【リアル給与明細】57歳、サービスエンジニアの場合
プロフィール
57歳、男性
事務機製造販売のサービスエンジニア
▼現状
仕事内容は事務機器のメンテナンスと取り換え。
ボーナスは年間150万円。
労働時間は月220時間、残業はなし。
勤続39年で今年退職予定。
夫婦2人暮らし。
貯蓄は銀行預金で1,000万円。
【相談内容】定年が近づいてきて不安を感じています。どれくらい稼げば安定した生活ができますか?
解説するのは……
◆ゆきFP
FP1級を持つ元銀行員ライターです。
400世帯以上の資産運用についてご相談を受けていました。 特に、お金の制度をわかりやすく伝えることを得意としています。
安心して将来が暮らせる収入と貯蓄は?
質問者さんは、退職後にどれくらいの収入があれば生活できるのかお悩みのようですね。
結論から申し上げると、65歳までに3,000万円の貯蓄を目指せる収入があるとよいでしょう。
なぜなら、最低限の老後生活に必要な金額は約1,440万円、ゆとりある生活で約3,600万円といわれているからです。
家計の支出を確認し、現在の貯蓄と退職金を含めて目標の貯蓄に到達できるよう計算してみてください。
最低限の老後の生活で1,440万円、ゆとりある生活には3,600万円が必要
老後の生活費は「(毎月の生活費-収入)×老後の生活期間」で計算できます。
65歳以上の夫婦の生活費は月約28万円、受け取る年金額は月約22万円(夫婦ともに会社員の場合)が平均*。
65歳まで働き、その後20年を老後生活期間とすれば、必要額は(28万円-22万円) ×12カ月×20年=1,440万円となります。
しかし、旅行や趣味を楽しむ「ゆとりある老後」を過ごすには、月約37万円の生活費が必要*。
総額は3,600万円となり、どのような老後を過ごすのかによって必要な金額は異なります。
*……参考:総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」
*……参考:生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」
将来のイメージから逆算して毎月貯蓄
前述のとおり、3,000万円あればある程度のゆとりある暮らしができます。
65歳まで働くとするなら、完全な退職までに3,000万円の貯蓄を目指しましょう。
まずは、家計の支出を確認してみてください。
そのうえで、貯蓄すべき金額を計算してみましょう。
例えば、退職金と現在の貯金1,000万円を含めて、あと500万円を8年間で貯めるとします。
銀行預金なら毎月5.2万円*、NISAで年率7%の運用なら毎月3.9万円*の積立が必要です。
積立額と支出の合計が、質問者さんに必要な月収となりますよ。
仮に、現在の支出が月30万円で毎月4万円貯蓄する予定なら、手取りは34万円必要です。
転職で現在の月給から下がったしても、将来に備えながら生活していける計算になりますね。
*……ゆうちょ銀行「金利一覧」をもとに算出(2024年6月時点の通常金利=0.020%)
*……金融庁「つみたてシミュレーター」をもとに算出
新NISAを有効活用する
銀行預金以外にも、NISAで貯める方法もあります。
2024年からスタートした新NISAでは、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で240万円、合わせて年間360万円まで投資できます。
運用した利益は非課税で、一定の金額で年金のように受け取ることも可能。
低金利の中、物価が高騰しているため、インフレ対策にもなりますよ。
まとめ
・65歳までに3,000万円の貯蓄が目安。
・NISAを活用すれば、効率よく老後資金を準備できます。
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