうに)」は、醤油ベースのすまし汁のお雑煮に入れたお餅を、くるみだれでいただくスタイルです。これは、貴重なお餅を大切に味わっていただくために始まったとされます。

汁の具材には大根・人参・ごぼう・こんにゃく、焼き豆腐などが入れられ、焼いた角餅を仕上げに入れます。家庭によっては、いくらやあわびなどの海鮮が入れられることもあるそう。
くるみだれは、地産の鬼ぐるみをすり、砂糖・塩を混ぜます。

他にもお餅を別に味わって食べるのは、きなこ雑煮(奈良)や納豆雑煮(熊本)などがあります。

親子雑煮(新潟県)

親子雑煮出典:recipe.rakuten.co.jp

新潟県の村上・新堀田などの地域では名産の鮭を使った「親子雑煮(おやこぞうに)」が有名です。
周辺では昔からお正月だけではなく、大晦日などにも鮭を食べる習慣があったとか。

親子雑煮は、鮭といくらをメインの具材とした見た目も味も豪華な一品
大根・人参・里芋などもあわせて、すまし汁でいただきます。
焼いた角餅と、別茹でのいくら(さっと茹でる人も多いとか)を仕上げに添えて出来上がりです。

江戸雑煮(東京都)

江戸雑煮出典:oceans-nadia.com

「江戸雑煮(えどぞうに)」は、関東風雑煮とも言われ、東京をはじめとする地域で広く食べられている定番の味
多少の違いはありますが、関東圏の基本のお雑煮です。

だしの効いた汁に、醤油とみりんでしっかり味付け。コクのある味わいが特徴です。
具材は、鶏モモ肉・しいたけ・小松菜・三つ葉、焼いた角餅などが入れられます。

名古屋雑煮(愛知県)

名古屋雑煮出典:recipe.rakuten.co.jp

名古屋を中心に、愛知やその周辺エリアで食されている「名古屋雑煮(なごやぞうに)」。
その内容はシンプルで、具材は角餅と、尾張地域の伝統野菜の餅菜だけ。場合によっては小松菜や鶏モモ肉を入れることもあるようです。
餅は焼かずにすまし汁で煮込み、仕上げに花かつおをのせて出来上がり。

愛知といえば味噌が有名ですが、一部地域をのぞいて、お正月のお雑煮はすまし汁が主流です。

白味噌雑煮(大阪府・京都府)

白味噌雑煮出典:oceans-nadia.com

「白味噌雑煮(しろみそぞうに)」は、白味噌仕立ての味付けで、里芋・金時にんじん・大根・丸餅などが入っています。
具材は全て丸形で揃えられていますが、これは”家庭円満”や”角がたたずに円満にいくように”との願掛けが込められているそうですよ。

京都や大阪を中心に、関西・近畿圏で広く食べられる白味噌雑煮。
関西風雑煮としても知られる関西の定番の味です。

小豆雑煮(鳥取県・島根県)

小豆雑煮出典:recipe.rakuten.co.jp

一見、ぜんざいやお汁粉のように見えるのが、鳥取県や島根県などの海岸部でよく食べられている「小豆雑煮(あずきぞうに)」。
甘さは控えめで、さらさらとしている汁が特徴です。

粒を潰さないように仕上げた小豆の煮汁に、丸餅を入れていただきます。
味付けは煮汁に砂糖をいれて好みの甘さにし、場合によっては塩で調整することも。
小豆は縁起物でもあり、子孫繁栄や厄除けなどの意味がありますよ。

あん餅雑煮(香川県)

あん餅雑煮出典:recipe.rakuten.co.jp

あんこ入りの丸餅を使用する、全国的にも珍しい香川県の「あん餅雑煮(あんもちぞうに)」。
もともと大変貴重だった砂糖を、明治時代以降、正月に食べようという試みから始まったとされるスタイルです。

具材には大根・金時にんじん・豆腐などともに、甘いあんこの入った丸餅を入れます。京都から伝えられたという白味噌を溶き、仕上げに青のりを振りかけていただきます。
白味噌とあん餅という絶妙な組み合わせは、クセになる美味しさだとか♡

ブリ雑煮(福岡県)

福岡雑煮出典:www.shutterstock.com

福岡県で食される「ブリ雑煮(ぶりぞうに)」は、福岡雑煮とも呼ばれています。
他地域では昆布やかつおぶし、いりこなどを出汁にしているところが多いですが、福岡雑煮はあご出汁(とびうお)のすまし汁であることが特徴です

具材は出世魚であるブリの切り身や椎茸、里芋、かつお菜(福岡地方の伝統野菜)、丸餅などで具沢山。
見た目も味も豪華で、最近では、通販などでも人気のお雑煮です。

地域ごとの味わいを持つお雑煮をお正月に家族で楽しみましょう♪

お正月のお雑煮出典:www.shutterstock.com

日本全国各地に、いろいろなお雑煮があります。
味付けや調理方法、使用されている具材などが実に多様で、地域ごとのお雑煮をそれぞれ食べてみたくなりますよね。
なかには材料が揃えやすく簡単なレシピもあるので、お正月のお雑煮は一味違ったものにしたいというときに、ぜひ試してみてくださいね。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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