猫を飼うんじゃなかった!?後悔する前に知っておきたい心構え
猫を飼っている体験者から「猫なんて飼うんじゃなかった……」などの後悔を聞くと、気になりますよね。
実際に、猫を飼うことは楽しいだけではありません。猫も生き物なので一緒に生活していく上で、飼い主もそれなりの覚悟が必要です。
日々のお世話はもちろんのこと、餌代や通院費用、猫グッズの準備などでかかるお金のことも。また猫は抜け毛が多かったり、爪とぎで家具をダメにしたり、若い頃はヤンチャで部屋中を暴れ回ったりと、予想以上に掃除やお部屋の中の備品の買い替えが負担になってしまうことも。病気になってしまったら、そのための支出やお世話も必須になってくるでしょう。
生き物と一緒に生活することは、大変な面も否定できません。でも猫との生活は、「人生が変わった!」とプラスに感じている人も多いんですよ。
猫はとにかく存在が可愛くて、仕事や家事、育児で疲れたときの癒しになってくれるでしょう。
家族の共通話題になり、コミュニケーションが増えるきっかけになるかも。他にも猫のお世話をするために、規則的な生活を送れるようになったという声もありますよ。
猫との生活が、たくさんの幸せをもたらしてくれるのは、多くの愛猫家がいることからも明らか。だからこそ、飼う前に少しでも猫の飼い方を理解しておくのがおすすめです。
猫の飼い方の基本
ここでは、まず猫の飼い方の基本となるポイントを取り上げます。
ケージなどの準備段階から、絶対やってはいけないことなど、猫と暮らすにあたって知っておきたいことをチェックしましょう♪
家に初めて迎える前に!ケージなど準備が必要な猫グッズリスト
猫が暮らす上で、必要なグッズを揃えましょう。
<基本>
- ご飯系(キャットフードと猫用食器※餌・水両方)
- トイレ(トイレと猫砂)
- 猫用ケージと寝床
- 爪とぎ・爪切り
- くし・ブラシ
- 猫のおもちゃ
- 首輪や迷子札
- キャリーバッグ
餌やトイレ、ケージ・寝床など、毎日使うものは、きちんと初日までに用意しておきましょう。
上記は基本となる猫グッズですので、他にも一緒に生活していくなかで必要そうなものを揃えて、人間も猫も暮らしやすいよう環境を整えていってくださいね。
またキャットフードをはじめ、トイレやケージなどにもいろいろな種類があります。猫にも好みがあるので試供品を試したり、貰い先や購入先に事前にリサーチしたりするのもおすすめですよ。
トイレのしつけやグルーミングは最初が肝心
猫を飼ったら、まず最初にしたおきたいのはトイレのしつけ。
トイレをしたそうな素振り(床を嗅いだり、お尻が気になり出したり)を見せたら、トイレの上に移動させましょう。それを繰り返せば場所を覚えていきます。また猫はきれい好きなので、トイレのお掃除や定期的な猫砂の交換なども欠かさないように。
またトイレ同様、最初のうちから慣らさせておきたいのがグルーミング(毛や爪など体のお手入れのこと)。
特に子猫の場合、小さいうちからやっておくのがおすすめですよ。いきなり始めると驚いてしまうので、まずは簡単なスキンシップから慣らしていきましょう。
かかりつけを見つけて病院とうまく付き合って
人間も猫も、生活していく上で病院との付き合いは大切です。
猫はワクチンや予防接種、健康診断、場合によっては病気治療・避妊 / 去勢などでたびたび病院に行くことも考えられます。
病院嫌いな子も多いですが、健康のためには欠かせない場所。近場で、信頼できる先生を見つけてくださいね。
かかる費用はどのぐらい?
猫も生き物なので、暮らしていくなかで、いろいろな費用が発生します。
たとえば上記でご紹介した猫グッズ(餌代・トイレ代含)の購入やワクチン費用、病気などにかかったときの通院費などがあげられるでしょう。
一般社団法人ペットフード協会が実施した「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」によると、猫1匹の場合の飼育コストはペットフード+医療費代で月の平均値が7,286円。生涯かかる費用として算出すると1,316,467円になるそうです。
もちろんこれは平均値なので、目安として考えてくださいね。
安定している時期なら病院に毎月行くのは稀ですし、逆に初期やシニアだと経費が上がる傾向も。つまり平均値よりも、もっと安くも高くもなることが考えられますよ。
でもいつ何があっても対応できるよう、予算は多めに確保しておくと安心ですね。
絶対にやってはいけないこと
猫のストレスになるようなことは、やめましょう。
たとえば猫は環境の変化が苦手なので、寝床やトイレの位置を人間の都合で変えることはおすすめしません。
初めて来たときも同様で慣れるまでは無理強いせず、ケージなどのなかに薄暗くて暖かい場所を作り、猫のタイミングで出てくるのを待ってあげてくださいね。
しつけといって、猫を叩いたり大声で叱ったりするのも絶対NGです。
時間がたってからだと猫もわからないので、悪さをしたら「NG」「ダメ」などの短い言葉ですぐに叱りましょう。猫は水が苦手なので、霧吹きを用意して少量かけるという手もありますよ。
他にも、知っておきたい猫と暮らす上で注意したいポイントのご紹介です。
- 肥満にならないよう、餌やおやつは与えすぎないこと
- ひげは大切な器官なので、絶対に切らないこと
- 猫は目のなかに光を取り込みやすいので、写真のフラッシュはたかないこと
- 植物・食べ物のなかには、猫にとって毒になるものもあるので注意
猫の室内飼育で気を付けたい注意点
猫は外を自由に動き回るイメージがありますが、最近では完全に室内で飼育されている子が多いです。
何といっても室内猫のメリットは、安全なこと。事故・怪我・伝染病予防だけではなく迷子になることもありません。
でも、日中不在のことが多くずっと家にいるのは猫のストレスになるのでは?と心配にもなりますよね。実はそんな心配は無用で、いくつかの注意点に気を付ければ、家のなかだけでも特に問題ないことがほとんどですよ。
室内猫の飼い方のポイントは、猫の暮らしやすい環境に整えることです。
安全な環境を作る
まず、脱走しないように戸締りを徹底してください。
電気コードや紐状のものなどの危険なものは遠ざけ、万一の事故に備えてお風呂場やキッチンなどの危ない場所にも立ち入りさせないようにするのがおすすめです。
退屈しない場所を作る
猫も、一人だとやはり退屈に感じてしまうことがあります。
トイレやケージなどの基本スペースはもちろん、外を眺めたり、爪とぎしたり、隠れたり、運動できたり(上下運動のできるキャットタワーなど)、おもちゃだったり、そんな場所があるとお留守番中の猫にも嬉しいはず。
家にいるときは積極的にコミニケーションを
仕事や用事などで昼間出かけていても、家にいるときは猫にかまってあげましょう。
声掛けしたり、撫でたり、一緒に遊んだり、そんな飼い主とのコミニケーションが室内猫には大事です。
避妊・去勢した猫のほうが室内飼育向き
一般的に去勢・避妊した猫のほうが、発情的行動(マーキング・泣き声など)が抑えられる傾向があるそう。
避妊・去勢手術についてはいろいろな意見がありますが、室内飼育しやすくなる場合も多いようですよ。
子どもがいる家庭の注意点
子どもがいる家庭の場合、子どもにも、猫の飼い方の基本をきちんと教えてあげましょう。
大人は当たり前にできても、子どもはわからないことが多いもの。ルールは明確化して、猫にも子どもにも無理のないように。特に、上記でご紹介した「絶対にやってはいけないこと」については徹底させてくださいね。
飼うなら子猫から?少し成長した猫?
猫は子猫から飼うことも、少し成長した猫を飼うことも、どちらもできます。でも、猫も大人と子どもだと勝手が違い、飼い方で注意するポイントが異なることも。
ここでは、子猫と少し成長した猫それぞれを飼う場合の心構えや注意点を知っておきましょう。
子猫は何といっても元気いっぱいで、とてもキュート。
これから成長していく姿を、近くで見られるのも飼い主の特権です。でも子どもなので粗相をすることもあり、しつけや手が掛かることも考えられますね。
少し成長した猫は子猫よりも落ち着きがあり、留守番をなんなくこなせる子やトイレがきちんとできる子が多いです。すでに性格や特性がはっきりしているので、それに合う準備をしてあげやすいでしょう。
ただし、家に馴染むまで時間がかかる子がいたり、外で生活していた子だとストレスがたまったり、その背景によってさまざまな問題が浮上することが考えられます。
子猫でも、少し成長した猫でも、メリットとデメリットがあります。猫を飼うにあたって大切なのは、きちんと購入先や貰い先から、情報やアドバイスをもらうこと。年齢はもちろん個体・品種などでも、猫はそれぞれ違いますよ。
初心者でも飼いやすい猫の品種
猫にも、いろいろな品種が存在します。未登録のものまで合わせると、世界には300種類の猫がいると言われているそう。
猫は品種によって大まかな性格や特徴があり、なかには初心者向きと言われている猫種もあるんですよ。
ここでは、そんな初めてでも飼いやすい猫種をご紹介します。
(※品種が同じでも個体差があるので、参考までに。)
雑種
いろいろな猫が合わさった「雑種」。毛の色や長さ、柄などがそれぞれ異なり、唯一無二の見た目をしています。
同時に性格や毛質なども個体ごとに少しずつ異なり、雑種猫と言ってもいろいろ。毛の長いタイプの子は、体臭が出やすいこともありますよ。
雑種猫は体が丈夫な子が多く、純血種よりも病気にもかかりにくいと言われています。健康なことは一緒に暮らす上でも大切なことで、初心者が飼うならぜひ重要視しておきたいポイントです。
- 体重:それぞれ異なる
- 毛の長さ:それぞれ異なる
アメリカンショートヘア
日本でも馴染みのある人気の猫種「アメリカンショートヘア」。アメリカ生まれの猫で、アメショーの呼び名でも知られていますね。
アメショーは体が大きく頑丈で、性格は明るく賢い子が多い猫種。ただ自立心が強いタイプもいるので、そういう子は体に触れられるのが得意ではないことも。でも基本的には環境への適応力が高く、飼いやすい猫です。
毛は短いですがダブルコートなので、特に換毛期はこまめなブラッシングを忘れずにしてあげてください。
- 体重:3〜7kg
- 毛の長さ:短毛種
スコティッシュフォールド
折れた耳と丸っこいフォルムが可愛らしい人気猫種「スコティッシュフォールド」。でも、折れ耳同士の交配だと遺伝性の病気のリスクが高まるため、最近では立ち耳や途中から耳が立つ子もいるのだとか。
体格は猫のなかでは普通ぐらいで、性格は穏やか。人懐っこくて甘えん坊な子が多いと言われていますよ。
スコティッシュフォールドは、毛が短い子が多いですが、長めの個体もいます。それぞれに適した頻度でお手入れしましょう。また、折れ耳だとなかが汚れやすいので、定期的にチェックしてあげてくださいね。
- 体重:3〜6kg
- 毛の長さ:短毛種・長毛種
ラグドール
きれいな目の色とふわふわの毛で、気品を感じる「ラグドール 」。
猫のなかでは体がかなり大きいほうですが、性格はとてもスイート。“ぬいぐるみ人形”を意味するラグドールは、穏やかでのんびり屋さんが多いようです。抱っこされるのも好きで、スキンシップもとりやすいでしょう。
長毛種のラグドールなので、お手入れはこまめにするのがおすすめです。でも毛質はさらさらで絡みにくく下毛も少なめなので、比較的スムーズにブラッシングが可能。他の猫同様、換毛期はさらに気合を入れましょう!
- 体重:4〜9kg
- 毛の長さ:長毛種
マンチカン
「マンチカン」は、短い足が特徴的な猫種で、猫界のダックスフンドあるいはコーギーとも言われますよ。
短足同士の交配だと遺伝的な病気リスクが上がることから、最近ではマンチカンでもそこまで足が短くない子が増えています。
足が短いので体高が低く体も小さいですが、ジャンプ力は他と遜色ないぐらいあるそう。性格は人懐っこくて穏やかな子が多いですよ。
毛は細く柔らかいので、短毛種・長毛種それぞれ適度にブラッシングをしましょう。
- 体重:3〜5kg
- 毛の長さ:短毛種・長毛種
飼い方の基本を押さえて猫をお迎えする準備を始めましょう♪
猫と暮らす上で、基本となる飼い方や注意点などをご紹介しました。猫も人間も暮らしやすい環境を整えるのは、最初はいろいろ大変かもしれませんが、慣れてくればそれが日常になります。家族で、猫のいる生活を楽しんでくださいね。
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