お皿にのったしいたけ

しいたけは“洗わない”が新常識?栄養を保つコツ【管理栄養士が伝授】

Gourmet / Recipe

たっぷりの旨味と独特な香りで料理を美味しくしてくれる食材「きのこ」。なかでもしいたけは一年中スーパーで手に入るため、食卓にあがる回数も多いのではないでしょうか?
そのしいたけ、実は洗うと香りも栄養も逃げてしまうんです!
今回は、しいたけのおすすめの下処理方法をご紹介します。

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yuki
yuki
2024.04.26

しいたけの栄養は?

しいたけ パック

しいたけには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を含み膨らむことで腸を刺激し、便通を改善する効果に期待できますよ。

また、生しいたけには「エルゴステロール」という成分が含まれており、日光にあたることで「ビタミンD」に変換されます。

そのほかにビタミンB群や葉酸、ポリフェノールなども含まれているんです。

しいたけは「洗わない」が正解!

水で洗うしいたけ

現在スーパーなどで出回っているしいたけのほとんどは「菌床栽培」。
室内の衛生的な環境で育っており農薬も使われていないため、水で洗う必要はありません。

むしろ水洗いすることで、香りだけでなく栄養素も流出してしまう可能性があります。
水洗いすると、ポリフェノールの15%が流出。
つけおき洗いすると鉄が最大40%、亜鉛は最大25%も損失してしまうといわれています。

しいたけを拭く

そのためしいたけは水洗いせず、湿らせた布巾やキッチンペーパーなどでやさしくふき取るだけでOK。

POINT
ひだの中に入っている汚れは傘を軽くたたいて落としましょう。
しいたけに付着している黒い点はトリコデルマ菌で、触るとポロっと取れます。
トリコデルマ菌はしいたけにはよくみられる菌で、取り除けば食べられますよ。
全体的に黒ずんでいる場合は傷んでいるため、廃棄しましょう。

しいたけは日光浴することで栄養アップ

しいたけの天日干し

しいたけに含まれる「エルゴステロール」は、紫外線を浴びることで「ビタミンD」に変換されます。
調理前に30分〜1時間ほど日光に当てると、ビタミンDは約10倍にもアップ

傘を下にした状態でざる等の上におき、日当たりの良い場所で30分以上日光浴させましょう。

しいたけは冷凍保存で旨味アップ

しいたけの冷凍保存

きのこを冷凍保存すると、膨らんだ氷の粒が細胞壁を壊し、酵素が働き旨味成分が作られます。

冷凍きのこを調理することで「グアニル酸」や「アスパラギン酸」などの旨味成分は3〜4.5倍に
ただし、解凍すると水溶性ビタミン等が流出してしまうため、冷凍のまま調理しましょう。

石づきは切り落とし、傘と軸に分けて冷凍します。
冷凍した状態でも簡単にカットできるので、まるごと冷凍してOKです。

POINT
しいたけの石づきは軸の先端の黒い部分。
食べられないほど硬いので、石づきは捨てましょう。
軸は傘より硬いですが食べられるので、薄切りにするなど工夫して食べましょう。

しいたけは正しい下処理で栄養を逃さない!

しいたけの傘

しいたけは土に触れていないため、汚れはほとんどついていません。必要以上に水洗いせず、栄養を逃さず調理しましょう。
日光浴と冷凍保存のひと手間で栄養も旨味もアップさせ、美味しく食べてくださいね♪

ライター・管理栄養士yuki

◆ライター / yuki

管理栄養士。
大学院修士課程修了後、薬局の管理栄養士として栄養指導や相談、栄養・運動講座、レシピ作成、健康食品や化粧品の販売などに携わる。
現在は2児の子育てをしながら在宅でフリーの管理栄養士として活動中。食や美容に関する記事の執筆や監修などを行っている。
薬膳にも興味があり、薬膳調整師の資格を取得。食を通じて健康な身体づくりをモットーに日々知識をアップデートしている。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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