【リアル給与明細】30歳、学校教員の場合
プロフィール
30歳、女性
私立学校 教員
▼現状
仕事内容は、教員として、授業・クラス運営・事務作業・補習・保護者対応。
労働時間は月270時間、残業は月に約120時間。
ボーナスは150万円程度。
【相談内容】月に120時間残業していますが、支給されるのは40時間分のみなし残業代のみです。持病があり医療費も大変なので、しっかり残業代を払ってもらいたいです。
解説するのは……
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。
現在のお給料は適正額?
質問者さんは、120時間も残業をしているのに、しっかりと残業代が支給されないことに不満に感じているのですね。
では、質問者さんのお給料が適正なのかどうかを見ていきましょう。
質問者さんのお給料を年収で換算すると、約722万円となります。
一方、私立高校で教員をしている人の平均年収額は約604万円です。
*……参考https://job-q.me/articles/13486
支給額だけを見れば、質問者さんのお給料は平均よりもかなり高い水準と言えそうですね。
どうしてきちんと残業代が出ないの?
質問者さんは、120時間も残業しているのに40時間分のみなし残業手当しかもらえないことに疑問を感じていらっしゃるのですね。
実は、教員の残業代は一般企業とは異なる仕組みになっています。
公立学校の教員の場合、残業代という概念はありません。
代わりにお給料の一部として教職調整額が支給されます。
私立学校の教員は一般企業と同じく労働基準法が適用され、残業代が支払われる仕組みです。
ただし、労使間での協定により、時間外労働は月45時間までという上限があります。
現在は時間外労働に規制ができたので、一定の時間を超える残業は制限されています。
しかし、学校側にこの時間外労働の規制についての認識が薄く、残業代がしっかりと支払われなかったり長時間残業が黙認されていたりするケースが多いのが現状です。
ワークライフバランスを視野にいれた働き方を検討してみて
質問者さんは、私立学校教員の平均以上の収入を得ておられます。
残業については私立学校特有の問題があり、すぐに改善するのは難しそうです。
しかし「ならば我慢するしかないのか……」とは考えないでくださいね。
人が過労死を起こす『過労死ライン』は、残業が月に80時間以上発生している状態。
*……参考https://partners.en-japan.com/qanda/desc_800
このラインを超すと精神的な疲労だけでなく、脳出血や心筋梗塞といった重大な病気を引き起こしやすくなります。
質問者さんは持病もお持ちとのことですので、今はワークライフバランスを考えましょう。
残業代をしっかりもらうことよりも働く時間を減らすことに重点を置くことをおすすめします。
まとめ
・質問者さんの現在のお給料は同業種の平均よりもかなり高い水準です。
・教員の残業代がしっかり出ないのにはさまざまな背景があるため、個人の努力で解決することは難しそうです。
・質問者さんの残業時間は過労死ラインを超えています。これを機にワークライフバランスを考えた働き方を検討してみてくださいね。
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