ひな祭り(桃の節句)の由来
ひな祭りは、3月3日に行なわれる、女の子の健やかな成長を願ってお祝いする行事です。
古くから奇数が重なる日にはお供えやお祓いをする風習があり、3月3日は上巳(じょうし)の節句と呼ばれていました。
平安時代には、自分の身代わりを川に流しお祓いする『流し雛』が行なわれ、それが室町時代には豪華な雛人形を飾ってお祝いされるようになったのです。
そして江戸時代には、『ひな祭り』として全国に広まりました。
魔除けの力があると考えられていた桃の花がちょうど咲く時期であったことから、『桃の節句』と呼ばれるようになったのです。
ひな祭りにはこのような由来があったのですね。
【行事食】ひな祭りの食べ物・定番料理4選
ひな祭りには、たくさんの行事食があります。
ここからは、ひな祭りの伝統的な料理やお菓子の由来をチェックしましょう。
ひな祭りの定番料理①ちらし寿司
ひな祭りの食べ物といえば、『ちらし寿司』を思い浮かべる方は多いのでは?
でも、実はちらし寿司をひな祭りに食べる明確な意味や由来はわかっていません。
日本ではお祝い事にお寿司を食べる習慣があり、見た目が華やかなちらし寿司が女の子のお祝いであるひな祭りに食べられるようになったのでしょう。
ちらし寿司を食べる理由ははっきりしないものの、食材にはそれぞれ意味があります。
エビは「腰が曲がるまで長生きしますように」、レンコンは「先の見通しが良くなるように」、錦糸卵は「金銀財宝」などです。
子供の健康や幸せを願った食べ物であることは間違いないですね。
見た目も華やか『ちらし寿司』レシピ
具材を丸型にするだけで、より華やかで可愛いちらし寿司になりますよ。
魚肉ソーセージやカニカマ、ハムなど、子供が好きな具材で作ってあげれば大喜び間違いナシ!
◆簡単!可愛い♡水玉ちらし寿司
ひな祭りの定番料理②はまぐりのお吸い物
はまぐりは対の貝殻でなければぴったりと合わないことから、夫婦和合を意味しています。
『はまぐりのお吸い物』には、「素敵な結婚相手に恵まれるように」という願いが込められているのです。
ぜひちらし寿司と一緒に、ひな祭りにいただきたいですね。
磯の香りを堪能できる『はまぐりのお吸い物』レシピ
上品な磯の香りを楽しめる、はまぐりのお吸い物。
開いた貝の両側に身を乗せて、盛り付けてくださいね。
◆はまぐりのお吸い物です 春の息吹と磯の香りを満喫♪
ひな祭りの定番料理③白酒・甘酒
『白酒(しろざけ)』とは、古くからひな祭りに飲まれていたお酒です。
蒸した白米や米麹、焼酎などを使って作られるお酒のことで、色は白く濁り、味が甘いのが特徴。不老長寿や厄除けの意味があるそうです。
でもアルコールが入っていて子供は飲めないので、代わりによく似た甘酒を飲むことが一般的になっています。
子供と楽しめる『甘酒』レシピ
濃縮タイプの甘酒とフルーツを使って、スイーツ感覚の甘酒を作ってみてはいかがでしょうか。
甘酒が苦手な場合でも、飲みやすくなりますよ。
◆いちごと甘酒のスムージー
ひな祭りの定番料理④てまり寿司
『てまり寿司』は、一口サイズのお寿司。小さくて子供も食べやすいので、最近ではひな祭りの食べ物として人気があります。
元々は、舞妓さんが食べるときに口紅がつかないよう食べやすくしたもので、「京寿司」とも呼ばれています。
好みの魚を使って、子供と一緒に作ってみるのも良いですね。
お肉も使って『てまり寿司』レシピ
「肉料理も食べたい!」という食いしん坊さんには、お肉を使ったてまり寿司がおすすめ!
ローストビーフや生ハムを使って、豪華なてまり寿司の完成です。
◆❤️肉多めのボリューム手まり寿司❤️
【お菓子】ひな祭りの食べ物・定番料理3選
ここからは、ひな祭りで定番のお菓子をご紹介します。
意味や由来を知ることで、よりひな祭りに想いを込めることができるでしょう。子供にも教えてあげたいですよね。
ひな祭りのお菓子①菱餅
『菱餅(ひしもち)』は、伝統的なひな祭りのお菓子。緑・白・ピンクの3色が重なった、ひし形のお餅ですね。
それぞれの色に、以下のような意味が込められています。
- 緑:健やかな成長を願う
- 白:子孫繁栄・長寿を願う
- ピンク:魔除け
またこの3色が重なることで、春の情景を表しているともいわれています。
カラーリングが可愛い『菱餅』風スイーツレシピ
菱餅カラーのミルク寒天もおすすめです。
緑の部分はキウイを使うので簡単!可愛く盛り付けして、ひな祭りをお祝いしましょう。
◆ひな祭りスイーツ*菱餅カラーの苺みるく寒天
ひな祭りのお菓子②ひなあられ
『ひなあられ』もまた、ひな祭りの代表的なお菓子です。
菱餅と同じ3色に黄色をプラスし、四季を表しています。1年を通して、子供の健やかな成長を願っているのですね。
ひなあられを食べるようになった理由は諸説ありますが、菱餅を砕いて炒ったおかきがひなあられになったという説が有力なよう。
味には地域性があり、関東では甘いポン菓子、関西では塩味のおかきが一般的になっています。
余った『ひなあられ』アレンジレシピ
もしもひなあられが余ったり、飽きたりしてしまったら、スイーツにアレンジしてみましょう。
マシュマロを使って簡単にできますよ。
◆余ったひなあられで作るマシュマロひなおこしボール
ひな祭りのお菓子③桜餅
ひな祭り以外でも食べられている『桜餅』。
ピンク色でひな祭りのイメージに合うので、最近ではひな祭りの食べ物としても人気があります。
5月5日の端午の節句に柏餅を食べることも、桜餅をひな祭りに食べる理由のひとつでしょう。
炊飯器で簡単『桜餅』レシピ
自宅でも、炊飯器を使って簡単に桜餅が作れますよ。
もち米を潰したものに市販の餡子を包み、桜の葉を巻いたら完成です。
子供と一緒に作れそうですね。
◆炊飯器で簡単★もち米の桜餅♪
地域で違う!ひな祭りの食べ物・お菓子
ひな祭りの食べ物は、地域によって特色があります。
とくにお菓子は、各地で独自に発展してきたものが多いようです。
ぜひチェックして、お取り寄せしたり、旅行のお土産にしたりしてくださいね。
【名古屋】おこしもの
名古屋には、『おこしもの』というひな祭りのお菓子があります。『おこしもち』や『おこしもん』とも呼ばれています。
米粉を練ったものを木型にはめ、色を付けたお菓子です。
木型は、桃や桜などの花の形や、鯛、宝船など、縁起物がモチーフになっています。
お雛様へお供えしたあとにいただきますが、日数が経って硬くなってしまった場合は焼いて食べるそうですよ。
◆「おこしもの」尾張地方の雛菓子
【京都】ひちぎり
『ひちぎり』は、京都のひな祭りのお菓子。ひしゃく型にしたヨモギ餅のくぼみに、白やピンクの餡をのせたものです。
ヨモギ餅をちぎったような形になっていることから、引千切(ひちぎり)と呼ばれています。
色は、菱餅と同じく緑・白・ピンク。
形は変わっても、込められている想いは同じなのでしょう。
【長崎】桃カステラ
長崎県では、ひな祭りに『桃カステラ』を食べます。
桃カステラとは、カステラの上に桃の形の砂糖菓子が乗っている、可愛いお菓子です。
サイズは10cm前後と、一般的なカステラに比べると大きめ。
ひな祭りに限らず、結婚式や出産などの贈答品としても贈られる、おめでたいお菓子です。
ひな祭りは食べ物に愛情をたっぷりと込めて♡
ひな祭りに食べるものには、さまざまな由来や意味があります。
そのどれもが、子供の健やかな成長や幸せを願ったものです。
ぜひこの記事を参考にして、愛情をたっぷりと込めたひな祭り料理を作ってあげてくださいね。
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