【相談内容】今回のお悩みは資産運用の是非について
物価が上がっていて、生活するだけでも大変です。資産運用をする人が周りで増えていますが、損をするかもしれないのに、どうしてみんなやっているんでしょうか。(42歳・派遣社員)
解説するのは……
◆堀内明子/ウェルスナビ
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。2級ファイナンシャル・プランニング技能士
モノの値段はこれからも上がっていきそう
物価の上昇を実感するようになりました。スーパーに行くと、まず野菜が高く、買うのをためらうことがあります。電気・ガス料金やガソリン代が上がっているのも感じます。
日本銀行のアンケート調査※では、5年後の物価が上がると答えた人は8割以上。この先もモノの値段が上がっていくとなれば、ちょっと怖いですよね。
※日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」(2024年9月調査)より
現金のままだから安心、ではなくなるかも
質問者さんは、これからもどんどんお金が出ていくというのに、資産運用をして損をすれば、さらにお金が減ってしまうのではないか、と心配されているようです。
もちろん資産運用では、資産が増えることもあれば、減ることもあります。ただし、モノの値段が上がると、現金の価値は下がってしまうのです。
例えば、1万円で1週間分の食材を買っていたとします。米や肉、野菜といった食材の価格が上がり続けていくと、同じ1万円でも「牛肉は高いから鶏肉に」「お菓子は我慢」など、買えるものが減っていきます。いずれ1万円では1週間分の食材を買えなくなるでしょう。
実際にスーパーに行くと、モノの値段が上がっていることを実感します。現金のままだから安心、とは言えなくなっているのです。
資産運用をすることでお金の価値を守っていく
現金のままではお金の価値を守れなくなってきたことから、資産運用に取り組む人が増えています。モノの値段が上がるのならば、現金をモノに変えておこうという考え方です。一般的には、株式、不動産、金という資産が、物価の上昇に強いと言われています。こうした資産に投資することで、物価が上昇する中でもお金の価値を守ることができます。
実際には、これらの資産に投資をしている投資信託や、さまざまな資産におまかせで投資できるロボアドバイザーなどが選択肢となるでしょう。
また、無理な金額を資産運用に回すのではなく、少しずつ始めることもポイントです。
資産運用を「しない」リスクに気づく
物価が上がっていく中では、資産運用を「しない」ことがリスクとなってきます。現金で持っていることは必ずしも安全ではないことに気づき、資産運用することを考えてみてください。
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