化粧品も『SDGs』が選ぶ基準のひとつに
ニュースや教育の現場でも耳にする機会が増えている「SDGs(エスディージーズ)」。
Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。
世界が直面しているさまざまな問題を解決するため、2030年までに達成すべき『世界共通の目標』として掲げられました。
SDGsは、以下の17の目標が設定されています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平等と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
出典: 外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」 www.mofa.go.jp
17の目標の内容は環境問題への対策だけでなく、ジェンダーや人種の平等・貧困撲滅・生産や消費への責任など、多岐にわたります。
この目標の達成と、化粧品とはどのような関係性があるのでしょうか。
化粧品業界でもSDGsが課題に
世界共通の目標であるSDGs。その目標達成のためにあらゆる分野の企業が取り組みを行なっていて、化粧品メーカーでも重要な課題となっています。
化粧品などのスキンケア用品は、消費者がこだわりを持って選ぶことが多くあります。
SDGs対応のコスメを選ぶという価値観も広まりつつあるため、事業とSDGsをリンクさせていく必要があるのです。
化粧品メーカーの主な取り組み
では、化粧品メーカーはどのようにSDGsへの対応をしているのでしょうか。
主な取り組みとしては、化粧品の原料や容器などで環境問題に配慮していることでしょう。
ケミカルな原料を使用しないオーガニック由来の製品や、動物由来の成分を一切使用しないヴィーガン製品などがあります。
また、容器の原料をリサイクル可能なものにしていたり、詰め替えができたりといったことも、SDGsへの取り組みです。
ほかにも、人権問題や雇用など、さまざまな側面からSDGsへの対応をしています。
サステナブルコスメに注目
今注目すべきアイテムである、「サステナブルコスメ」。「SDGs対応コスメ」とも呼ばれています。
サステナブルコスメとは、
- オーガニック・ヴィーガンなど環境に配慮された原料が使われている
- 動物実験を行なっていない
- フェアトレード商品である
- 容器がリサイクルできる・詰め替え用がある
などの特徴がある、地球や私たちのことを考えて作られたコスメです。
肌への負担が少ない・詰め替え用の購入で価格が抑えられるなどのメリットもあります。
肌に合うようであれば、ぜひサステナブルコスメを取り入れてみてくださいね。
SDGsへの取り組みを行なう化粧品メーカー
ここからは、コスメブランドが行なっているSDGsへの取り組みをご紹介します。
誰もが知っている大手メーカーから、『サスティナブルコスメアワード』を受賞したメーカーまで、注目のコスメブランドをピックアップしました。
ALBION
ALBION(アルビオン)は、さまざまな視点からSDGsへの取り組みを行なっています。
化粧品の原料や容器を環境・資源に配慮するだけでなく、宣伝物も環境負荷の低減を目指しています。
また、化粧品の製造段階でも効率的にエネルギーを使用したり、社内でのジェンダー平等に取り組んだりと、積極的にSDGsへ取り組んでいます。
多くの商品がレフィル対応しているので、ぜひチェックしてみてください。
関連するSDGs:4・5・8・9・10・12・13・14・15・17
エクシア リプラント ホワイトニングクリーム
「エクシア リプラント ホワイトニングクリーム」は、中身がレフィル化されています。
ゴミが少なくて済むうえ、価格が抑えられるのも嬉しいですね。
ALBION エクシア リプラント ホワイトニングクリーム
¥22,000
カネボウ
カネボウは、環境に配慮したパッケージを積極的に採用。プラスチック使用量の削減や、再生紙の使用、外箱の内側に使用法を記載するなど、工夫を凝らしています。
また、最後まで使いやすい容器の開発や、詰め替えレフィルのラインナップなどで、「つくる責任」を果たしていると言えるでしょう。
また、皮膚障がいのある方へ向けた美容施術活動、中学校・高校へのガン教育プロジェクトなどの社会貢献も行なっています。
関連するSDGs:3・4・5・8・9・10・12・13・14・15・17
LISSAGE スキンメインテナイザー
LISSAGE(リサージ) スキンメインテナイザーは、ポンプタイプの容器に比べて、1/4の力で使用できるユニバーサルデザインの化粧水です。
カネボウ LISSAGE スキンメインテナイザー
¥5,800
資生堂
社会・地球とともに持続的に発展することを目標としている資生堂(しせいどう)。
世界全体に関わる大きな社会課題から、身近な地域課題まで、広い範囲での課題解決に取り組んでいます。
環境に配慮した商品開発はもちろんのこと、肌や外見に深い悩みを持った人々への支援や女性活躍支援など、幅広い取り組みを行なっています。
関連するSDGs:3・4・5・6・8・9・10・11・12・13・14・15
BAUM アロマティック ハンドクリーム
BAUM(バウム)は、資生堂の新しいスキンケアブランドです。一部の商品の容器に、家具の端材を使っているそう。スタイリッシュなサステナブルコスメです。
資生堂 BAUM アロマティック ハンドクリーム
¥5,500
リム・ジャパン
『しっとり瀬戸内ハーブ・ウォーター』がサスティナブルコスメアワード2020のゴールド賞を受賞した、リム・ジャパン。
竹害を逆手に取って竹を伐採し、原料にするユニークさが高く評価されました。
せとうちT&Kハーブの全ての製品に、環境に優しい安心・安全な国産天然ハーブが使われ、パッケージも環境に配慮した代替プラスチックを使用しています。
関連するSDGs:3・7・8・9・12・13・14・15・17
しっとり瀬戸内ハーブ・ウォーター
しっとりとした使用感の竹から生まれた化粧水。石油系原料、保存料などの添加物や防腐剤は使用していないことも魅力的な、国産天然ハーブ化粧品です。サスティナブルコスメアワード2020のゴールド賞受賞。
リム・ジャパン SETO しっとり瀬戸内ハーブ・ウォーター
¥7,590
陽と人
ユニークな会社名の陽と人(ひとびと)ですが、サスティナブルコスメアワード2020シルバー賞を受賞した商品を開発しています。ひとつの商品から、地域貢献や女性のエンパワーメントなど、複数のエネルギーを生み出していることから高い評価を受けました。
陽と人のコンセプトは、“眠ったままの地域資源を見つけ、価値あるものへ”。
地域資源を活用した商品開発や農産物の生産・流通・卸売事業を積極的に取り組んでいます。
関連するSDGs:5・8・9・12・13・14・15・17
明日 わたしは柿の木にのぼる フェミニンオイル
『明日 わたしは柿の木にのぼる』は、女性のデリケートゾーンケア用ブランド。福島県国見町の特産品である、あんぽ柿の製造過程で剥かれる柿の皮を原料に使用しています。
フェミニンオイルは、サスティナブルコスメアワード2020シルバー賞を受賞。
陽と人 明日 わたしは柿の木にのぼる フェミニンオイル
¥4,400
環境にも自分にもやさしいコスメを選びましょう
SDGsへの取り組みは、化粧品業界でも積極的に行なわれています。
私たち消費者のできることは、サステナブルなコスメを選ぶという視点を取り入れること。
そうすることで「つかう責任」を果たすことに繋がります。今後は環境にもやさしいコスメを選んでみてはいかがでしょうか。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。