ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税はもともと、地方で生まれ育ち、その後に都会に移り暮らす人々が、”ふるさと”に貢献するための寄附の仕組みとして、2008年に誕生しました。
ふるさとや好きなところに寄附できる
ふるさと納税は、税制を通してふるさとに貢献するという理念をもとに生まれた制度です。
自分の生まれ育った地方はもちろんのこと、それ以外にも応援したい自治体に寄附を行うことができます。
つまり、ふるさと納税の寄附先はあらゆる自治体のなかから納税者が選ぶことが可能なのです!
納税者が主体性を持って寄附先を選択することで、税に対する意識が高まるきっかけになるかもしれませんね。
また、自治体側もふるさと納税を通してあらためて自らを見直す機会を得ることで、地方創生につながります。
寄附金の使い道を選べる
寄附先を選べるふるさと納税は、同時に寄附金の使い道を選べる自治体が少なくありません。
その数は、全自治体のおよそ9割にものぼります。
使い道は自治体によってさまざまですが、たとえば「子どものため」「福祉」「まちづくり」などが挙げられます。
また、寄附金活用後の報告まで行っている自治体もありますよ。
自分の納めた寄附金が、どのように活かされているかを確認できるのは新鮮で、寄附のしがいも感じるのではないでしょうか?
自己負担額2,000円をのぞいて、住民税・所得税の控除対象に
「納税」という言葉がついているふるさと納税。実際には、都道府県、市区町村への「寄附」です。一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されます。ですが、ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となります。
出典: 総務省 ふるさと納税ポータルサイト www.soumu.go.jp
寄附行為にあたるふるさと納税は、自己負担額2,000円をのぞく金額が所得税・住民税の控除対象になります。
ただし控除額は自身の収入や家族構成によって異なりますので、ご注意ください。
所得税はその年の分から控除・還付、住民税については次年度分から控除が適用されますよ。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税は、自分のふるさとや応援したい地方への寄附を行えるだけではなく、ほかにもメリットや魅力があります。
メリット①返礼品
ふるさと納税といえば、「返礼品」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
しかし一時期は、その返礼品をめぐる自治体間の競争が激化。2019年度には管轄の総務省が「返礼品は寄附額の30%まで」と規制に乗り出すことになるなど、社会問題化したこともあるほどでした。
もちろん、ふるさと納税の基本は自治体への寄附。ただやはり返礼品は、ふるさと納税をするにあたっての魅力の一つであるのも事実ですよね♡
現在でも全自治体の8割ほどが返礼品を送付しており、主に地元の名産品・商品券、体験型のものなどを楽しめます。
返礼品の例を挙げてみると、これまでに500億円の寄附額を集めた宮崎県都城市は肉と酒など、ホタテなどのオホーツク海の海の幸が人気の北海道紋別市、南部鉄筋や岩谷堂箪笥などの魅惑的な工芸品を取り扱う岩手県奥州市などがありますよ。
注意!現住民は返礼品がもらえないケースも
ふるさと納税で寄附すると返礼品を送付する自治体が多いですが、注意しなければいけないのは、現在その自治体に住んでいる住民です。魅力的な返礼品を出している自治体への寄附は、現在その土地に住んでいる方ももちろん惹かれますよね。
しかし、残念ながら現在住んでいる住民は返礼品がもらえません。それは、総務省より「現在住んでる住民には返礼品を送らない」ということが取り決めがされているためです。
メリット②ポイントがもらえる方法もある
ふるさと納税をすることで、ポイントを獲得できることがあります。
それは、ふるさと納税サイトなどを通じてふるさと納税をする際に、そのサイトが独自のポイントを発行している場合や紙貼りに利用するクレジットカードのポイントが貯まるなどです。
たとえば楽天ふるさと納税を利用するの場合は「楽天ポイント」、ANAのふるさと納税では「マイル」がたまります。ふるさと納税を行う際は、普段利用しているサービスなどで使えるポイントを獲得できるところを利用すれば、よりお得感が増すのではないでしょうか。
ふるさと納税の注意点
メリットや魅力の多いふるさと納税ですが、やるにあたっては、注意すべきポイントもあります。
ふるさと納税は確定申告が必要!ワンストップ特例制度が適用できるケースも
ふるさと納税を行う場合には、あわせて確定申告も忘れずに行いましょう。
住民税・所得税は、確定申告が行われないと控除されません。
また確定申告時には、寄附の受領証(証明証)・専用振込用紙の払込控などが必須ですので、捨てずに保管してくださいね。
それ以外にも、確定申告が不要なワンストップ特例制度が利用できる場合があります。
ワンストップ特例制度が利用できる条件は3つです。
- 確定申告が不要な給与所得者であること
- ふるさと納税した先が5団体以内であること
- ふるさと納税の際にワンストップ特例制度適用の申請書をふるさと納税先の自治体に送っていること
このワンストップ特例制度を利用することで、手続きは一気に簡単になりますね。
ぜひ、条件に当てはまる人はワンストップ特例制度も活用しながら、ふるさと納税にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
ふるさと納税はやる前に控除額をチェックしましょう
ふるさと納税は、事前に全額控除される寄附金額の上限を知っておく必要があります。
それ以上の寄附額は自己負担になりますので、しっかり確認しましょう!
ふるさと納税の寄附上限金額は、自身の収入と家族構成等によります。
たとえば年収が500万円の共働きの夫婦で小学生の子どもが1人いる場合は寄附金6万1,000円まで、自己負担額2,000円をのぞいた全額控除を受けることができます。
総務省のHPには、だいたいの年間上限額や寄附金控除額の計算シミュレーションもありますので、合わせて利用するとわかりやすいですよ。
ふるさと納税のやり方は簡単!おすすめのサイトを利用しよう
ふるさと納税は自治体によって寄附方法が異なりますが、ネットを通じて行うのが主流です。
ここでは、各自治体の直接運営するサイトやふるさと納税サイトなどを紹介していきます。
各自治体に直接ふるさと納税する
各自治体がふるさと納税サイトを運営していることがあります。
大阪府泉佐野市の「さのちょく」や静岡県焼津市、鹿児島県南さつま市など寄附先として人気の高いところは独自のサイトをオープンし、返礼品と交換できるポイント制などを導入している場合もありますよ。
また、複数の自治体が共同で運営する「ふるちょく」なども利用しやすいでしょう。
しかしなかには、特設サイトはあっても寄附自体は他サイトなどを通して行う自治体もありますので、都度確認してみてくださいね。
ふるさと納税サイトを利用する
ふるさと納税は、自治体に直接寄附できるところも少なくありません。
ただし、それぞれのホームページや窓口に問い合わせ、申込書や振込先を確認して行う必要があります。
ふるさと納税サイトを利用すれば、いろいろな自治体・返礼品を比較でき、寄付先を選ぶことができます。
しかし、ふるさと納税サイトは、全ての自治体・返礼品を取り扱っている訳ではないという点に注意が必要です。
さとふる
CMでもお馴染みのソフトバンクグループが運営する「さとふる」は、取り扱う自治体数・返礼品数が業界トップレベル。
寄附から返礼品が届くまでスムーズに行われるため、初心者でも利用しやすいでしょう。
ふるさとチョイス
「ふるさとチョイス」で掲載される返礼品数は、業界ナンバー1の約30万品!
返礼品を選ばず寄附してポイントを貯めることもでき、そのポイントを後でお礼の品と交換するという使い方も。
楽天ふるさと納税
楽天ふるさと納税の魅力は、寄附することでも獲得できる楽天ポイント。
また、普段ショッピングなどで利用することが多い方にとっては、楽天だからという安心感もありますね。
取り扱う自治体や返礼品数も多いので、選びやすいでしょう。
ふるさと納税の仕組みを理解したらさっそく賢く活用!
ふるさと納税は地方への寄附になると同時に、返礼品が送られてきたり、所得税・住民税の控除に繋がったりします。
現在ではふるさと納税サイトを通じて、寄附がしやすくなっているのも魅力ですね。
税金はわかりにくいことも多いですが、理解することでぐっと身近になるもの。ぜひ、ふるさと納税を活用していきましょう!
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