「火災保険」はどうして必要なの?
私たちが火災に遭う確率とは、一体どのくらいなのでしょうか?
総務省消防庁「平成27年版消防白書」によれば、平成26年に起きた建物火災は23641件です。
これは、ある世帯が1年間に建物火災に遭う確率に直すと、0.042%となります。
低いように感じますが、自宅が火災に遭ってしまうと、家や家財が燃えてしまい、深刻なダメージを受けます。
どんなに自分が火の取り扱いに気をつけていても、隣の家からのもらい火で火災に遭うかもしれません。
その場合、火元の家から損害賠償をしてもらうことはできるのでしょうか?
実は、火元になった家の住人に重大な過失がなければ、損害賠償はしてもらえません。
つまり、もらい火による火災でも、自分の家は自分で修復しなければならないため、火災保険が必要なのです。
実は火災の補償だけじゃない「火災保険」
火災保険の対象は、「建物」と「家財」です。
「火災保険」は、もちろん火災による損失を補償するものですが、実は、補償の範囲は「火災」だけにとどまりません。
火災以外に、落雷、破裂、爆発は火災保険で必ず補償される内容です。
その他に、台風や竜巻、雪や雹などの「風災・雪災・雹災」、床上浸水といった「水災」、給排水設備の「水漏れ」や空き巣による「盗難」など、幅広い特約(オプション)があります。
保険会社によっては、上記のように火災保険で必ず補償されるものを基本として、自分のニーズにあわせて特約を追加できるところがあります。
また、補償内容を何パターンかに分けてプランとして提供したり、一定の補償内容をセットにするなど、保険会社によって取扱いが異なりますので、注意が必要です。
さらに注意しておきたいことがあります。
それは、特約を充実させて契約をしても、地震・噴火・津波を原因とする損害は火災保険では補償されない、ということです。
これらのリスクには、地震保険で備える必要があります。
なお、地震保険は単体では加入できないため、火災保険とセットで加入する必要があります。
火災保険だけで安心しないで……ハザードマップを確認して適切な補償や安全を!
自然災害がいつ起こるのか。それを予測するのはとても難しいことですが、ハザードマップを使って、身の回りにどんな災害が起こり得るのかを調べることはできます。
「ハザードマップ」とは、自然災害による被害を予測し、被害の軽減や防災を目的として、市区町村がまとめた地図の情報です。
そのなかでも「洪水ハザードマップ」は、全国の市区町村の整備率が98%(国土交通白書2015年)で、多くの市区町村が、ハザードマップをWEBで公表しています。
また、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、全国の自治体の洪水・土砂災害・高潮・津波・火山・地震などの情報を閲覧できます。
これらのハザードマップを検証することで、たとえば道路の冠水や、河川からの浸水が予想される範囲がわかります。
自宅に迫る災害リスクがわかれば、それに備えて火災保険や特約を検討することもできますね。
風災や水災など、自然災害による被害もカバーしてくれる「火災保険」の基本について、お届けしました。
そしてハザードマップには、注意区域や危険区域だけではなく、行政、防災関連機関の連絡先や指定避難所まで盛り込んでいる自治体もあります。
身の回りの災害リスクまで調べた上で備えておくと、いざという時も必要以上に慌てなくて済み、安心ですね。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。