【リアル給与明細】45歳、調理師の場合
プロフィール
45歳、男性
調理師
▼現状
調理、病院給食業務3年目。
病院患者に1日3食を提供する給食調理業務全般。
労働時間は月160時間、残業は3時間程度。
ボーナスは年間10万円。
【相談内容】調理師の資格を生かして経験や技術を身につけたいと思っているので現在の給与額には納得しています。賞与や昇給アップは見込めますか?
解説するのは……
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。
昇給や賞与交渉のためにもご自身に付加価値を
相談者さんは、調理師として病院給食業務に携わっており、ご自身の成長や貢献に見合った昇給や賞与を希望されているのですね。
資格を生かして経験や技術を身につけたいという前向きな姿勢は、お勤め先も頼もしく思っていることでしょう。
給与明細を拝見すると、相談者さんのご年収は以下のようになります。
お給料373,850円×12ヶ月+年間賞与100,000円=4,486,200円
一方で、厚生労働省が発表した令和5年賃金構造基本統計調査によると、45歳の飲食物調理従事者の平均年収はこちら。
お給料267,200円×12ヶ月+年間賞与405,500円=3,611,900円
調理師免許を保有していない調理従事者も含められている可能性はありますが、相談者さんの収入は賞与こそ低いものの、年収ベースでは平均を上回っています。
そのため「昇給させてほしい」「賞与を増やしてほしい」と求めても認められる可能性は低いでしょう。
相談者さんに何かしらの「昇給すべき理由」や「賞与額決定の要因」となる付加価値が必要です。
資格取得は明確な指標となる
相談者さんは「調理師の資格を生かして経験や技術を身につけて貢献したい」とおっしゃっていますが、残念ながら調理師は、営業職や事務職と違って成長や貢献度が客観的にわかる指標がないため、昇給や賞与に反映されにくいお仕事の1つです。
昇給や賞与のアップを望むなら、調理師の資格を生かしたステップアップとなる資格を取得しましょう。
資格取得は客観的に判断できる指標となるため、昇給額や賞与額の決定要因となります。
取得した資格によっては、手当がつくものもありますよ。
調理師を生かした資格は?
調理師を生かした資格の例は、以下のとおりです。
・専門調理師・調理技能士
調理師の上位資格であり、厚生労働省管轄の国家資格です。公益社団法人 調理技術技能センターが実施している調理技術技能評価試験に合格すると取得できます。正確には専門調理師と調理技能士は別の資格ですが、合格するといずれも取得できます。調理師専門学校の教員資格も取得可能です。
・管理栄養士
管理栄養士は専門調理師・調理技能士同様、厚生労働省管轄の国家資格です。病院や特定保健指導での栄養指導や、患者さんの療養のための給食の管理・指導ができます。管理栄養士になるには、栄養士の資格取得が必要です。
・食育インストラクター
NPO日本食育インストラクター協会が認定している資格です。理解・実践レベルに応じて「プライマリー」から4〜1級までの5段階があり、ご自身のペースで取得できます。健康管理や食習慣の専門的な知識、技術が身につき、「食育」レシピの提案ができる資格です。
上記のほかにも食品衛生管理者や食品衛生責任者、ふぐ調理師など、調理師に関連した資格は多くあります。
相談者さんが将来必要と感じる資格から取得していきましょう。
取得した資格によっては、新たな業務をお勤め先から任される可能性も。
それが昇給や賞与に反映されることは十分に考えられます。
まとめ
・昇給や賞与アップには客観的な指標が必要。
・客観的な指標として資格取得は有効。
・調理師関連の資格はたくさんあるため、ご自身が必要と思うものから取得しましょう。
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