山菜の種類はたくさん♪春以外の夏秋冬が旬のものも
山菜といえば、野山に自生しおもに食用に適した植物を指すことが多いようです。
日本では、北海道から九州・沖縄まで、全国それぞれの環境ごとにいろいろな味わいの山菜が存在します。その数は、全部で300種類ほどあるのだとか。
また、山菜は食物繊維やミネラル、ビタミンなどが豊富。アンチエイジングや健康にも良い食材として注目されています。
安定的に供給される野菜とは違い、旬の時期に自生する山菜は季節の味覚として大人気♡春はもちろん、それ以外の夏・秋・冬にも美味しい山菜がありますよ。
人気が高い春の山菜は栽培され、スーパーで売られていることもあります。でも、多くの山菜は野菜とは違い自生しているものなので、食べ方や調理方法にはちょっとした工夫が必要な場合も。
そして何より注意したいのは、山菜の見分け方や採り方!
例年、春先から初夏にかけて、有毒な成分を含む植物を、食べても安全な山菜や野草と間違って食べてしまうことによる食中毒が数多く起きています。
採るときは正しい知識を持って、わかるものだけにしてくださいね。
山菜狩りに行くなら、ツアーや体験などで、詳しい人と一緒に行くのがおすすめ。また、次に生えてこなくなるような乱暴なやり方はせず、食べる分だけを採るのがマナーです。
「春」がベストシーズンの山菜11種類
「山菜の季節」といえば、やはり春♡多くの山菜が旬を迎え、食卓にも季節感を感じられる食材が並ぶ時期ですよね。
ここでは、春の山菜やその美味しい食べ方などをご紹介します。もちろん種類や地域によっては、冬の時期から収穫できたり、夏にかけて楽しめたりする山菜もありますよ。
たらの芽
ほのかな苦味があるたらの芽は、その独特の食感と風味が人気の山菜。「山菜の王様」とも言われ、旬を迎える春から初夏にかけては、スーパーや飲食店などで見かけることもあります。
天然物の旬は4〜5月頃ですが、栽培も盛んなので地域によっては12月〜4月ぐらいまでの長い期間、手に入れることもできます。
いろいろな食べ方ができますが、何といってもたらの芽は天ぷら料理がおすすめです♡
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:アク抜き(例:塩をいれたお湯で茹でたあと冷水にさらす。天ぷらは不要)。
- 美味しい食べ方:天ぷら・唐揚げ・和え物・炒め物・パスタの具など
ふきのとう
たらの芽と並んで、美味しい天ぷら料理の材料として人気が高い山菜・ふきのとう。フキの花のつぼみにあたる、花茎の部分を指します。アクが強いので、天ぷら以外の調理では下処理をしっかり行いましょう。
癖になる苦味と香りで、一度食べたら忘れられない味です。またふきのとうは味噌との相性が良いので、アク抜きしたものを細かく刻んでから味噌やみりんなどと合わせてあわせて炒めて「ふきのとう味噌(ふき味噌)」にするのもおすすめです。
- 旬の時期:1〜4月(春)
- 下処理:アク抜き(例:塩をいれたお湯で茹でたあと冷水にさらす。天ぷらは不要)。
- 美味しい食べ方:天ぷら・和え物・ふきのとう味噌(ふき味噌)・味噌汁・佃煮など
うど
うどはシャキシャキとした食感が美味しい春の山菜の一つ。漢字では「独活」と書きます。
天然ものや一部の日光にあてて栽培された緑の「山うど」、遮光して栽培したものは「軟白うど」と呼ばれています。
うどは、その独特な歯触りを活かした食べ方がおすすめです!和え物やきんぴら、サラダなどとしてその歯触りを楽しみましょう。
風味が強い山うどなら揚げ物も絶品ですよ。
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:アク抜き(例:酢水にさらす。天ぷらは不要)。
- 美味しい食べ方:和え物・炒め物・揚げ物・天ぷら・サラダなど
ぜんまい
特徴的な見た目のぜんまいは、アクが強い山菜なので、しっかりと下処理をしていただきます。
アク抜き後は天日干しにして乾燥させると、もっと風味が出て美味しくなるとも言われていますよ。乾燥ぜんまいなら、長期保存が可能になるのも嬉しいポイント。
乾燥ぜんまいは市販されている種類も多く、家に常備しておけば、副菜で和え物や煮物などを作るときの具材として役立ちます◎
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:しっかりアク抜き(例:沸騰したお湯に重曹とぜんまいを入れて再度沸騰前にお湯を止め、そのまま冷めるまでさらす。そのまま食べることもできますが、長期保存には天日干しで乾燥させるのがおすすめ)。
- 美味しい食べ方:煮物・和え物・そばなどの具材など
コシアブラ
流通量が少ない珍しい種類ですが、ほのかな苦味を持ち「山菜の女王」と呼ばれるコシアブラ。季節を感じる香りも特徴のひとつです。
たらの芽と同じように、天ぷら料理がもっとも美味しい食べ方のひとつ!下処理後は、おひたしや和え物、味噌汁・炊き込みご飯の具材とするのもいいでしょう。バターとの相性も良いので、ソテーして食べるのもおすすめです。
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:アク抜き(例:塩をいれたお湯で茹でたあと冷水にさらす。天ぷらは不要)。
- 美味しい食べ方:天ぷら・唐揚げ・おひたし・和え物など
行者にんにく
北海道の特産として有名な行者にんにく。名前の由来には2つの説があり、山に自生しているので修行者が食べた説と、逆に滋養強壮がつきすぎるので行者が食べるのを禁止された説があるそう。
地域によっては、キトビロやアイヌネギなどの呼び名で知られています。
行者にんにくは、名前の通り、にんにくやニラのような強い香りが特徴。アク抜きなどの下処理は必要なく、風味を生かした食べ方がおすすめです。
栽培ものが多く出回っていますが、5年ほどの年月を経て収穫される天然ものはとても珍しいようです。
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:根元の皮をとる。
- 美味しい食べ方:しょうゆ漬け・炒め物・揚げ物・和え物・おひたしなど
セリ
七草粥にいれる春の七草の一つとしても知られるセリ。日本全国で自生し、古くから食用として用いられてきた山菜です。
栽培ものが多く、比較的長い期間お目にかかることができる種類です。
味は適度な噛みごたえと香りの良さが特徴で、いろいろな料理に活用できます。
なかでもおすすめなのが鍋物!秋田のきりたんぽ鍋や、宮城県のせり鍋の欠かせない具材で、お肉との相性がバッチリです◎
- 旬の時期:2〜4月(冬〜春)
- 下処理:アク抜き(例:塩をいれたお湯で軽く茹でる、アクが強い天然ものは氷水にさっとさらしてあげる)。
- 美味しい食べ方:お鍋・味噌汁・和え物・おひたし・天ぷらなど
ハリギリ
珍しい山菜の種類としてご紹介したいのが、ハリギリ。あまりメジャーではありませんが、コシアブラのような見た目と、たらの芽のような味がすると言われる山菜です。
たらの芽と同じように、天ぷらにしていただくのがおすすめの食べ方です。アク抜き後は、おひたしとして食べても美味しいですよ。
- 旬の時期:4〜6月(春〜初夏)
- 下処理:アク抜き(例:塩をいれたお湯で茹でたあと冷水にさらす。天ぷらは不要)。
- 美味しい食べ方:天ぷら・おひたしなど
こごみ
美しい色と渦巻き状が特徴的な山菜のこごみ。正式名称は「くさそてつ」で、他に「青こごみ」「こごめ」などの呼び名でも知られています。
アクがほとんどなく、下処理も簡単。お湯に通せば苦味やクセもほとんどなくなるので、マイルドな風味の山菜として人気です。食べると、ねばり・ぬめりがややあります。
余談ですが、こごみに似ている「赤こごみ」(別の呼び名:あぶらこごみ等)という山菜もあります。こちらも食べやすい種類ですが、珍しい幻の山菜で、コクのある旨味は一度食べたら忘れられないほどだとか♪
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:水洗い、場合によっては塩を入れたお湯でさっと茹でる。
- 美味しい食べ方:天ぷら・唐揚げ・和え物・おひたし・パスタの具材など
わらび
山菜のわらびは若芽で、歯ごたえがあるのが特徴です。
わらびは、根の部分にでんぷんが多く含まれ、わらび餅のもととなるわらび粉の材料としても有名。
でもぜんまい同様にアクが強く、また生のまま食べると食中毒を起こすことがあるほどで、しっかりとした下処理が必要です。発がん性物質も含まれますが、きちんとアク抜きすることで、それはほとんど失われるようです。
- 旬の時期:4〜5月(春)
- 下処理:しっかりアク抜き(例:沸騰したお湯に重曹とぜんまいを入れて再度沸騰前にお湯を止め、そのまま冷めたら、水を変えて一晩さらす)。
- 美味しい食べ方:おひたし・味噌汁・炊き込み御飯の具材・和え物など
フキ
フキは花と葉柄が別々に育つ珍しい植物。花蕾が「ふきのとう」、花が咲いた後に育つ葉柄が「フキ」と呼ばれ区別されることが多いようです。
フキにはいくつか種類があります。フキの主流「愛知早生フキ」、京都や奈良などで栽培される「京フキ」(水ふき、山蕗等の呼び名も)、秋田名物で主に加工して使用される「秋田フキ」、北海道足寄町エリアで自生する「ラワンブキ」など。
フキは、しっかりとした下処理が必要な山菜です。でも葉の部分は柔らかな、柄の部分なら噛みごたえのある食感で、おひたしや和え物なんかにすると春らしい一品になります♪
- 旬の時期:3〜5月(春)
- 下処理:しっかりアク抜き(例:両端を落とし板ずり。軽くアク抜きし、さめるまで冷水にさらしたら皮をむく。場合によっては、その後再び水に一晩さらす。葉の部分は苦味を見つつ茹でたり冷やしたりしながら、最後は冷水に一晩さらす)。
- 美味しい食べ方:和え物・おひたし・炒め物・煮物・佃煮など
春以外のものも♪「夏・秋・冬」が旬の山菜5種類
種類は少なくなりますが、春以外の夏・秋・冬にもそれぞれ旬を迎える山菜があります。珍しいものや誰でも知っているような植物まで実はけっこう多彩な夏・秋・冬の山菜。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
ミズ
ミズは、正式名称「ウワバミソウ」という植物で、「赤ミズ」「ミズナ」という呼び名でも知られています。
ミズはクセやアクが少ない上、ねばりとシャキシャキ感を持つ美味しい山菜として、実は人気が高い種類のひとつです。
どんな調理方法にも合います。ミズならではの食感を活かした塩こんぶあえや、めんつゆで味付けしたおひたしなど、シンプルな調理もおすすめですよ。
- 旬の時期:6〜8月(夏)
- 下処理:アク抜き(例:皮をむいた後、塩をいれたお湯で軽く茹でる)。
- 美味しい食べ方:和え物・おひたし・炒め物・サラダなど
シオデ
なかなか見つからず幻とも言われる珍しい山菜・シオデ。秋田県では「ヒデコ」と呼ばれているそうです。
「山アスパラ」という呼び名でも知られ、見た目や味はアスパラガスと似ています。
クセや苦味も少ないので、アスパラガスのように調理すれば美味しくいただけますよ。山菜通からは、アスパラガスより甘みがあって美味しいという声も!
- 旬の時期:7〜8月(夏)
- 下処理:アク抜き(例:お湯で軽く茹でたあと冷水にさらす)。
- 美味しい食べ方:おひたし・天ぷら・和え物など
山わさび
「西洋わさび」「ホースラディッシュ」という呼び名でも知られる「山わさび」。
ローストビーフに添える白いわさびとは、この山わさびのこと。チューブタイプのわさびでも、このわさびが使われていることが多いそうですよ。
山わさびは、涼しい北海道で多く自生する山菜の種類のひとつ。
薬味としてだけではなく、新鮮な山わさびを摩り下ろしてご飯にのせ醤油わまわしかけて食べる「わさびご飯」も絶品ですよ♡
- 旬の時期:10〜11月(秋)
- 下処理:-
- 美味しい食べ方:摩り下ろす
アサツキ
アサツキはネギよりも辛味が強く、見た目は万能ネギやわけぎと良く似ている山菜です。
東北地方では新芽を収穫し、山形県では伝統野菜のひとつに数えられます。冬から春にかけて収穫される新芽は、やや太くて風味もしっかりしているので、和え物やぬた(酢みそ和え)などで美味しくいただけます♪
なお、辛味もあるので、さっと湯通ししてからの調理がおすすめですよ。
一方関西地方では、青ネギ状のアサツキが主流。小ネギのような使い方で、薬味やトッピングとして活躍してくれるでしょう。
- 旬の時期:12月〜3月(冬〜春※東北地方の新芽)
- 下処理:-
- 美味しい食べ方:和え物・天ぷら・炒め物・味噌汁など
ナズナ
全国に自生し、誰でも一度は見たことがあるナズナ。ペンペン草の呼び名でも知られ、子供たちからも大人気ですよね。
ナズナは食用にも適しており、春の七草として七草粥に入れる野菜のひとつ。水菜のような歯ごたえがあり、苦味や青臭さもないので食べやすい山菜です。よく洗って下茹でしてから、シンプルな和え物やおひたしにして食べるだけでも驚くほどに美味です!
- 旬の時期:冬〜春
- 下処理:お湯で軽く茹でたあと冷水にさらす。
- 美味しい食べ方:おひたし・和え物など
旬の山菜を美味しくいただきましょう♡
山菜は、春のベストシーズンはもちろん、種類によってはそれ以外の季節にも楽しめます♪
天ぷらやおひたし、和え物など、風味や食感を活かした食べ方で旬の味覚をいただきましょう。
人気の山菜であれば、スーパーや八百屋はもちろんオンラインショッピングなど、市販での取り扱いも多いですよ。
山菜狩りに行く場合は、ツアーや体験などに申し込んで安全に行うのがおすすめです!
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