【リアル給与明細】30歳、医療従事者。将来が見えず不安です……【FPが解説】

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読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【30歳 医療従事者】

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松田亮太
松田亮太
2024.05.31

【リアル給与明細】30歳、医療従事者の場合

30歳、医療従事者の給与明細

プロフィール

30歳、女性
医療従事者

▼現状
医療従事者1年目。対象者の心身に関わる相談業務。
労働時間は月160時間、残業は月5時間程度。
ボーナスは不明。

【相談内容】お給料の上り幅が不透明で、先行きがわからず不安です。

解説するのは……

 

◆松田亮太

ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。

まずはお勤め先の給与規定の確認を

相談者さんは2024年4月に転職し、現在のお給料はある程度もらえているようですが、今後どのように昇給していくのか、お給料の上り幅が不透明で先行きが不安なのですね。

転職活動の際に昇給に関して確認できていなかった点は手痛いですが、今からでも遅くありません。
ほとんどのお勤め先には給与規定が作成されていますから、そこで昇給に関する規定を確認してみましょう。

問題なのは、給与規定がない、役職が新設のものなど何らかの理由で給与規定の対象外であるなど、昇給に関して全くわからない場合です。

不安の正体を見極めましょう

昇給に関して全く情報がない場合、先行きがわからないため不安になるのはよくわかります。
ですが、ここでちょっと落ち着いて考えてみましょう。

相談者さんは何が不安なのでしょうか?

相談者さんは「昇給が不透明で先行き不安」とおっしゃっていますが、昇給が明確になったとしても不安はなくならないような気がします。
つまり、「昇給が不透明であること」は不安が表面化したきっかけにすぎず、不安そのものの原因ではないということです。

相談者さんの根底にある不安は、「将来生活できなくなったらどうしよう」ではないでしょうか?

だとしたら、将来生活できる見通しが立てば、相談者さんの不安は少なからず和らぐはずです。

将来の見通しを立てるためにはライフプラン作成を

先行きの不安を解消するためには、ライフプランを作成して将来を見据えるほかありません。

ライフプランとは、文字通り人生設計のこと。
収入と支出のバランスを確認できるため、事前に対策を講じられます。

ライフプランは、ファイナンシャルプランナー事務所や生命保険会社及び代理店などで取り扱っています。
生命保険会社や代理店であれば、無料でライフプランを作成してくれるところがほとんどですので、利用してみましょう。

自分でライフプランを作成する方法

もし、ライフプランを作成する時間がない場合や、保険の営業を受けたくない場合は、以下の簡単な手順で全体的な収支のバランスだけでも確認しましょう。

  1. 65歳までに予定しているイベントや出来事を洗い出し、日々の生活費も含めて必要な資金の合計額(A)を算出する。
  2. 65歳までに想定される収入の合計額(B)を算出します。(昇給が不透明な場合は、一旦は現時点の収入もしくは低めの昇給で算出)
  3. (B)から(A)を差し引く。

3で算出した金額がプラスである場合は、65歳までの収支は黒字であり、その金額と退職金の合計額が65歳時点での預貯金額の目安となります。

金額がマイナスであった場合は、65歳までの収支は赤字であるため、対策を立てなければなりません。

ライフプランがマイナスの場合の対策

作成したライフプランで預貯金がマイナスとなる場合の対策は、大きく2つあります。

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす

収入は、お仕事を頑張って給料を増やすほか、副業や投資などの金融所得で増やせます。
一方で支出は、将来の計画を一部断念するほか、実施時期の延長や生活費の見直しなどで減らします。

ライフプランは将来の目安ですから、その通りになるとは限りません。
それでも無計画で過ごすよりも、見通しを立て、対策を今から講じるほうがはるかに安心できるはずです。
相談者さんも、まずはライフプランを立ててみましょう。

まとめ

パソコンを見ながら考え込む女性出典:www.shutterstock.com

・転職時には昇給についても必ず確認すること。
・昇給が不透明であることによる不安を解消するためには、ライフプランの作成が有効。
・ライフプランで収支がマイナスの場合は今から対策を。

※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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松田亮太

大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務。個人宅を中心にお金の正しい知識と知恵を伝える一方で、社内の総務、人事、経理などバックオフィスを一手に引き受けている。
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級