フリーアナウンサー・吉田明世さん
元TBSアナウンサーであり、現在はフリーアナウンサーとしてご活躍中の吉田明世(よしだあきよ)さん。2児のママでもある吉田さんに、仕事と子育て、そして1人の女性として楽しんで過ごすためのコツを伺いました。
さらに、2022年12月21日に自身初出版の絵本「はやくちよこれいと」が発売されるとのことで、制作秘話も語っていただきましたよ♪
「母になっても、“吉田明世”という1人の女性であることには変わりない」
夫からの言葉がずっと支え
————4年前に長女を出産。当時、TBSアナウンサーでしたが出産とキャリアのバランスについて、どう考えていましたか?
出産するまでは“仕事命”でお声がけいただいたら何でもやります!と答えるくらい仕事大好き人間だったんです。でも、2017年の長女妊娠中、生放送の最中に体調不良で倒れてしまって。そのときに初めて「これからは自分ひとりの人生ではないんだな」と感じて、これからの生き方を考えました。
TBSも仲間もみんな大好きなんだけど、一旦この思いはしまっておいて、出産したあと改めてどう思うか判断しようと。
産休・育休中にずっと夢だった保育士の資格を取ったことで、アナウンサー以外の仕事をするという選択もあるかもしれないなと思ったんです。そこで、フリーアナウンサーという選択をすれば、可能性が広がるだろうと思いキャリアチェンジを決断しました。
————現在は2児のママ。仕事と子育てを両立するために工夫していることは?
限られた時間の中でどちらも完璧にするのは難しいです。手を抜けるところは抜く、どうしても譲れないところは頑張るとメリハリを付けることを意識していますね。
例えば、料理はそんなに手間や時間をかけなくても栄養は取れるし、洗濯物はその日のうちに畳めなくても困ることはさほどありません。
一方で、子どもの体や心の健康に繋がることには時間をかけています。虫歯にならないように歯磨きを丁寧にしたり、触れ合う時間や対話する時間を毎日意識的に作るようにしたり。どれだけ忙しくても、この時間だけは大切にできるように他のところで調整しています。
————仕事・家族のことだけでなく、自分時間も大事にされている印象があります。毎日を楽しむためのマイルールはある?
長女を出産する前、夫から「これから母になるわけだけど、“吉田明世”という1人の女性であることはこれからも変わらない。母でありながらも“吉田明世”としての人生もしっかり楽しんでね」と言ってもらえたんです。
その言葉を素直に受け取っていて(笑)。自分の好きなことにはアンテナを張って、できるだけ行動に移すようにしています。
妊娠中は「出産したら自分の時間なんて取れないから、やりたいことは今やるしかない!」と思っていたのですが、保育士や絵本専門士の資格は出産したあとに取得しましたし、お母さんになったからといってできないことはないんだなと実感しました。
今は、2年前からハマっているピラティスを自分でもできるようになりたいと思って、インストラクターの勉強をしています。
子育てと仕事のバランスにも悩みますし、そこからさらに自分の時間を見つけるのはとっても難しいことです。けれども、“何かをやりたいな”と思う気持ちは素敵なことだと思うんです。そのときに頑張って一歩を踏み出すと、違う世界が広がる。今すぐには実行できなくても、“好き”や“やりたい“という気持ちを大切に持っておくようにしています。
夢だった絵本の出版が実現
————今回、絵本「はやくちよこれいと」を初出版されるとのこと。制作のきっかけを教えて下さい。
保育士、絵本専門士そしてアナウンサーである私ができることを考えたときに、絵本を作って皆さんに届けるということが浮かんだんです。
小さい頃、祖母が実家の隣で保育園を運営していて、いつかは保育士になりたいと思っていました。ですが、TBSのアナウンサーになり勉強する時間が持てない日々が続いていて……。
2017年、第一子の出産に向けて仕事の調整をしたり産休に入ったりで、時間ができたので「よし、保育士の資格を取ろう!」と。出産する前に筆記試験を受けて、生まれた直後に実技試験を受けて、無事に保育士の資格を取得しました。
その後、フリーアナウンサーに転向するのですが、保育士の資格を活かした仕事がなかなかできなくて。保育士の資格を持っていてアナウンサーである私だからこそ出来ることはないかなと思って浮かんだのが、絵本の読み聞かせでした。そのときに、絵本専門士という絵本に関する知識や技能を備えた専門の資格があることを知って、取得することにしました。
資格取得してすぐに絵本の読み聞かせイベントを企画したのですが、ちょうどコロナ禍に入ってしまって中止に。オンラインでの開催も検討したのですが、なかなか難しく読み聞かせイベントをするという夢が叶わない日々が続きました。
そうした状況下で、いつか自分の絵本を作りたいなという思いが芽生えてきたんです。いろんなところで「絵本を作るのが夢です」と話していたら、今回ご縁があり実現にいたりました。言霊ではないですが、口に出して言い続けることは大事だなと学びましたね。
————旦那さまと一緒に制作されたそうですね?
そうなんです!夫と一緒に仕事をするのは初めてでした。夫はもとから広告関係の仕事をしているので、いつか何かしらの形で一緒に仕事ができたらいいねと話していて。
私はテレビを通して作品を作っていて、夫は広告という作品を作る人。でも、どちらも長く残るものではないので、せっかく一緒に仕事をするなら世に出して形としてずっと残るものがいいなと。そこで、私の夢だった絵本制作を一緒にすることにしたんです。
私が「こんな風に作りたい」と伝えて、夫がそれを具体的な形にして提案してくれて、そこからまた私が「これはどうかな」と伝えて……と、意見を出し合いながら作っていきました。絵本制作のときは、夫婦というより仕事のパートナーとしていい関係だったと思います。喧嘩も意見の食い違いもなかったですね。
————工夫したところは?
歌舞伎の口上の「外郎売(ういろううり)」を題材にしようということは比較的早いタイミングで決まりました。外郎売は商人の話なのですが、子どもにもわかりやすくて楽しんでもらうにはどうしたらいいか、というところが2人で一番悩んだところです。
早口言葉は意味がありそうでないような言葉が多くて、それをイラストにするとなるととても難しくて……。イラストを担当していただいた今津良樹(いまづよしき)さんに、自分たちの頭の中のイメージを一生懸命伝えましたね。
でも、いざ今津さんから上がってきた絵を見ると、想像を遥かに上回るとっても素敵なもので!3人でアイディアを出し合いながら、いい作品ができたなと思っています。
————最後に、4yuuu!読者の皆さんにメッセージを♡
私自身、子育てをしていて絵本にすごく救われたんです。まだ言葉を話せない子どもとどうやって遊んだらいいか、コミニュケーションをどう取ったらいいか悩んだ時期がありました。そんなときに、絵本をよく読んでいたんです。
内容を理解してくれていたかどうかはわかりませんが、ママと一緒のものを見て同じ時間が過ごせる。膝に乗せたり腕枕をしたりすれば、スキンシップも取れる。絵本を見て、子どもがこんな風に感じるんだと新たな一面を発見することもできる。
そんな素敵な空間を絵本は紡いでくれると思うので、絵本を通して子育てを楽しんでもらえたらなと思います。
この「はやくちよこれいと」に関しては、早口言葉の絵本なので言葉の練習にもなります。大人でも少し難しい言葉並びのところがあるので、ママ・パパでも間違うことがあるかもしれません。でも、間違えちゃってもいいんだよ、ということを伝えるきっかけになればと思っています。
そして、言葉は練習すればするほど上達するものなので、この絵本を何度も読んで早口言葉が言えるようになるという成功体験にも繋がってくれれば嬉しいですね。
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仕事も家庭も自分のことも楽しみながら、次々に夢を叶えている吉田明世さん。吉田さんご自身がすべてを楽しんでいらっしゃるので、周りにいる方にもそのハッピーが連鎖しているのだなろうなと感じられました。
そんな吉田さんが初出版される絵本「はやくちよこれいと」は、2022年12月21日(水)より発売です。ぜひお手にとって、お子さまと一緒に楽しんでみてください♡
◆吉田明世 Instagram
よしだあきよ。1988年生まれ、東京都出身。
2011年TBSにアナウンサーとして入社。2019年フリーアナウンサーとなり、人気番組で活躍。現在はラジオパーソナリティー・テレビ・イベント出演・モデルなど、多彩に活躍。 プライベートでは2児の母。2020年に絵本専門士の資格を取得。 保育士の資格も持つ。
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Photographer : Chiai
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