あなたの部屋は大丈夫?〈ベッドルーム〉
こちらは、あるお宅のベッドルームに潜む危険です。
普段、何げなく過ごしているベッドルームも、ひとたび大地震が起こると、以下のような危険が想定されます。
・窓ガラスが割れて床に散乱し、床を歩けなくなる
・照明(ペンダントライト)が割れて、ベビーベッドに寝ている赤ちゃんの上に落下する
・クローゼットが倒れてくる
・たんすが倒れて、部屋の外に出られなくなる
・壁にかかっている額縁が落ちてくる
・エアコンが落下する
あなたの部屋は大丈夫?〈リビング・ダイニング・キッチン〉
続いて、大地震が起きた際のリビング・ダイニング・キッチンに潜む危険には、以下のようなものが想定されます。
【リビングダイニング】
・キッズスペースにある絵本棚・おもちゃ棚が倒れてくる
・窓ダラスが割れて、床を歩けなくなる
・棚の上に置いてある花瓶や写真立てが落ちてくる
・テレビが倒れてくる
・ドレッサーや洋服ダンスのガラスが割れて散乱する
【キッチン】
・シンク上の収納から食器が飛び出し、散乱する
・電子レンジが倒れてくる
・オーブンが落下する
・冷蔵庫が倒れてくる
・食料ストックの引き出しが飛び出し、中身が散乱する
・食器棚の中の食器が散乱する
この他にも、以下の危険が考えられます。
・水道の配管が損壊し、天井から漏水する
・ドアが変形し、閉じ込められる
・トイレのドアが変形し、閉じ込められる
・ベランダの落下
・天井の落下
・壁がはじけるように壊れる
・2階建て木造家屋の1階が潰れる
【読者アンケート結果】「部屋の中の家具や家電の固定はしていますか?」
こちらは、4yuuu!読者のみなさんにご協力いただいたアンケート結果です。
「部屋の中の家具や家電の固定はしていますか?」の質問に対して、「大きな家具だけしている」という方、「テレビだけしている」という方もいらっしゃいますが、「していない」と回答された方も多いですね。
実は、家具や家電の固定は、みなさんが思っていらっしゃるよりも重要です。
【家具や電化製品の転倒落下防止】の重要性
阪神淡路大震災による死者は6,434名で、地震による直接死は約5,500名。
その内の87.8%が、家屋倒壊や家具転倒による窒息死・圧死でした。
写真は、実際に私が被災地へ行き撮影をしたものです。いかに家自体の耐震強化、家具・電化製品の固定が重要かがわかりますよね。
また、阪神淡路大震災による負傷者は43,792名で、その約半数は、家具の転倒や落下が原因だったというデータがあります。
それに加えて、30%近くの方が、ガラスの飛散によって負傷したとされています。
つまり、負傷者の約3/4の方が家具の転倒やガラスの飛散が原因で負傷したということです。
地震で家具が転倒した場合には、以下の危険が考えられます。
・障害物となり逃げ遅れる
・家具に押しつぶされて動けなくなる
直接、死に関わるわけではないように思えますが、阪神淡路大震災においては、地震そのものだけでなく、火災による被害が大きかったのです。
東日本大震災の際は、津波の被害も甚大でした。
もし、部屋の出口が倒れたタンスに塞がれてしまい、隣の部屋で火事が起きたら……?
もし、寝ている最中にタンスが倒れてきて、動けなくなってしまったら……?
仮に逃げることができても、すでに火災で逃げ場がなくなっているかもしれませんし、津波から逃げることができなくなってしまうかもしれません。
家具が倒れることを想像するのは、なかなか難しいかもしれませんが、東日本大震災のような震度6強~震度7クラスの地震が起きると、家具が倒れたり、飛ぶこともあります。
4yuuu!読者の家具固定事情は?
4yuuu!読者のみなさんにご協力いただいたアンケートの中で、実際に家具や家電を固定しているという方は、どのような対策をしているのでしょうか?
「家に穴を開けられないため、専用の突っ張り棒や壁と家具を張り付けるもの、家具の下に入れるゴムなどを使用しています。
震災の時に揺れが激しかったため、逃げる時間を確保するために固定を決めました。」
「滑り出さないマットのようなものを敷いています。」
「天井とのつっぱり棒を使用して、壁に固定しています。」
実際に地震を経験したことで実感が湧いて、家具の固定を決めたという方もいらっしゃるんですね。
家具や家電などの固定をしていないという方は、ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか?
〜正しく恐れて、正しく備える〜【家具別】固定方法
家具別の固定方法や、危険を最小限に留める方法をご紹介します。
家具は原則として、上下2カ所以上で留めると良いでしょう。
例えば、突っ張り棒で固定していても、天井が弱ければ効果はありません。突っ張り棒と合わせて下部もしっかり留めておけば、地震の揺れに耐えることができます。
【本棚・食器棚・たんす】
家具の転倒防止グッズには、大きく分けて以下の4種類があり、上から順に強度があります。
・L型金具
・ベルト式器具
・ポール式器具
・ストッパー式器具
「L型金具」は、ビスで金具と壁を固定する必要があり、賃貸には向かないなどの様々な問題点がありますが、他の3種類のグッズを組み合わせて固定すれば、「L型金具」と同じくらいの強度で転倒防止ができる方法もあります。
みなさんのご自宅の事情に合わせて、転倒防止グッズを選んでください。
また、部屋の出入り口に、棚や大きなタンスなどの家具は置かれていませんか?
置かれている場合は、必ず器具で固定したり、配置換えをしましょう。
食器戸棚などは、食器の下に滑り出し防止マットを敷きましょう。
【引き出し・家電】
棚自体の固定も重要ですが、〈引き出しストッパー〉や〈開き戸ストッパー〉で中身の飛散を防止しましょう。
たんすなど2段式の家具は、上下を固定します。
薄型液晶テレビやパソコン、プリンター、電子レンジなどは、地震の際に飛んでくる可能性がありますので、粘着性マットなどできちんと固定することも大切です。
【冷蔵庫】
冷蔵庫は、上部をベルト式器具などで壁と連結したり、冷蔵庫の固定脚を引き出してロックしましょう。
また、万が一器具が外れても危険が及ばないように、人が下敷きにならない位置、出入り口を塞がない位置に置きましょう。
【照明】
シャンデリアやペンダントライトは、地震の際に大きく揺れるため、危険です。
シーリングライトなど、天井に直接付けるタイプがオススメです。
ただし、蛍光灯や電球が露出していると、落下して割れる場合もあるため、カバーがついたものや飛散防止タイプの蛍光灯を選びましょう。
【窓ガラス】
窓ガラスの飛散防止には「飛散防止フィルム」をガラス全面に貼ることが有効です。
「ガラス全面にフィルムを貼るのは大変で、できそうにない……」という方は、昼間は薄手のレースカーテンを、夜はカーテンを閉めておきましょう。
ガラスが割れてもすぐ下に落ちるので、危険を最小限に抑えることができますよ。
また、家具が倒れてガラスが割れてしまわないように、窓ガラスの前に固定されていない大きな家具やテレビが置かれていないか、確認しましょう。
いかがでしたか?
大地震が起きることを想定してみると、実は、家の中には危険な要素が多くあることがわかります。
家具を固定する、家具の危険な置き方はしないなど、「正しく備えて、正しく恐れる」を実践しましょう。
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