ふるさと納税をしたら確定申告かワンストップ特例制度の申請が必要
寄附行為にあたるふるさと納税は、自己負担額2,000円をのぞいた全額が、所得税・住民税の控除対象になります。
控除される額は収入や家族構成によるものの、ふるさと納税後に確定申告、あるいはワンストップ特例制度の申請をしっかりと行うことで、税制の優遇を受けることができますよ。
ふるさと納税ワンストップ特例制度とは
以前はふるさと納税をした場合、確定申告が必要がなかった人でも所得税・住民税の控除を受けるためには、確定申告をする必要がありました。
ワンストップ特例制度は、その面倒な確定申告を省略できる仕組み。
ただし、ふるさと納税先の自治体に、期限内にワンストップ特例申請書を提出する必要があります。
ワンストップ特例制度は、確定申告と比べると手続きもシンプルなため、より多くの人がふるさと納税を利用しやすくなりました。
そのため、制度が始まった2015年度には、ふるさと納税の受入件数が約4倍にもなったそうですよ。
どちらが得?ふるさと納税の確定申告とワンストップ特例制度の違い
確定申告の必要がなくなり、手続きが簡素化されるふるさと納税ワンストップ特例制度。では、確定申告とワンストップ特例制度は、どちらが得なのでしょうか?
実はふるさと納税における確定申告とワンストップ特例制度の違いは、「得」という観点ではなく、条件の違いです。
のちほど詳しく触れますが、ワンストップ特例制度を行うには、3つの条件を満たしている必要があります。
ただし、確定申告とワンストップ特例制度にも決定的な違いがあります。
ふるさと納税によって控除の対象となるのは住民税・所得税ですが、ワンストップ特例制度を利用した場合、控除対象は住民税のみとなります。
もちろん、ふるさと納税を行ったことによる控除額は自己負担額2,000円をのぞいた全額です。
控除される対象が違っても、その控除の総額が変更になることはありませんよ。
ふるさと納税でワンストップ特例制度が適用される3つの条件を確認
それでは、ふるさと納税でワンストップ特例制度が利用できる3つの条件を見ていきましょう。
ワンストップ特例制度の条件①確定申告が不要な給与所得者
まず1つ目の条件には、確定申告が必要ない給与所得者であることが挙げられます。
しかし、給与所得者であっても年収2,000万円以上であったり、不動産収入があったり、副業収入が一定数以上あったり、住宅ローン・医療控除を受けたりすると、確定申告をしなければいけないケースも。
ワンストップ特例制度の条件②ふるさと納税した自治体が5団体以内
2つ目の条件は、ふるさと納税先の自治体が5団体以内であること。
たとえば、宮崎県都城市・大阪府泉佐野市・北海道根室市・新潟県燕市・静岡県焼津市にふるさと納税をした場合、この5つの自治体までなら、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用することができます。これ以外の自治体に追加で寄附をしてしまうと、条件から外れてしまいます。
また、同じ自治体に2回以上の寄附をしても、1つの自治体としてカウントすることができます。
ワンストップ特例制度を利用したい場合、その年の収入から計算したふるさと納税の上限額を確認しながら、5つの自治体に寄附の額を割り振ってみましょう。
ワンストップ特例制度の条件③特例申請書を提出する
最後の3つ目の条件は、ワンストップ特例申請書をふるさと納税先の自治体に提出することです。申請書を期限内に提出することで、確定申告をする必要がなくなります。
そのためには、まずふるさと納税をする際に、払込取扱票内などにある「ワンストップ特例申請書の送付」を希望しましょう。ふるさと納税サイトを利用する場合も、同様のチェック項目がありますので、申請書の送付を要望してください。その後、ふるさと納税先の自治体より申請書が送付されます。返礼品より先に別送されることが多いようですよ。
ワンストップ特例申請書に必要事項を記入し、必要書類とともに、ふるさと納税先の自治体に返信して申請完了です!
それでは、申請時に必要な書類をもう少し詳しくみてみましょう。
ワンストップ特例制度の必要書類は3つ
ワンストップ特例申請書を提出するときは、以下の書類が必要です。
- ワンストップ特例申請書
- マイナンバー(個人番号)確認書類の写し…マイナンバーカード(裏面)or通知カードor個人番号記載の住民票
- 本人確認書類の写し…マイナンバー(表面)・運転免許証・パスポートなどは1点、あるいは国民健康保険証・国民年金手帳・児童扶養手当証明書などの場合は2点
ワンストップ特例申請書の形式や書き方は基本的には同じですが、自治体によって異なる可能性もあります。
不明な点がある場合は、ふるさと納税先の自治体などに問い合わせて、チェックしてください。
ここでは基本的な書き方ということで、静岡県賀茂郡南伊豆町のものをご紹介します。気になる人は、参考にしてみてくださいね。
申告特例申請書の記入例と諸注意.pdf(462KBytes)-南伊豆町申請書はいつまでに送る?翌年1月10日までに必着
ワンストップ特例制度を利用するにあたっては、申請の期限をしっかりと守らなければいけません。
申請書等の提出締切は、翌年1月10日までの必着。
後回しにしているとどうしても忘れやすくなるので、ふるさと納税先の自治体から申請書が送付された時点で送ってしまうのがおすすめですよ。
仮にワンストップ特例申請書提出後に、内容に変更があった場合は変更届出書もあわせて送る必要があります。こちらも同様に、締切は翌年1月10日までになります。
またふるさと納税をしたのが年末などの申請期限ギリギリの場合も、自治体ホームページなどから書類をダウンロードして、必ず1月10日に間に合わせるようしてください。
ふるさと納税で確定申告が必要なケース
ふるさと納税は、基本的に確定申告が必要です。
ワンストップ特例制度を利用する場合の例外をのぞいては、しっかりと年度末の確定申告期間内に行いましょう。
ワンストップ特例制度が適用されない人
確定申告をする必要があるのは、ワンストップ特例制度が適用されない人です。
- 個人事業主
- 年収2,000万円以上の給与所得者
- 医療控除・住宅ローン控除などを受ける
- 不動産収入がある
- 副業収入が一定数以上ある
- ふるさと納税先が6団体以上である
など。
いずれかに該当する場合は、ふるさと納税先の自治体が5団体以内であっても、ワンストップ特例申請書の送付を希望しても確定申告が必要です。
ワンストップ特例制度の申請を忘れた人
確定申告をする必要があるのは、ワンストップ特例制度の申請を忘れてしまった人もです。
給与所得者で、かつふるさと納税先の自治体が5団体以内であっても、申請をしていないと税金の控除は受けられません。
申請期限の1月10日までに申請書類を送れなかった人なども含め、ワンストップ特例申請を忘れた人は、確定申告をしてくださいね。
ふるさと納税先におすすめの自治体はどこ?確定申告でもワンストップ特例でも利用可能!
ここではワンストップ特例制度が利用できる、ふるさと納税先としておすすめの5つの自治体を紹介します!
おすすめの自治体①宮崎県都城市
2019年には、ふるさと納税寄附件数が日本一となった宮崎県都城市。おいしい宮崎牛やお酒の返礼品が魅力です♡
返礼品の数・種類も豊富なのも◎人気の高い都城の和牛は、お家焼肉やすき焼きを楽しむのにもおすすめです!
また運営している「ふるさと納税特設サイト」では、寄附金の活用事業などの紹介をしているのが興味深いですね。
都城産 宮崎牛モモウデ焼肉
¥20,000
おすすめの自治体②北海道根室市
ウニやいくら、ホタテ、カニなどの海の幸を堪能できるのは、北海道根室市のふるさと納税です。
なにか特別なイベントのごちそうやおもてなしなどにも重宝できる豪華な返礼品が揃っています。
ホタテ貝柱
¥20,000
おすすめの自治体③新潟県燕市
ものづくりのまち・新潟県燕市の返礼品には、包丁やフライパンなどのキッチン用品があります。
金属洋食器の国内シェア90%を誇る燕市の、職人の技術から生み出されたキッチングッズは、返礼品ではなくても興味深いですよね♡
燕市の返礼品でもとくに人気が高いのは、包丁や鍋、フライパン、金属洋食器だそうですよ。
柳宗理 キッチンナイフ2点セット
¥30,000
おすすめの自治体④大阪府泉佐野市
大阪府泉佐野市のふるさと納税返礼品は、お肉やお米、海産物もさることながら、泉州タオルなどが魅力です。
質のいいタオルは利用しやすく、使い勝手も抜群。また小さな子どもがいる家庭でも、重宝しますよね。
泉佐野市は人気のふるさと納税先ということもあり、返礼品の種類が豊富で、子どもから大人までが使える&楽しめるものが多いですよ。
泉州タオル10枚セット
¥10,000
おすすめの自治体⑤静岡県焼津市
静岡県のおいしいお茶やビールなどの返礼品がある焼津市。
大人の楽しみとして、いただくのもいいかもしれませんね♡
もちろん海に面した街ならではの、魚介類・水産加工品を味わうのもおすすめです!
焼津サッポロビール
¥16,000
ふるさと納税をしたら確定申告かワンストップ特例制度の申請を忘れずに!
ふるさと納税で住民税・所得税の控除を受けるためには、確定申告かワンストップ特例制度の申請が必要です。
確定申告を必要としない給与所得者がワンストップ特例制度を利用する場合は、ふるさと納税先の自治体を5団体以内にし、かつ申請書の提出も忘れずに。
手続きも簡単になるので、条件が合う人はワンストップ特例制度をぜひ活用してください。
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