育休はいつまで?
育休には、法律で定められた『育児休業』と社内で決められた『育児休暇』があります。
ここではまず、育休の期間について確認しましょう。
育児休業の期間は1歳になる誕生日の前日まで
育児休業の期間は、子供が1歳(両親ともに育児休業を取得した場合、1歳2カ月まで)の誕生日を迎える前日までとなっていて、法律で定められています。
そして育児休業を取得すると育児休業給付金を国から受け取ることができ、こちらも特別な理由がない限り1歳までの給付となります。
また、企業が「育児休暇制度」を導入している場合は、育児休暇と育児休業を組み合わせることで、最長で2年から3年の育休を取得することが可能です。
ただし、企業によって育児休暇の制度の内容は異なります。対象者や給付金の有無、期間について会社に事前に確認してから、取得するかどうかや復帰の時期を決める判断をしてください。
保育園に入園できない場合は延長も可能
保育園への入園を希望していても、定員や希望者の多さなどで競争が激しいこともありますよね。でも、もし入園できなくても大丈夫。
育児休業は保育園などに入園できない場合に、1歳6ヵ月(再延長で2歳)まで延長が可能なのです。
申請をする必要があるため、保活の際に合わせて確認しておきましょう。
育休途中で早期復帰する場合も
育休の途中で仕事復帰する人もいます。
厚生労働省の調査(※)によると、育児休業の取得期間の割合は12ヵ月以上が38.4%だったのに対し、12ヵ月未満は61.6%になっています。
ただ、最も多い取得期間は10〜12ヵ月未満の31.3%、次いで12〜18ヵ月未満の29.8%で平均的には1年前後になっているので、しっかりと育休を取得している人が多いといえそうです。
※平成29年4月1日から平成30年3月31日までの1年間に育児休業を終了し復職した女性の育児休業期間
平成30年度雇用均等基本調査より
仕事復帰までの一般的な流れ
仕事復帰までの流れは、以下のようになります。
- 保育園の申し込み&入園決定:認可保育園の4月入園は、前年度の10〜12月頃に申し込みをして翌年2〜3月に内定が一般的。慣らし保育は育休終了前に終わるようにする。
- 仕事復帰の意思確認:予定していた復帰時期・育休期間終了の2〜3ヶ月前に、上司や人事部に仕事復帰の意思を伝える。復帰に向けての準備やサポートを受けることができる。
- 上司や人事との面談:仕事復帰の日程や勤務時間(時短など)について、上司や人事と相談して決定。基本的には同一部署への復帰になるが、業務内容の変更や他部署への異動の可能性もゼロではない。
- 復職に関する所定の届け出を会社等に提出する
- 業務の復帰準備:社内で復帰の周知が行われる。直属の上司だけでなく近い関係者には事前に挨拶をして、復帰前に業務内容や変更点、最新の情報を把握しておく。
育休復帰日の決め方
育休復帰日を決める際には、いくつかのポイントに注意しましょう。
社会保険料の免除期間を考慮する
育休を取得している間は、社会保険料が免除されています。仕事に復帰すると、社会保険料の負担も再び発生します。そのためこの期間を考慮することは、育休復帰を決めるうえで重要なポイントです。
詳しい時期については後ほどご説明しますが、慎重に計画を立てて、損をしないようにしましょう。
会社のルールを確認する
自分の復帰したい日を決める前に、職場の復帰可能な期間を確認しましょう。
育児休業の終了日と職場復帰の日は、多くの場合で異なります。会社のルールなどがないか、先輩ママなどに聞いてみると良いでしょう。
会社側の都合もあるので、復帰までの流れなどを上司や人事に相談することが大切です。
子供の預け先を決めておく
保育園や託児所の入所申し込みの状況もチェックし、子供を預けられる環境が整っているか確認しましょう。
慣らし保育もあるので、その期間も考慮して復帰日を決定します。
パートナーのスケジュールや家族のサポートも考慮すると◎
育休復帰はいつが得?損をしないタイミング
育休復帰にはいつが得か、損をしないタイミングを考えましょう。
月末を避け月初に復帰する
先ほど職場復帰の日は、社会保険料の免除期間を考慮するべきとご説明しました。
社会保険料が再び発生するのは、「月末の時点で復職している」かどうかで決められます。
例えば、4月30日に仕事復帰すると、その日しか働いていないのに4月分の社会保険料がまるまる1ヵ月分発生してしまいます。
でも、次の日の5月1日に復帰をすれば、5月分からの支払いで済むのです。
特別な理由がない限り、育休復帰日は月初にすることをおすすめします。
自治体の規定は要チェック
自治体によっては、就労証明書や復職証明書を提出する必要があります。
これは、入園から提出までの期間が定められていることが多く、自治体ごとに異なります。
住んでいる地域のホームページのチェックや、保育課などに問い合わせてみましょう。
慣らし保育の期間も重要
保育園への入園が決まると、慣らし保育が始まります。慣らし保育は、子供・保護者・保育士がお互いが慣れるために必要なものです。
この慣らし保育の期間は園によって異なりますが、通常の保育時間よりも短いため育休中に終了するのがベターです。
子供が保育園になかなか慣れてくれないこともあるので、余裕を持って始められると良いでしょう。
育休復帰に向けてしておくこと
育休復帰に向けて、準備をしておくことも大切です。
復帰後スムーズに働けるよう、以下のように備えておきましょう。
仕事復帰後の働き方を確認する
職場復帰の日が決まったら、今後の働き方を会社に確認します。
会社の理解と協力が欠かせないため、部署や業務内容、勤務時間などをしっかりとすり合わせ、お互いに認識のズレが出ないようにしましょう。
育児と仕事の両立についてパートナーや家族と話し合い、協力体制を作っておくこともおすすめします。
社会保険料について確認する
もし時短勤務などで給料が育休前に比べて下がってしまった場合、社会保険料も下げることができます。
事業主が育児休業等終了時報酬月額変更届を日本年金機構へ提出する形での手続きとなるため、経理部などに申し出が必要です。
でも社会保険料を下げることで、将来の受け取れる年金額が減ってしまう点は留意してくださいね。
保育園の決まりを確認する
復職したら保育園生活も本格的に始まります。
早朝・夜間を含む保育時間や、延長保育の有無など、しっかりと確認しておきましょう。
「病児保育」「病後保育」等、保育園以外でいざというときの預け先も確保しておくことをおすすめします。
復帰の挨拶について準備する
職場に復帰にしたら、所属する部署や関係者に復職した挨拶をする必要があります。
口頭で挨拶する場合や、取引先にメールを送付する場合など、いくつかのパターンを考えておくと安心です。
また、手土産を持って行く予定であれば、用意しておきましょう。
育休復帰はいつがベストかは人それぞれ
仕事復帰することはママにとって大きな決断。適切なタイミングで復帰をすることで、仕事と家庭を両立させやすくなるでしょう。
そしてそのタイミングは人それぞれです。
ぜひ、しっかりと準備をして、スムーズな育休復帰を果たしてくださいね。
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