——今年の3月に順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科をご卒業されたということで、おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか?
ありがとうございます。実は、大学院への進学を決めたのと同時期に、念願の妊娠が発覚したんです。
出産・育児と学業を両立する大変さは、ある程度想像ができたので、覚悟をもって学生生活に臨みました。
しかし、実際にやってみると想像以上にハードでしたね(苦笑)。
そうした苦労もあった分、ひとつの目標を最後まで成し遂げることができた達成感が大きくて、とても充実した気持ちです。
——育児と学業をうまく両立させるために、工夫されたことはありますか?
やはり自分一人の力だけでは難しいので、授業を受けている間などは、主人とお義母さんのサポートにかなり甘えさせてもらいました。
頼れる相手が身近にいることに、とても感謝しています。
ママ業は本当に大変!
とくに子供がまだ小さかったりすると、なかなか寝付いてくれないなど、思い通りにはいかないことが多いですよね。
そうした中で、自分が勉強をしたり、眠ったりする時間を確保するために、タイムマネジメントしながら、あまりストレスを溜め込みすぎないよう、「まいっか」という良い意味でのアバウトさを心がけるようにしていました。
——ご苦労も多かったと思いますが、それを乗り越えることができたのは、ご自身の夢と、お子さんの存在が大きなパワー源となったからでしょうね。
そうですね。私は、昔からプロ引退後にはコーチになりたいと考えていました。
現在、コーチとして第一線で活躍されている方々が、どのような心情のもとに選手と対峙しているのか。
その「芯」となる部分を学び知ることができたのは、この先につながる貴重な財産となりました。
何度かくじけそうになることもありましたが、そんなときには、
「妊婦さんが勉強をすると、お腹にいる赤ちゃんと一心一体で考えたりするので、将来的に子供にも良い影響がある」
と耳にしたことを思い出し、励みにしたりもしていましたね。
——大学院で得たものを糧に、これからどのようなコーチを目指したいですか?
大学院では、指導教員の方々にも恵まれ、収穫の多い濃密な2年間を過ごすことができました。
私にとって、初めてづくしのチャンレジを頑張りきれたということが、大きな自信にもつながったんです。
選手時代に得た経験と大学院での学びを活かして、トップレベル(プロやトップジュニア)の指導に尽力していきたいと考えています。
——やはり、お子さんもアスリートになってほしいですか?
私がプロの道でやってこられたのは、何よりテニスが好きだったからこそ。
かなり厳しい世界ですし、自分の中に「この道でやっていく!」という大きな原動力がなければ、続けていくのは困難でしょうね。なので、本人次第かなと。(笑)
無理強いをするつもりはありませんが、もし子供がアスリートになるという決意をするのであれば、100パーセントの力でバックアップしていきたいと思っています。
初めての出産・育児に加えて、学業、さらにはお仕事もと、多忙な毎日を過ごしていた杉山愛さん。
プラスな気持ちになれる、「まいっか」というアバウトな考え方は、ぜひ真似したいところですね♪
インタビューのvol.2では、結婚生活や人生観についてお伺いします。お楽しみに♡
インタビュー・文|中山理佐
撮影|細谷 聡 (MetroSpace Inc.)
撮影協力:神南軒
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