そもそも喪中とは?
喪中とは故人の死を悼む期間のことで、その間のお祝いごとなどを慎みます。
具体的には、正月行事や結婚式などの慶事を控えます。
喪中の期間は、昔は続柄によって細かく日数が定められていました。
それをもとに、
- 父母、義父母:12〜13ヵ月
- 子供:3〜12ヵ月
- 祖父母:3〜6ヵ月
- 兄弟姉妹:1〜6ヵ月
と言われています。
こちらはあくまでも参考で、明確な決まりはありません。
一般的には「一周忌までが喪中」という考え方が主流のようです。
期間のほかにも何親等までが喪中の範囲なのかなど、気になることは多いですよね。
ここではまず、喪中について詳しく解説します。
喪中の範囲はどこまで?
喪に服する範囲は、一般的に二親等以内です。
自分を中心に、
- 0親等:配偶者
- 一親等:父母・義父母・子
- 二親等:祖父母、兄弟・姉妹、孫、兄弟・姉妹の配偶者
義兄弟・義姉妹、義兄弟・義姉妹の配偶者、義祖父母
の範囲です。
この範囲でなくても、同居していたり関係が深かったりする場合、喪に服することもあります。
よく分からないときは、地域や親戚のしきたりを確認することをおすすめします。
何より、喪に服したいという気持ちの面を大切にすると良いですよ。
喪中に年賀状を出さない理由
喪中の期間は祝い事を慎むため、年賀状は出しません。
年賀状は新年を祝う挨拶状です。でも、喪中の場合はめでたく新年を迎えられない状態であるため、年賀状を送るのには適切でないのです。
そのため、年賀状を出さない代わりに『喪中はがき(年賀欠礼状)』を出します。
「喪中のため新年の挨拶ができず申し訳ないです」という意味で、喪中を知らせるものではありません。
年賀状を受け取るのはOK
喪中は年賀状を送ることができませんが、年賀状を受け取ることは問題ありません。
前述の通り喪中はがきは「新年のご挨拶ができません」という意味で、相手の年賀状を断っているものではないのです。
むしろ喪中という悲しい期間であるからこそ、年賀状を送って欲しい、受け取りたいということもありますね。
その場合は喪中はがきに「例年どおり近況をお知らせください」など、その旨を一筆書いておくと良いでしょう。
喪中はがきを送るときは
ここからは、喪中はがきの送り方や書き方を詳しくご紹介します。
喪中にあたる方は参考にしてみてくださいね。
喪中はがきはいつまでに送る?
喪中はがきは年賀欠礼状であるため、年内に届くように送ります。
最近では喪中はがきをもらったら年賀状を出さないことが多いので、先方が年賀状の準備が始まる前(11月中旬〜12月初旬)に出すことがマナーです。
もしも12月に不幸があった場合は、年明けに寒中見舞いを送りましょう。
寒中見舞いは、松の内(門松を飾る期間)が明けてから2月初旬の立春までに送るものです。
地域によって異なりますが、関東では1月7日までとされています。
そのため、1月8日以降、できるだけ早めに寒中見舞いを送るようにしてくださいね。
喪中はがきを出す相手について
喪中はがきを出す相手についても悩むところかもしれません。
これまで喪中はがきは、年賀状をやり取りしている人に送るのが一般的でした。
でも最近では、故人と面識があったり関わりが深かったりする人のみに送り、あまり関わり合いのない人には送らないという場合も増えています。
そのため、仕事の取引先や友人には例年通り年賀状を送る人も多いようです。
必ずしも喪中はがきを出さないといけないということはなく、臨機応変に対応すると良いでしょう。
喪中はがきの書き方
喪中はがきは以下のような構成で書きましょう。
- 「喪中のため年賀欠礼する」という挨拶文
- 誰の喪中なのかを知らせる(故人の名前・亡くなった月・享年)
- 結びの挨拶(故人が生前お世話になったことへのお礼など)
- 差出を行なった月
- 住所・差出人名
挨拶文には、お祝いにあたる「賀」の文字を使わないことがポイントです。また、句読点や数字は使わず、改行後の一字下げも行いません。
また、故人の名前などに関しては知らせたくないときは無理に書かず、故人名なしでも問題ありません。
差出人名については、本来年賀状を出していたときと同様にしましょう。夫婦連名で年賀状を送っていたのであれば、喪中はがきも同じようにしてください。
喪中はがきの文例
喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます
本年〇月に(続柄)〇〇が〇歳にて永眠いたしました
生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどをお願い申し上げます
令和〇年十一月
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喪中はがきを送っていない方から年賀状を頂いたら
喪中はがきを送ってない方から、年賀状を頂くこともありますよね。
このような場合も、『寒中見舞い』で返信します。前述の通り、松の内が明けてから立春までの間に速やかに送るようにしましょう。
喪中のため年始の挨拶ができなかったこと、お知らせできなかったことのお詫びを書くようにしてくださいね。
年賀状への返事:寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年頭のご挨拶を頂きありがとうございました
亡き父○○の喪中につき年頭の挨拶を控えさせて頂きました
旧年中にお知らせ申し上げるべきところ 年を越してしまいました非礼をお詫び申し上げます
まだまだ寒い日が続きますが ご自愛くださいますようお祈り申し上げます
令和〇年一月
相手が喪中のときの年賀状マナー
では、喪中はがきを受け取った場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
マナー違反ではないとはいえ年賀状を送るのは気が引けますし、年賀状は送らないことが一般的です。
喪中の知らせが届いたときは、
- 年始状
- 寒中見舞い
- 喪中見舞い
で対応しましょう。
①年始状を送る
年始状は、年賀状と同様に年始に送りますが、「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」などのお祝いの言葉を控えたものです。
本文でお祝いの言葉を避けているため、年賀はがきを使わないようにするのがベター。
でも、年賀と書いていないものは普通の郵便物と同様に扱われ、年内に届いてしまうかもしれないので注意が必要です。
近況報告をしたり、子どもの写真を使ったデザインを使用したりするのは問題ありませんが、日の出や干支などのモチーフは避け、おめでたい雰囲気を出さないように気を付けましょう。
②寒中見舞いを送る
寒中見舞いは、本来寒さが厳しい時期に相手を気遣うために送る挨拶状です。この寒中見舞いを喪中はがきのお返事として送ることも多くなっています。
松の内が明ける1月8日以降に届くように送りましょう。
構成としては
- お見舞いの挨拶
- 先方の健康を気遣う言葉など
- 故人を偲び、相手を思いやる言葉
- 結びの挨拶
といった内容です。下記の文例も参考にしてみてくださいね。
喪中の方へ:寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます
服喪中のことと存じ 年始のご挨拶は遠慮させていただきましたが
寒冷の候 いかがお過ごしでしょうか
〇〇様には生前大変お世話になりましたが お返しできぬままお別れとなってしまいました
今はご冥福をお祈りするばかりでございます
厳冬の折 皆様どうぞご自愛ください
令和〇年一月
③喪中見舞いを送る
喪中の方へのお悔やみを伝える手紙とともに、香典やお悔やみの品を送ります。はがきのみを送っても問題ありません。
喪中はがきが届いたらすぐに送りましょう。お悔やみの品は、相手の負担にならないような物がベターです。
年賀状を送ってしまったけど大丈夫?
喪中であることを知らなかったり、喪中はがきが届くより前に年賀状を出してしまったりすることもあるでしょう。
マナー上は問題ないのですが、心情的には気になりますよね。
そういった場合は、気づいたときすぐにお詫びの連絡をすることが大切です。親しい間柄であればメールや電話などでも良いでしょう。
そして年明けにお悔やみの言葉を添えた寒中見舞いを送るといった対応をすれば丁寧です。
喪中の年賀状は臨機応変に
年賀状の準備には慣れていても、喪中の対応はなかなか慣れないものです。
マナーが気になるところですが、喪中はがきなどについては厳格な決まりはありません。
故人を悼む気持ちを大切にして、臨機応変に対応しましょう。
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