塾に通う小学生はどのくらいいる?
まずは文部科学省が行なった平成30年の「子供の学習費調査」を参考に、塾に通う小学生がどのくらいいるのかを確認してみましょう。
この調査によると、公立に通う小学生の約4割、私立に通う小学生の約7割が塾通いをしているそうです。
学校外活動費を学年別にみると、公立は6年生、私立は4年生以降に「補助学習費」の割合が「その他の学校外活動費」の割合を上回っています。
この補助学習費においては、公立小学校の場合、低学年のうちは「家庭内学習費」が多いのに対し、高学年では「学習塾費」が多くなっています。
小学生は高学年になるほど、塾に通っている子供が多いという結果であることがわかりますね。
小学生に塾は必要?メリットとデメリット
前述の結果から、小学生で塾に通っている子供は多くいることがわかりました。
でも自分の子供となると、塾に通わせる必要性があるのか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。特に周りが教育熱心な家庭が多い環境だと、より考えてしまいますよね。
ここでは、小学生が塾に通うメリットとデメリットをご紹介します。
塾に通うメリット
塾へ通うメリットは、
- 中学受験に対応できる
- 勉強の習慣がつく
- 中学校進学の準備になる
- 授業の補足やテスト対策ができる
- 学校以外の交友関係ができる
などです。
特に中学受験を考えている場合は、中学受験の情報を得たり、志望校や成績に合わせた対策ができたりと、入塾がほぼ必須であると言えます。
受験を考えていない場合でも、中学進学のための準備になるでしょう。
成績が良くなることで自信がついたり、新しい友達ができたりといった経験があれば、塾にも楽しく通えるかもしれませんね。
塾に通うデメリット
たくさんのメリットがある反面、デメリットも存在します。
- 勉強が嫌いになる場合がある
- 子供のプライベートな時間が減る
- 費用や送迎など親の負担が増える
- 学校の授業を退屈に感じてしまう可能性がある
塾に通えば勉強する時間が増えます。そうすることで学校の友達と遊ぶ時間が減り、塾だけでなく勉強自体が嫌いになってしまうこともあるでしょう。
また塾の費用に加え、送迎やお弁当作りなど親の負担も増えてしまいます。
塾に通う場合は、子供も親もある程度の心構えが必要です。
塾の種類と目的
塾には、大きく分けて以下の4種類があります。
- 進学塾
- 補習塾
- 総合学習塾
- 専門塾
ここからは、それぞれの指導方針や特徴を詳しくチェックしてみましょう。
①進学塾は中学受験のため
進学塾は中学受験の対策を実施している塾で、『日能研』や『サピックス』などが有名です。
入試を目的としたカリキュラムが組まれていることから、小学校での授業よりも早いペースで進行していくのが特徴です。
そのため、2月頃には次の学年の学習を始めることが多くあります。学校の授業内容をきちんと把握しておく必要があります。
また、成績別にクラスを編成していたり、入塾テストを行なったりするケースが多いので、進学塾を検討する場合はあわせて確認することをおすすめします。
②補習塾は学校の授業の補足
補習塾は、学校の授業内容をしっかりと理解できるようサポートしてくれる塾です。学校の授業に合わせて進行し、一人ひとりを手厚くフォローしてくれます。
テスト対策を行なう塾も多く、学校の授業やテストが苦手な子供におすすめです。
また、自宅や学校の近くにあるような、個人経営などの小規模な塾も多くあります。
そのため、気楽に質問できたり楽しく学べたりと学校の延長のような雰囲気で通えることから、勉強の習慣をつけたい場合にもぴったりですよ。
③総合学習塾はバリエーション豊かな指導
総合学習塾は、進学塾と補習塾の両方を兼ね備え、総合的に学習できる塾のことです。『東京個別指導学院』などが知られています。
幅広い指導内容が魅力で、目的に合わせて学習内容を決められる塾が多くあります。
例えば、授業のフォローやテスト対策をしたり、中学受験対策に特化したりと、幅広く対応できるカリキュラムです。
そのため個別指導の場合が多く、子供の性格や得手不得手、ほかの習い事との両立などを加味した、柔軟なスケジュールを組むことができます。
塾によっては、受験対策か補習塾かどちらかに偏りがあることもあるため、事前に確認しておくことが必要です。
④専門塾は特定の分野を学べる
総合学習塾とは対照的に、英語や算数、プログラミングなど、特定の教科を指導するのが専門塾です。
小規模で先生との距離が近い傾向があり、どちらかと言えば習い事に近いイメージですね。
苦手な教科を集中して勉強することで、成績が上がることも珍しくありません。もちろん得意な分野を伸ばしてあげる目的にも有効です。
塾に通わせるタイミングはいつから?
塾に通わせることを決めても、「いつから通わせたら良いのか」「ベストタイミングはあるのか」といった疑問が湧いてきますよね。
中学受験をするか・しないかというポイントでチェックしてみましょう。
中学受験をする場合
中学受験を視野に入れている場合、進学塾に通わせ始めるるタイミングは小学3年生の2月が一般的です。
2月は前年度の受験指導が終わり、新しい受験対策用のカリキュラムが始まる時期なのです。
また、4年生から受験対策が始まる塾でも、早めに入塾することで塾通いに慣れることができます。
塾によって細かいスケジュールが異なるため、小学3年生になったら気になる塾のスケジュールをチェックしましょう。
もし、3年生での入塾は早いと感じているのであれば、小学5年生に上がる春もおすすめです。このタイミングでさらに本格的な受験対策がスタートします。
塾に行かなくても成績のいい子はいますが、中学校の特色に合わせた学習内容や対策、受験情報を得るためには、塾に通うことが最善と言えるでしょう。
特に志望校が決まっている場合は、早めの入塾をおすすめします。
中学受験しない場合
中学受験をしない場合は、成績が落ちてきたときや、学習の内容につまづくことが多くなってきたときに、補習塾への入塾を検討しましょう。
早めに入塾することで「どんどん遅れをとってしまう」といったことも防くことができ、中学へ入学したあとにもスムーズに学習できます。
また、興味がある・得意な分野が出てきたときに専門塾へ通わせてみるのもおすすめです。
好きな分野は成績が大きく伸びやすく、思わぬ才能を発揮するかもしれません。
小学生の塾費用をチェック
中学受験をする場合の進学塾の相場は、一般的に4・5年生で年間40〜70万円です。6年生では90〜120万円ほどかかります。さらに入会金や通学費なども必要になります。
また、補習塾に通わせる場合でも、年間で10〜20万円前後の費用がかかるでしょう。
都心部と地方では価格が異なるためあくまでも目安ですが、決して安い金額ではありません。
入塾後に後悔しないためにも、塾の必要性の検討や塾選びは、評判などもあわせて慎重に行なうことをおすすめします。
塾へ通う目的を明確にすることが大切
塾にはさまざまな種類があり、学習方針は大きく異なります。
大切なのは、塾へ通う目的を明確にすることです。
「周りが通ってるからなんとなく」というような理由で塾へ通っても、子供の成績が伸びる可能性は低いかもしれません。
親子で納得して入塾することで、きっと良い結果に繋がりますよ。
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