【リアル給与明細】34歳、営業職の妻。収入が低いので転職してほしいです……【FPが解説】

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読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【34歳 営業職兼事務職】

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松田亮太
松田亮太
2024.06.12

【リアル給与明細】34歳、営業職兼事務職の場合

給与明細

プロフィール

34歳、男性の妻
夫は営業職兼事務職

▼夫の現状
営業職兼事務職4年目。
病院への集患のため医療法人の営業職員として勤務する一方で、病院事務も兼任。
労働時間は月160時間、残業はなし。
ボーナスは年間85万円。

【相談内容】収入が月2〜3万円増えてほしいのですが、主人に転職をお願いすべきでしょうか?

解説するのは……

 

◆松田亮太

ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。

まずはライフプランで必要な貯蓄額の目安を

相談者さんは、6歳と2歳のお子様がいらっしゃる4人家族であり、下のお子様が幼稚園に行くようになるまでは専業主婦の予定であるため、思うように貯蓄ができていないことに悩んでおられるのですね。

しかもご主人のお勤め先では残業がなく、副業禁止でもあるため、転職をお願いすべきか知りたいとのこと。

まずは年収約410万円で生活されているうえに、月1万円程度の貯蓄ができているとのことですから、しっかりと家計をコントロールなさっているように感じます。

とはいえ、これからの教育費やご自身たちの老後の生活資金が必要になってきますから、不安を感じるのも無理はありません。

まずは将来に向けていくらぐらい貯蓄していくと良いか、目安をつけましょう。
目安がついていない状態で頑張って貯蓄をしても、残念ながら不安はなかなかなくなりません。
結果として、必要以上の貯蓄をする可能性もあります。

必要以上の貯蓄をするということは、見方を変えれば「本来、お子様たちに使ってあげられるお金を節約して必要のない貯蓄をする」ことです。

お子さまたちは日々成長します。
「今」を大事に生活するためにも、ライフプランを作成して必要な貯蓄額の目安をつけましょう。

転職か否かはしっかりと話し合って

相談者さんのご主人のお勤め先では残業なし、副業禁止であるため、収入を増やすために転職の検討は非常に有効です。

ただ、ご主人が今の仕事に「やりがい」「楽しさ」を感じている場合や、「今の職場での将来のビジョン」が明確である場合は、転職は向いていない可能性があります。

仕事は収入を得る手段の1つですが、多くの時間を費やすため、お金だけでは片付けられない部分があります。ひょっとしたらご主人にも、今のお仕事に「やりがい」「楽しさ」「将来のビジョン」があるかもしれません。

あるいは、ご主人は収入増加の策を何かお持ちかも。

まずはご主人のお仕事に対する考えや思いなどをじっくりと聞いたうえで、差し支えないようであれば転職の提案をしてみましょう。

収入増加までのお金の目途をつけておきましょう

一方でご相談者さんは、下のお子様が幼稚園に入ったあとはお仕事に出られるお考えのようですから、それまでの毎月のお金のやり繰りを検討しておきましょう。

収入は、現在のお給料に、幼稚園に入るまでの月数を掛けた額。

収入(A)=現在のお給料振込額×お子様が入園するまでの月数

支出は、毎月の生活費に幼稚園に入るまでの月数を掛けたものと幼稚園の入園費用など一時的に発生するものを足した額です。

支出(B)=毎月の生活費など×お子様が入園するまでの月数+入園費用+その他一時的な支出

算出した収入から支出を差し引いた(A-B)結果、プラスであればすぐに資金不足になることがないため、お金のことは奥様がお仕事を始める頃に改めて検討しましょう。

収入から支出を差し引いた(A-B)結果がマイナスであった場合は、その分だけ預貯金を取り崩す必要があります。
マイナス分以上に預貯金額があれば良いのですが、ない場合は下のお子様が入園する頃にはお金が足りなくなる可能性が高いので、借り入れなどにより早急な手当てが必要です。

給与明細やご相談内容からは多少なりとも預貯金はお持ちかと思われます。
大丈夫とは思いますが、まずはライフプランを作成し、老後までを見据えた必要貯蓄額や、お子様が幼稚園に入るまでのお金のやり繰りを明確にしましょう。

まとめ

パソコンを見ている家族出典:stock.adobe.com

・ライフプランを作成し、将来に必要な貯蓄額を明確にしましょう。

・転職は、収入だけでなく「やりがい」「楽しさ」「将来のビジョン」なども考慮しましょう。

・短期間の収支をはじめ、大きな支出までのお金のやり繰りも明確にしておきましょう。

・短期間での収支がマイナスの場合は、借り入れなどで早急な手当てを。

※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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松田亮太

大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務。個人宅を中心にお金の正しい知識と知恵を伝える一方で、社内の総務、人事、経理などバックオフィスを一手に引き受けている。
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級