備蓄食品・防災グッズ、最低限「3日分」備えるべき理由
先にお伝えすると、3日分は「最低ライン」、1週間分が「目指したいゴール」です。
農林水産省によると、災害でライフラインが止まってから復旧するまでに、1週間以上かかった例は過去にたくさんあるそう。支援物資が3日以上届かなかったり、物流がストップして1週間ほどスーパーで食品が買えなくなったりすることも想定されています。
そのため、1人あたり最低3日分〜1週間分の備えが望ましいとされているのです。
実際に東日本大震災では、食料がまともに手に入ったのが発災後3日目以降という地域もありました。電気の復旧に1週間以上、水道の復旧に10日以上かかった地域もあったそうです。
南海トラフ地震や首都直下地震のような広域災害では、支援が行き渡るまでどうしても時間がかかります。
「自宅でなんとかできる人」が増えるほど、限られた支援を本当に困っている人に届けられる、という点も備えの大切な意味。自宅で避難生活を続ける「在宅避難」では、水・食料・トイレは自分たちの備えだけが頼りです。
地震だけでなく、台風や感染症の流行などで外出を控えたいときにも、同じ備えが役に立ちます。
「もっと長く備えたい!」という方もいると思いますが、いきなり大量に買い込まなくても大丈夫。
まず3日分→次に1週間分→普段の食品を多めに買って食べた分だけ買い足す「ローリングストック」で量をキープ、という順番が現実的です。賞味期限切れのムダも防げますよ。
【人数別】3日分の備蓄量はどれくらい?一人暮らし・2人・4人家族
ここでは、人数別の基本的な備蓄量をご紹介します。
農林水産省が出している以下の「大人2人・1週間分」の例から1人あたりの基準を基に作成しています。
(参照:知って備える 家庭備蓄のイロハ|農林水産省)
<1人あたりの基準>
- 水:1日3リットル(飲み水+調理用)
- 食事:1日3食、ごはんなら1食75gくらい
- カセットボンベ:1週間で約6本
- トイレ:1日5回
一人暮らしの備蓄リスト(3日分・1週間分)
| 品目 | 3日分 | 1週間分 |
| 水 | 9L(2Lペットボトル5本) | 21L |
| 主食 | 9食(パックごはん6個+乾麺・カップ麺3食など) | 21食 |
| おかず(缶詰・レトルト) | 9品 | 21品 |
| カセットボンベ | 3本 | 6本 |
| 携帯トイレ | 15回分 | 35回分 |
収納スペースが限られていても始めやすいのは、普段食べているものを少し多めに買う「ローリングストック」。
賞味期限に注意しながら、多めに買っておくことを日頃から意識しておくと良いでしょう。
二人暮らしの備蓄リスト(3日分・1週間分)
| 品目 | 3日分 | 1週間分 |
| 水 | 18L(2Lペットボトル9本) | 48L |
| 主食 | 18食 | 42食 |
| おかず | 18品 | 42品 |
| カセットボンベ | 5〜6本 | 12本 |
| 携帯トイレ | 30回分 | 70回分 |
農林水産省が紹介している「大人2人・1週間分」の例は以下のようになっています。
水(2L×6本×4箱)、米2kg×2袋、乾麺(そうめん300g×2袋・パスタ600g×2袋)、カップ麺6袋、パックごはん6個、レトルト食品24個、肉・魚の缶詰18缶、カセットボンベ12本など。
選ぶときのコツは、普段の食生活に合わせること。自炊が多い人は乾物や缶詰、中食が多い人はレトルトやフリーズドライ、料理をあまりしない人はカップ麺やお菓子など好きなものでOKです。
4人家族の備蓄リスト(3日分・1週間分)
| 品目 | 3日分 | 1週間分 |
| 水 | 36L(2L×18本=3箱) | 84L |
| 主食 | 36食(米なら約2.7kg) | 84食 |
| おかず | 36品 | 84品 |
| カセットボンベ | 10〜11本 | 24本 |
| 携帯トイレ | 60回分 | 140回分 |
赤ちゃんや子供、高齢の家族、食物アレルギーのある方がいる家庭は、粉ミルク・離乳食・子供に合わせた食品、柔らかい食品(おかゆなど)、アレルギー対応食品もプラスしておきましょう。
農林水産省に単身者や要配慮者向けのガイドがあるので、参考にしてみてくださいね。
【食料・飲料】備蓄リスト:水・主食・おかず・おやつなどの非常食
災害時は、どうしても炭水化物に偏りがち。水と主食を確保したら、たんぱく質やビタミンもちょっと意識してそろえるのがポイントです。
水:1人1日3Lが目安
- 目安は1人1日3リットル(飲み水+調理用)
- 保存水(賞味期限が5〜10年と長いミネラルウォーター)は備蓄向き
- 清潔な容器に入れた水道水なら、3日程度は飲み水として使える
- 普段飲んでいるお茶やジュースも水分補給に◎
まず最優先で備えたいのが水です。普段からミネラルウォーターを買い置きしているのであれば、切らさないようローリングストックするようにしましょう。
▼備蓄用の水・飲料を探す
主食:米・パックごはん・乾麺
- 米(備蓄の柱!保存性・栄養・コスパのバランスが◎)
- パックごはん・乾麺(うどん・そば・そうめん・パスタ)・カップ麺・アルファ米
- 保存パン・シリアル・乾パン
乾麺やカップ麺にはお湯が必要です。カセットコンロとボンベ、鍋ややかんもセットで用意しておきましょう。 そのままでも食べられるようなものもあると便利です。
▼備蓄用の主食を探す
おかず:缶詰・レトルトの備蓄食品でたんぱく質も
- 肉・魚の缶詰(ツナ・サバ・イワシ・焼き鳥など。手軽にたんぱく質がとれます)
- レトルト食品(カレー・牛丼の素・パスタソースなど)
- インスタント味噌汁・スープ、梅干し、のり、乾燥わかめ、調味料
- 野菜ジュース、じゃがいも・たまねぎなどの日持ちする野菜、ドライフルーツ
野菜や果物が足りなくなると、便秘や口内炎に悩む人が増えるそうで、農林水産省も注意をよびかけています。野菜ジュースや乾物で上手に補いましょう。
▼備蓄用のおかずを探す
おやつ:気分転換にも大事
- チョコレート、ビスケット、ようかん、ナッツ、ドライフルーツ
- 普段食べているお菓子(子供)
食べ慣れたお菓子は、不安なときの気分転換や栄養補給にもなります。特に子供がいる家庭では、心の支えになってくれますよ♪
▼備蓄用のおやつを探す
【生活用品】備蓄リスト:トイレ・衛生用品・明かり・防寒などの防災グッズ
食料とあわせ、生活用品を揃えておきたいもの。トイレ・衛生用品・明かり・防寒などの防災グッズのチェックリストも確認してみましょう。
(参照:備蓄品の上手なストック方法 家全体を「防災倉庫」に | 備えに役立つ記事 | 東京備蓄ナビ)
トイレ:1人1日5回分が目安
- 携帯トイレ・簡易トイレ(凝固剤つき)
- ポリ袋(ゴミ袋)
- トイレットペーパー
- 使い捨て手袋
- フタつきのゴミ箱やバケツ
断水や停電、マンションなら排水管の破損などで、トイレが使えなくなることがあります。
東京都では、災害用トイレの目安を1人1日5回分として、最低3日分、できれば7日分の用意をすすめています。
トイレを我慢して水分をひかえると、エコノミークラス症候群など体調をくずす原因にもなりかねません。食料と同じくらい大事な備えです。
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衛生用品:ウェットティッシュ・マスクなど
- ウェットティッシュ(ノンアルコール)、おしり拭き
- 除菌シート・アルコール消毒液
- マスク
- 水を使わない歯みがき用品
- 生理用品、中身が見えない色のポリ袋(女性用品)
- 常備薬・持病のお薬
- ラップ
ウェットティッシュは、体も拭けるようなノンアルコールタイプと、アルコールで除菌できるタイプの両方を備えるのがおすすめです。ノンアルコールタイプは子供の手指や口周りを拭くときに役立ちます。おしり拭きでの代用も良いでしょう。
女性は生理用品とあわせて、おりものシートもあると◎下着が洗濯できないときも清潔に保てます。
ラップは、お皿にかぶせて使えば洗い物が減るので、普段から多めにストックしておくことをおすすめします。
▼備蓄用の衛生用品を探す
明かり・電源:ライト・バッテリー・ラジオ
- LEDランタン、ヘッドライト
- 乾電池、モバイルバッテリー
- 手回し・電池式のラジオ
- カセットコンロとカセットボンベ(ボンベは約7年、コンロは約10年が使用期限の目安)
- ポータブル電源
ヘッドライトは、両手が空くので便利です。余裕があれば、ポータブル電源も用意しておきましょう。停電してしまったとき、スマホや電化製品に電気を供給できます。
また、スマホが使えない・キャッシュレス決済が止まるなどの事態に備えて、以下のものも用意しておくことをおすすめします。
- 現金(小銭や千円札も多めに)
- 家族・学校・職場の連絡先を紙にメモしておく
- 紙の地図と避難所のメモ
アナログなアイテムの備蓄は、インフラが止まってしまったときの大事な備えです。
▼備蓄用の明かり・電源を探す
防寒:冬の停電に備える防災グッズ
- 使い捨てカイロ
- 毛布、アルミブランケット(エマージェンシーシート)
- 寝袋
- 防寒着、厚手の靴下、帽子、手袋
- 温かい飲み物や食事がとれる熱源(カセットコンロ)
冬の停電は、命にかかわることも。暖房が使えない前提で準備しておきましょう。
※ストーブ類を使うときは、一酸化炭素中毒に注意して、必ず換気してください。
▼備蓄用の防寒対策グッズを探す
サイバー攻撃にも備えておきたいデジタル防衛備蓄
サイバー攻撃が広がっている今、水や食料と同じように、スマホやネットのアカウントを守る備えも備蓄リストに入れておきたいところです。
パスワードを使い回さない・2段階認証をオンにするなど、基本的なことはもちろんですが、もう一歩進んだ対策がUSBポートに挿す(またはスマホにかざす)だけでログインできるセキュリティキーです。
セキュリティキーは物理的な「鍵」なので、偽サイトにパスワードを入力してしまっても、キーがなければ不正ログインされにくくなります。電池も不要です。
購入するときは、予備を含めて2本用意しておきましょう。1本は普段使い、もう1本は自宅の安全な場所に保管すれば、紛失してもログインできなくなる心配がありません。
▼備蓄用のセキュリティキーを探す
備蓄リストは一度に買えなくても「この順番」でOK
「全部いっぺんには買えない…」という方は、次の順番で少しずつそろえていきましょう。
- 水(1人1日3L)
- 携帯トイレ(1人1日5回)
- カセットコンロ・ボンベ
- 主食(パックごはん・乾麺・米)
- おかず(缶詰・レトルト・野菜ジュース)
- 明かり・電源(ランタン・モバイルバッテリー・ラジオ)
- 衛生用品・防寒用品(冬は優先度アップ!)
- おやつ
でも、赤ちゃんや高齢の家族、持病・食物アレルギーのある方がいる家庭は、その方専用のものを水やトイレと同じくらい最優先にしてください。粉ミルク・離乳食、おむつ、やわらかい食品、アレルギー対応食品、持病のお薬などは、大人用の備蓄では代わりがきかないからです。
また、ここまでのリストは自宅で過ごす「在宅避難」用です。避難所へ持ち出す「非常用持ち出し袋」は、別に最低限のものを用意しておくと安心です。
※この順番は、代わりがきかないものを先にする考え方で編集部が整理した目安です。
まずは家庭にあるものをチェックして必要なものを買い足しましょう
備蓄は、最低でも3日分が目安です。水や主食、おかずなどの食料・飲料と、トイレ・衛生用品・明かり・防寒などの生活用品を、人数分に合わせてそろえましょう。でも、一度に全部買う必要はありません。まずは家にあるものをチェックして、足りないものを優先順位の高い順に少しずつ買い足していけば大丈夫。今日できることから、家族みんなの「もしも」に備えていきましょう。
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