失敗しない《住宅ローンの資金計画》:セールストークは冷静に判断する
「家を購入するなら、消費税が上がる前がお得ですよ」
「低金利の今を逃してはだめですよ」
「賃貸の家賃を払うのはもったいないでしょう?」
これらのようなセールストークに、心が揺れ動いたことはありませんか?
2017年4月に予定されていた消費税の税率引き上げが、2019年10月に延期されることになりました。
消費税が8%と10%をくらべると、8%の時の方が2%分、費用を低く抑えられます。
ここで注意をしたいのが、消費税が上がっても、消費税がかかる対象は建物のみだということ。
土地には消費税はかからないので、セールストークに焦らないように注意してくださいね。
マイホームを買いたい気持ちでいっぱいの時は、特に慎重かつ冷静になる必要があるのです。
失敗しない《住宅ローンの資金計画》:「頭金ゼロ」を疑ってみる
住宅を購入する時に必要なお金は、土地や建物の「物件価格」プラス、住宅ローンの手数料や登記費用などの「諸経費」です。
多くの金融機関では、物件価格の80%から90%しか融資を受けることができません。また、諸経費は現金で準備する場合がほとんどです。
家を買う際には、「頭金」(物件価格の一部)を10~20%を準備しましょう。
また、それとは別に、物件価格の5~10%の諸費用を準備しましょう。諸費用は戸建ての方が多めです。
最近は、「頭金ゼロ・全額借入OK」という銀行もありますが、同じ物件を買うのなら、頭金が多い方がローンの借入金額を減らすことができます。
さらに、この頭金が一定割合以上あると、金利を優遇する仕組みがある銀行もあります。
頭金の額は、月々の返済額にも影響します。マイホーム購入を検討されている方は、計画的に準備をしましょう。
失敗しない《住宅ローンの資金計画》:本当に返せる?
マイホーム購入にあたっての住宅ローンの返済額を「収入の〇%ならOK」と判断する目安は、とても危険です。
たとえば年収500万円の場合は、年収から社会保険料や税金が差し引かれるので、手取り収入は約400万円です。
年収500万円で借入できる金額を年収の20%とした場合は、年間100万円が住宅ローンの返済となり、手取り収入からローンを差し引いた残りは300万円です。
一方、年収の30%を借入できる時は、年間150万円を返済することになります。その場合、残るお金は250万円です。
手取り収入に占める割合は、37.5%にもなるのです。
住宅を買った後にも、新たにかかるお金があります。
10年〜15年経った頃から、水回りなどのまとまった修繕費が必要になります。
一戸建てなら、同じ時期に外壁の塗り替えや屋根の補修などのメンテナンス費用もかかります。
マンションは、建物のメンテナンスにまとまった費用はかからない代わりに、月々の管理費、修繕積立金、駐車場代がかかってきます。
さらに一戸建てもマンションも、毎年、固定資産税・都市計画税がかかるため、住宅ローン以外の負担が増えます。
このように、住宅にはローン以外の費用もかかるため、金融機関が貸してくれるからといって、安易に家を購入することは避けたいものです。
今後の家族の変化なども踏まえて、住宅ローンは「借りられる額」ではなく、「無理なく返せる額」を考えることを忘れないようにしてくださいね。
マイホームの購入は、人生の中での大きなお買い物です。
一般論やセールストークに惑わされず、資金計画をきちんと準備することで、納得のいくマイホームを手に入れて、心豊かなライフスタイルを送りましょう。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。