【相談内容】老後の年金だけでは生活できませんか?
「定年が近づいてきて、年金だけで暮らしていけるのか不安です。iDeCoや確定拠出年金には入っていますが、これだけで足りるのでしょうか……。今からできる備えがあれば知りたいです」
プロフィール
61歳、男性、会社員(製造業管理職、年収720万円)
家族構成:妻(パート)と2人暮らし
・住宅ローンは完済済み
・貯金:現金約300万円、iDeCo残高約200万円、企業型確定拠出年金に積立中
・退職後の見込み年金:夫婦合わせて月18万円
・現在の生活費:月28万円
【回答】月々の支出を抑えた生活を心がけて。退職金を債券投資で運用し、年金代わりの利子収入を受け取れるようにしましょう
相談者さんは管理職として年収720万円を稼ぎながら、iDeCoと企業型確定拠出年金にも加入済み。
大変堅実に老後の準備をしていらっしゃいますね。
ただし、毎月の生活費に28万円かかっており、受給見込み年金が18万円なので、月々10万円足りない見込みです。
この10万円をどう埋めるかがカギとなるでしょう。
具体的にどんな行動を取るべきか、2点アドバイスしますね。
生活費を月25万円以内に抑える工夫を
65歳以上夫婦無職世帯の平均生活費は月25.7万円*。
まずは、25万円を目標に節約しましょう。
*……参考:総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年平均結果の概要」(p.18図1)
相談者さんは住宅ローンを完済しており居住費を抑えられる分、生活費を大きく下げられるはず。
老後の生活設計で大事なのは、入ってくる収入の中で生活できるように「いかに倹約するか」です。
スマホを格安SIMのものに変える、光熱費の供給プランを見直す、外食の回数を減らす、まとめ買いをして無駄な買い物をしないようにするなど、できるところから始めてみましょう。
退職金を利付きの債券投資で運用する
退職金で債券(利付債)を購入し、年金代わりの収入を受け取れるようにする方法もあります。
債券投資では償還時に元本が全額戻ってくるため、比較的低リスク。
利付債を購入すると、年に1〜2回購入額に応じた利子収入を受け取れますよ。
より安心を取りたいなら、発行元が国で格付けAA以上の国債を購入すること。
債券は利回りが低いですが、退職金など元手が大きければ、利益はかなり出ます。
例えば、2,000万円を年利回り4%で運用する場合、毎年80万円の利子収入が入ってきます。
毎年80万円あれば、毎月6.7万円ずつ生活費に回せる計算に。
18万円の年金と合わせれば24.7万円になり、生活費をカバーできますね。
この投資のポイントは、退職金を取り崩さないで済むこと。
退職金から必要な金額を毎月取り崩す場合、仮に毎月10万円取り崩すと10年後には1,200万円、20年後には2,400万円といった具合に、資産がどんどんなくなってしまいます。
利付債であれば、利子収入を得ながら基本的に満額返ってきますので、資産を維持でき、さらに次の債券投資に回して運用する、子どもに資産を残すなど次につなげることができますよ。
まとめ
・生活費を25万円以内に抑えられるよう、倹約を心がける。
・退職金を債券投資で運用し、年金代わりの収入を得る。
※この記事で扱うテーマは、マネー相談に寄せられる一般的なお悩みに、AIと編集者が一部編集を加えたものです。相談への回答および解説はすべてFP資格を持ったライターが対応して執筆しています。
◆綾瀬わか
AFPライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。
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