【住宅ローン】48歳、小売業の場合
プロフィール
48歳、男性
小売業(生活用品の接客販売)
▼現状
世帯年収:400万円
住宅ローン:2,000万円
家族構成:義父母(70代)、妻(40代、契約社員)、子1人(中学生)
地方在住
【相談内容】世帯年収400万円×住宅ローン2,000万円は妥当?
「世帯年収に対する住宅ローン借入額は妥当ですか?将来、自分の老後や娘の進学、親世代の介護等にかかるお金を用意できるのか不安です」
世帯年収400万円の住宅ローンをシミュレーション
まずは、年収に対して何倍の借入かを見てみましょう。
住宅金融公庫「2023年度 フラット35利用者調査」によると、全国のフラット35利用者の平均借入額は年収の6.7倍*。
世帯年収400万円の相談者さんの借入額は2,000万円で、年収の5倍です。
収入に対する住宅ローンの負担は平均よりも軽いと言えます。
*……参考:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」(p.18)
毎月の住宅ローン返済額は少なめの水準
相談者さんの現在のローン返済額は、毎月5.9万円とのこと。
居住費の目安は収入の25%以内なので、年収400万の場合は毎月約8.3万円。
相談者さんの家計における居住費の割合はとても理想的ですね。
ただし、子どもの教育費やご両親の介護費など将来かかるお金に不安を抱いていらっしゃるご様子。
大きい出費となりそうな教育費と両親の介護費を具体的にシミュレーションする必要がありそうです。
介護費用はご両親の貯金と年金から支払うのが一般的ですので、いくら用意できるかを確認しておきましょう。
足りない場合は副業を始める、奥様にも正社員として働いてもらうなど、家族全体で収入を増やす対策をとったほうがよさそうです。
教育費と介護費をシミュレーション
文部科学省の調査によると、子どもの教育費はすべて公立でも高校で179万円*、大学で243万円*。
私立大学へ進学したり、地方で一人暮らしをしたりする場合はさらに高額になります。
*……参考:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
*……参考:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
次に介護費用ですが、生命保険文化センターの調査によると、1人あたりの介護費用は在宅で月平均5.2万円、施設で13.8万円*。
施設介護はさらに入居一時金がかかり、施設によって金額が大きく異なります。
数は少ないですが、入居一時金が0円の施設も。
介護費用を軽減する制度として、高額介護サービス費支給制度、高額医療・高額介護合算療養費制度などがあり、日本では充実しています。
独自の負担軽減制度を設けている自治体もあるので、問い合わせてみてくださいね。
*……参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」(p.180)
まとめ
・相談者さんの住宅ローン借入額の負担は年収の5倍で、平均よりも軽め。
・毎月の返済額は理想的な金額。教育費と介護費は具体的な計算が必要。
・介護費用を負担する制度を積極的に利用する。
※この記事では媒体で募集した情報に編集を加えて掲載しています。
◆綾瀬わか
FP2級ライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。
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