【ゾッとする怖い話】「後ろから見てる」実家の浴室で起こった恐怖体験

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水回りには、霊が集まりやすいといいます。
それは浴室もまた例外ではありません。
今回は、実家の浴室で恐怖を味わった男性のエピソードをご紹介します。

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松木あや
松木あや
2025.05.11

濡れた床

狭いバスルーム出典:stock.adobe.com

大学卒業後、県外の会社へ就職した私は、夏季休暇を利用して実家へ帰省していました。

その日の夜は、高校時代の友人たちと久しぶりに地元の居酒屋へ集合。
思い出話に花が咲き、気が付くと時計の針は既に深夜2時を回っていました。

先ほどまでの楽しかった時間を思い出しながら、鼻歌交じりに家路を辿ります。
家に着き、既に家族が寝静まるところ、玄関をそーっと開けて中へ入りました。

「ん?」

玄関を開けてすぐに風呂場が見えるのですが、風呂場の前の床が濡れていることに気が付きます。

母は綺麗好きで、濡れたままの床を放っておくことは考えられません。
不思議に思いましたが、たまにはそんなこともあるか、とそれ以上は深く考えず家へ上がりました。

不自然な水音

シャワーから水が出る様子出典:stock.adobe.com

リビングで少しくつろいだ後、シャワーを浴びるために浴室へと向かいました。

「あれ?」

すると先ほどまで濡れていた、風呂場の前の床が乾いていました。

この短時間で乾いたとも思えず、見間違いだったのかな?なんて考えながら、ほろ酔い気分で服を脱いでいきます。
シャワーのハンドルを捻り、お湯が出るまで待っていると。

“ぴちゃ……ぴちゃん……”

シャワーから勢いよく出る水の音以外に、なにか形容しがたいのですが、どこかから水が滴るかのような音がするのです。

少々不審に思いましたが、酔いのせいもあった私は深く考えず、水からお湯へと変わったシャワーを勢いよく浴び始めました。

シャンプーを手に取り、ぎゅっと目を瞑って髪を泡立てます。
するとまた……。

“ぴちゃん……ぴちゃ……ぴちゃん……”

今度はシャワーを止めているため、はっきりと聞こえました。

一気にザワザワと騒ぎ始める胸。
なんだか、とても近くから聞こえる気がするのです。

真下を向いた前屈みの状態で髪を泡立てていた私は、その姿勢のままそっと目を開けてみました。

すると限られる視界の中に、捉えたのは……。

私の目の前に立つ、青白い両足でした。

見ていたのは、前からではなく……

私は恐怖で上を向けないまま、転がるようにして浴室を這い出ると、両親が寝ている寝室へ飛び込みました。
泡だらけの頭で大騒ぎする私に両親は驚き、飲みすぎだと叱られましたが、先ほど起きた出来事の全てを説明します。

すると父親は、「おまえもか」と言うのです。
父親も、この家の浴室で何度か同じような体験をしたのだと。

小さい頃から生まれ育った、心安らぐはずの実家でそんなことが起きていたなんて。
ショックを隠し切れませんでしたが、一つ確認したいことがありました。

足しか見なかった私は父親に、顔は見たのか?どんな顔なんだ?と問いました。
父親は言いました。

「そいつに首はない。首は別にいて、後ろから見てる」

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

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松木あや

ホラーやオカルトが好き。在住する東北の地で、ひんやりとした怖い話を収集しています。
恐怖体験の「おすそわけ」を楽しんでもらえると嬉しいです。