菊は日本で古くから愛されている花
菊はキク科キク属に属する多年草の植物の総称です。
原産地は中国ですが日本でも盛んに品種改良が行われており、さまざまな色・形の種類があります。
菊といえばお葬式でよく使われるイメージですが、皇室の紋にも使われていて日本を象徴する花のひとつです。
菊は本来9〜11月が旬ですが、生産方法が多様化したことにより現在は1年中手に入れることができます。
菊という名前の由来
菊という名前の由来には諸説あります。
1つめの有名な説は、中国から日本に伝わった際に「kuku(クク)」と呼ばれ、そこから「キク」に変化したという説。
2つめは、菊が「一年の最後に咲く花」とされ、行き詰まるという意味の「窮まる(きわまる)」が語源になったという説です。
また、キク属の学名「Chrysanthemum(クリサンセマム)」は、ギリシア語の「chrysos(黄金)」と「anthemon(花)」が語源といわれています。
古典菊と洋菊
菊は大きく分けると、古典菊と洋菊という2種類に分けられます。
古典菊は、奈良時代に中国から伝わり、江戸時代に入ってから盛んに品種改良されるようになったもの。
おもな古典菊には「江戸菊」「嵯峨菊」「美濃菊」などがあります。
洋菊は、スプレーマム・ピンポンマムなどイギリスを中心に欧米で生み出されたものを指します。
小輪でたくさんの花をつけ、ピンクやオレンジなどたくさんの色や品種がありますよ♪
9月9日は重陽(菊)の節句
9月9日は重陽(ちょうよう)の節句で、別名「菊の節句」ともいわれます。
重陽の節句とは、中国で奇数は陽・偶数は陰と考えられていたことに関係している風習です。
陽の数字で最も大きな9が重なる9月9日は、陽の気が強すぎて不吉と考えられていました。
そして、ちょうどその時期に見頃を迎える菊は邪気を払う縁起の良い花と捉えられ、菊の花を飾ったり菊花酒を飲んだりする習慣が生まれたのです。
重陽の節句は日本でも取り入れられ、3月3日の桃の節句・5月5日の端午の節句・7月7日の七夕の節句と並んで、江戸幕府で定められた五節句のひとつとなっています。
菊全体の花言葉
菊全体の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」です。
気品のあるイメージの言葉がつけられているのは、気高い菊の姿や、皇室・宮家などの紋章に用いられていることに由来しているそう。
また、英語では「cheerfulness(陽気・朗らか)」「You’re a wonderful friend(あなたはとても素晴らしい友達)」の花言葉がつけられています。
色によって異なる菊の花言葉
菊の花はさまざまな色の種類があります。
ここでは、色によって異なる菊の花言葉をご紹介しましょう。
ピンク色の菊の花言葉
ピンクの色の菊の花言葉は「甘い夢」。
華やかで人気の高いピンク色の菊には、ピンク色が持つ甘く可愛らしいイメージにぴったりの、ロマンチックな花言葉がつけられています。
大切なパートナーへのプレゼントにもおすすめですよ♡
赤い菊の花言葉
赤い菊の花言葉は「あなたを愛しています」です。
また、濃い赤色の菊には「愛情」という花言葉もあります。
赤という色は情熱や愛をイメージさせる色であるため、赤い菊にも愛に関する意味が込められているようです。
白い菊の花言葉
白い菊の花言葉は「真実」「誠実な心」「慕う」です。
このような花言葉から、お葬式で使われる白い菊には故人を慕う気持ちが込められています。
黄色い菊の花言葉
黄色い菊の花言葉は「破れた恋」「長寿と幸福」「わずかな愛」です。
また、英語では「slighted love(軽んじられた恋)」という花言葉がつけられています。
黄色という色は日本では元気で明るいイメージがありますが、外国では裏切り・不吉などマイナスなイメージも。
そのため、黄色い菊にも、ポジティブ・ネガティブ両方の意味が込められているようです。
紫色の菊の花言葉
紫色の菊の花言葉は「夢が叶う」「恋の勝利」「私を信頼してください」です。
昔の日本では一番位の高い人が紫色の召し物を着ており、紫という色は古くから高貴な色と認識されていました。
そのため、紫色の菊にも凛としていて前向きな意味が込められています。
種類によって異なる菊の花言葉
菊は種類によっても異なる花言葉がつけられています。
プレゼントに菊を選ぶ際は、品種にもこだわってみると◎
スプレー菊(スプレーマム)の花言葉
スプレー菊(スプレーマム)の花言葉は「あなたを愛しています」です。
スプレー菊(スプレーマム)はアメリカでつくられた園芸品種で、一つの茎からいくつもの花を咲かせるのが特徴。
華やかな見た目で色の種類も豊富なため、プレゼントにもおすすめの品種です。
ピンポン菊(ピンポンマム)の花言葉
ピンポン菊(ピンポンマム)の花言葉は「君を愛す」「真実」です。
ピンポン菊(ピンポンマム)はまんまるのフォルムが可愛らしく、花言葉もポジティブなものであることから、結婚式などでも人気の品種となっています♪
寒菊の花言葉
寒菊の花言葉は「健気な姿」「真の強さ」です。
寒菊とは一般的な菊よりも遅い12〜1月に開花する菊のことで、寒さに負けず丈夫であることからこの花言葉がつけられたといわれています。
菊に怖い花言葉はある?
菊はお葬式やお墓で見かけることが多い花であるため、死と関連づけて怖い・不吉というイメージを持っている人も多いよう。
でも、菊に怖い花言葉はありません。
お葬式などでよく使われるのにも、花持ちがいい・枯れた際に散らかりにくく片付けが簡単といった実用的な理由があります。
そのため、菊に怖いイメージを持つ必要はないでしょう。
菊はいつの誕生花?
菊は、9月8日・9月9日・10月1日・10月14日・10月27日・11月3日・11月27日・12月9日・12月13日の誕生花です。
誕生花とは古代ギリシャ・ローマで日々の神々と花を結び合わせて暦にしたものであり、1年365日に特定の花が当てはめられています。
誕生花を贈られた相手には幸福・愛・富がもたらされるともいわれているため、誕生日を迎える相手に菊を贈るのもおすすめです♡
プレゼントできる菊の種類や贈る際の注意点
菊はポジティブな花言葉がたくさんあるため、プレゼントにもおすすめの花。
でも、日本では仏花に用いられることが多いことからマイナスのイメージを持っている人もいるため、贈る際はいくつかポイントを押さえる必要があります。
まず、色に注意することが大切です。
お葬式で使われることが多い白い菊はプレゼントには避けた方が◎
愛に関するネガティブな意味の花言葉を持つ黄色い菊も、贈る相手によっては注意が必要です。
また、プレゼントに選ぶなら品種はピンポンマム・ロサーノシリーズ・アナスタシアシリーズなど華やかな洋菊がおすすめ♪
菊を贈ることで相手がどう感じるか気になる場合は、伝えたい花言葉やメッセージをカードに書いて添えておくのも良いでしょう。
菊を贈るのにおすすめのシーン
菊は、慕う気持ちや長寿を願う気持ちを込めて父の日や母の日のプレゼントに贈るのがおすすめです♪
子供から邪気を払うという意味で、七五三のお祝いにも◎
また、菊は新年を祝う花としてもよく選ばれます。
菊を飾ると福がくるともいわれているため、新年の挨拶として大切な人やお世話になっている人に贈るのも良いでしょう。
菊には良い意味の花言葉がたくさんある♪
菊は日本を象徴する花のひとつであり、ポジティブな意味の花言葉がたくさんつけられています。
ぜひこの記事を参考に菊の花言葉を知って、贈る際・贈られた際の参考にしてみてくださいね♪
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