出産後の生理再開はいつ？
妊娠中は生理が止まっていましたが、産後の生理の再開はいつはじまるのか気になりますよね。
産後の生理の再開は、早い人で産後1ヶ月、授乳していない場合は産後1ヶ月〜3ヶ月で再開するママが多いようです。
ただし、個人差があるため、2年たっても生理がこない場合も。
産後の生理の再開には、ホルモンバランスの変化が大きく影響しています。
一般的に授乳をしていると生理の再開が遅くなり、授乳をしていない場合は早くなるといわれています。
このように生理の再開は個人差がありますが、子育てしながらの体の不調は大変ですし、2人目以降の出産を考えている場合など、生理の再開について知っておくと計画が立てやすくなって安心です。
出産後しばらく生理がこない3つの原因
産後に生理が再開しないと不安になってしまいますよね。
生理がこない原因と考えられる理由には、
- 母乳育児をしている
- 生理再開しないまま妊娠した
- ホルモンバランスの乱れ
の3つのが考えられますが、他にも生理不順や生理の遅れを引き起こす疾患が原因の場合も。
治療が必要な場合もあるので、気になる場合は早めの受診、医師への相談が必要です。
原因①母乳育児をしている
母乳育児をしていると、母乳の分泌を促進する「プロラクチン」というホルモンが働きます。
このホルモンは排卵を抑制するため、生理がこない原因となるのです。
監修医 高橋しづこ先生のコメント：
授乳している期間は全く生理が無い場合もあり、私の場合、出産後3人とも2年近く月経がありませんでした。
逆に、完ミ(完全ミルク)の場合は、このホルモンの出産後の分泌は低下するため、生理の再開が早い傾向にあります。
しかしながら、授乳の回数や量によっては、断乳をする前に生理が再開することもあるので、個人差があるといわれています。
原因②生理再開しないまま妊娠した
実は、産後の生理が再開しなくても妊娠する可能性があります。
生理前に排卵が起こるため、生理が来る前の排卵のタイミングで妊娠することも。
「出産直後だから」「授乳しているから」と思っていても排卵をしている場合もあるので、一度も生理がこないまま妊娠することもあるのです。
思い当たる場合は、つわりなどの妊娠初期症状があるかどうかを確認し、心配な場合は早めに医師に相談しましょう。
原因③ホルモンバランスの乱れ
産後は育児疲れによる体力低下、母乳育児による栄養不足、子育てのストレスによるホルモンバランスの乱れなどが、生理が再開しない原因になることも。
妊娠出産を経て、女性の体は妊娠前の状態に回復するまでにしばらく時間がかかります。しっかりと栄養をバランスよく摂ることが大切。
産後は夜泣きで睡眠不足になりがちですが、無理をしすぎずにきちんと休息を取ることも必要です。
生理再開の兆候は？再開を早める方法はあるの？
生理がくる前兆が現れるかどうかは個人差があります。
妊娠前のときと同じように、頭痛・腹痛・肩こり・肌荒れといった症状が出る場合も。
また、心も体も不安定になるなど、ちょっとした異変を感じることもあります。
2人目以降の妊娠希望をしている場合は、生理再開を早めたいママも少なくありません。
生理再開前でも排卵機能が回復していれば、妊娠する可能性があります。
断乳とホルモンバランスの安定が、生理再開を早める場合もありますが、これにも個人差があるため、まずは婦人科で子宮や卵巣の状態を確認してもらうと安心でしょう。
本当？出産後の生理再開にまつわる疑問
生理がこないと不安に感じるママも入れば、生理は面倒に感じるママもいますよね。
出産後の生理再開にまつわる正しい知識を身に着けておけば、賢く自分の体と付き合うことができるかも。
気になる、出産後の生理再開にまつわる3つの疑問の正しい答えを知っておきましょう。
授乳中は絶対に生理がこないって本当？
授乳期間が長いほど、生理の再開時期も遅くなる傾向にあります。
これは、母乳の分泌を促進するホルモン「プロラクチン」の働きによって、排卵が抑制されているためです。
完母や混合でも、このホルモンの分泌量には違いがあります。また、授乳回数が減ると、断乳前でも生理が再開する可能性も。
このように授乳の状態によってホルモンの分泌量が異なるため、生理の再開時期も個人差が出てきます。
生理再開のタイミングは痩せやすいって本当？
生理再開のタイミングで痩せやすくなったと感じるママは多いようだが、実は直接生理が関係しているわけではありません。
授乳中は和食をメインとした食生活にしたり、出産後はしばらく授乳のためにしっかりと摂っていた栄養が卒乳後が不要になります。
また、断乳後は産後ダイエットとして意識的に食事の量を減らしたり運動したりなど、日常生活の変化が大きく影響しているといえそうです。
生理がこない間は妊娠しないって本当？
生理の前に排卵は起きるため、生理がきていないからといって避妊をしないと妊娠することもあります。
多くの場合、出産後の生理はまだ卵巣の働きがよくないため、1回目の生理は無排卵になります。
しかし、排卵機能の回復には個人差があるため、排卵している可能性も。
まだ妊娠を希望しない場合は、生理がきていなくても避妊をしましょう。
出産後の生理再開前後に気をつけたいこと
出産後もしばらくは女性の体は不安定です。初めての出産はもちろん、2人目以降の妊娠出産でも異なるため、不安に感じることも多いでしょう。
生理再開前後も注意をしないと、隠れた体の不調を見逃してしまうかもしれません。
以下のような体の変化や、少しでも異変を感じたり気になることがあったら、医療機関に相談することをおすすめします。
- 生理再開前
白いおりものの量が増えたり陰部にかゆみを感じる場合は、真菌感染も考えられます。 - 生理がこない
子宮筋腫やポリープ、甲状腺の病気など無月経を引き起こす疾患もある。 - 生理再開後
出血量が多かったり生理期間が長かったり、不安定だったりする場合も。原因は様々なので、不安に感じたら医師に相談をしてください。
正しい知識を持って出産後の生理再開を健やかに迎えましょう
妊娠出産、そして産後も女性の体には様々な変化があります。
「産後1年経っても生理がこない」「まだ卒乳していないのに生理がきた」といった時も、産後の生理再開の知識を事前にチェックしておくことで、不安を減らすことができるはず。
安心して子育てができるように、正しい知識を持って、生理再開を健やかに迎えましょう！
監修◆高橋しづこ(たかはししづこ)
産婦人科医
産婦人科専門医、臨床遺伝専門医、医療倫理学博士のライセンスを持ち、39歳で第1子、41歳で第2子、43歳で第3子を出産して3人の子をもつ母。 自身の高齢不妊や妊娠、出産の経験から、患者の心に寄り添うことをモットーとしている。
書籍『せかいがかぜをひいたから』オリジナル絵本サイト「YOMO」にて2020年8月公開
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