そもそもお歳暮とは?
そもそもお歳暮とは、どういったものなのでしょうか。
ここではまず、お歳暮の基本知識を確認しておきましょう。
なぜお歳暮を贈るの?
お歳暮は、日頃お世話になっている方への感謝の気持ちをギフトという形で年末に贈るものです。
長い間大事にされている風習のひとつで、その起源は江戸時代であると言われています。
当時は新しい年を迎えるためのお酒やお餅、昆布など、日持ちのする食品が贈られていたそうです。
これまでお歳暮を贈ったことがない方は、ぜひ感謝の気持ちを込めてお歳暮を贈ってみてはいかがでしょうか。
お中元との違い
お歳暮は、年末に贈る一年間の感謝を伝えるギフトのこと。対してお中元は、一年のうち上半期の感謝を伝えるために、夏に贈るギフトです。
お中元・お歳暮のどちらも贈ることが一般的ですが、一年間の感謝を伝えられるお歳暮のみでもOKです。
一年分の感謝を伝えるわけですから、お中元よりもお歳暮の方が少し価格が高い傾向に。
そして贈る時期が異なるため、ギフトの内容も変わってきます。
年末に贈るお歳暮は、お正月に食べられるような高級ハムなどの肉類やカニ・フグなどの鍋料理など。
一方、夏真っ盛りに贈るお中元は、そうめんやフルーツなどが人気です。
ビールやジュースなどのドリンク類、スイーツ類は、お中元・お歳暮のどちらにも共通して人気があります。
お歳暮の基本的なルールとマナー
せっかくお歳暮を贈るなら、失礼にならないよう感謝の気持ちを伝えたいですよね。
ここからは、お歳暮の基本的なルールとマナーをご紹介します。
お歳暮を贈る時期
元々は、「正月事始めの日」である12月13日からお歳暮を贈ることが一般的でした。
でも最近では、早期割引などの影響もあってか11月末に贈る方も増えています。
そして、12月20日までに贈るのがベターとされています。20日以降は、年末年始に向けて何かと慌ただしかったり、自宅以外で年越しをする方もいたりするので、あまり遅い時期だと迷惑になってしまう可能性があるためです。
12月初旬〜12月20日までに贈ると覚えておきましょう。
お歳暮を贈る相手
お歳暮を贈る相手は、誰にしたら良いか迷いますよね。
目上のお世話になった方であればどなたでも対象と言えます。
- 上司
- 取引先
- 両親
- 恩師
- 仲人
- 習い事の先生
などが一般的な贈り先です。
でも、一度お歳暮を送ったら、翌年以降も贈り続けることがマナーであると言われています。
お歳暮の贈り先はよく考えて選ぶことをおすすめします。
また、学校の先生など立場上受け取れない方がいたり、最近ではお中元・お歳暮のやり取りをしない方も増えています。
迷ったときは同じ立場の仲間などに確認して検討しましょう。
のし紙の掛け方や書き方
お歳暮は、のし紙を掛け包装したものを贈ります。
のし紙は、水引や熨斗(のし)が印刷された用紙で、「紅白の花結び(蝶結び)」の水引のものを使います。
水引の上部には、「お歳暮(御歳暮)」、下部には自分の苗字か氏名を書きましょう。
また、のし紙の右上にある『熨斗(のし)』は、魚介類や肉などの生鮮食品を贈るときは付ける必要はありません。
そして、お歳暮を手渡しするときは「外のし」、郵送・配送する場合は「内のし」にしましょう。
最近では「簡易のし」も多く使われています。簡易のしとは、短冊に水引が印刷されていて、贈り物の右上に貼り付けて使用します。
簡易的ですが、失礼に当たることはありません。
お歳暮の相場と人気の品物
一般的なお歳暮の相場は、3,000〜5,000円程度です。
10,000円程度の品物を贈る場合もありますが、翌年以降に金額を下げることは失礼にあたります。
また、相手が負担に感じてしまうことも。
毎年贈ることを考え、負担にならないような金額に設定しましょう。
贈る品物は、食べもの・飲みものなどの消え物が一般的です。
贈り先の家族構成や年齢などが、品物を選ぶときのポイント。
高級ハムなどの肉類やビール、お菓子の詰め合わせなどが人気です。迷う場合は、調理油や洗剤なども◎
商品券などの金券や、別れを連想させるハンカチなどはNGなので、気を付けてくださいね。
お歳暮の贈り方
お歳暮の基本的なルールとマナーをご紹介しましたが、贈り方にも気を配り、感謝の気持ちがより伝わるようにしたいですよね。
ここでは、お歳暮の贈り方についてチェックしましょう。
最近では郵送が定番
本来はお相手宅に訪問し、お歳暮を直接手渡ししていましたが、最近では配送することが定番です。
その場合は、送り状(挨拶の手紙)を送るのがマナーです。
相手が不在で受け取れないことなどを考慮し、品物より先に送り状が届くように郵送しましょう。
事前に送り状が出せない場合は、電話などでお歳暮を贈った旨を連絡しておき、品物に同封するようにします。
ネット通販などで手配した場合も、手書きの送り状を郵送しておくとよいでしょう。
手渡しの場合の渡し方
事前に先方の都合を確認し、訪問する日取りを決めましょう。
時間の指定が無ければ、午前中であれば10〜11時頃、午後なら14〜15時頃をめどに訪問するのがベターです。
風呂敷や紙袋で持参し、お歳暮のみを取り出して感謝の言葉とともに渡しましょう。
その際は、相手が表書きを読める向きで渡すのがマナーです。風呂敷・紙袋は必ず持ち帰ってくださいね。
インターネットで手配するときの注意点
お歳暮をインターネットで手配することも多いですが、気を付けるべき点がいくつかあります。
前述しましたが、お歳暮が届く前に送り状を郵送しておきましょう。
それに合わせて、到着日の確認も必須です。お歳暮の時期とずれてしまうと意味がないため、早めに手配する場合も、ぎりぎりになってしまった場合も、適切な期間に届くのかを必ず確認しましょう。
また、購入金額が分かってしまうような明細が同封されないよう注意が必要です。
お歳暮マナーQ&A
ほかにも、お歳暮マナーについてさまざまな疑問点がありませんか?
最後に、お歳暮をいただいたときや、やめたいときなどのマナーについて解説します。
Q. お歳暮をいただいたときのお返しは?
お歳暮は本来、目上の方へ感謝の気持ちを示した贈り物です。そのため、お歳暮をいただいてもお返しする必要はありません。
でも、できるだけ速やかに電話か手紙でお礼を伝えましょう。
お返しをしたい場合は、「御礼」または「寒中御見舞」として、半額から同程度の品物を贈ると良いですよ。
Q. お歳暮をやめたい・断りたい!失礼のないやめ方は?
さまざまな理由から、お歳暮をやめたいこともあるでしょう。その場合、できるだけ失礼のないようにやめたいですよね。
方法としてはまず、お中元を贈るのをやめ、お歳暮の金額を減らします。そして翌年に挨拶状のみを送りましょう。
唐突にお歳暮をやめるのではなく、段階的に行なうことをおすすめします。
また、お歳暮を断らなければならない場合は、品物を頂戴し、同程度の金額の品物にお礼状を添えてお返ししましょう。
立場上受け取ることができない場合は、受け取れないことを書いた手紙を添えて、品物をそのまま返送します。
Q. 喪中の場合はどうする?
お歳暮は祝い事ではなく年末の挨拶なので、相手や自分が喪中でも贈ることができます。
でも、四十九日を過ぎてから、『寒中見舞い』として贈るのがベターです。
華美でない包装にし、水引の付いていない白無地ののし紙か、白い短冊を使うようにしてください。
自分が喪中の場合は、忌明け後に白無地ののし紙か白い短冊に「御歳暮」と書いて贈りましょう。
マナーを守ったお歳暮で一年の感謝を伝えて
お歳暮は、お世話になった方へ一年の感謝を伝えるための大切なギフトです。
先方のことを考え、マナーを守って贈ることで、より気持ちが伝わります。
ぜひこの記事を参考にしてお歳暮を贈り、一年を気持ちよく締めくくりましょう。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。