食用油の種類はたくさん!まずはオイルの分類をチェック♪
食用油は、本当にいろいろな種類がありますよね。最近では、スーパーでもサラダ油以外が陳列されていることが多くなっています。
購入前には食用油に対する理解を深めると、料理がもっと美味しく&健康的な食生活になるかも♪
油はさまざまな原料から搾油され、成分や特徴、適した使い方などがそれぞれ異なります。
その主成分は脂肪酸(脂質)で、原料によってはビタミン群やポリフェノールなどの成分が微量含まれている場合も。
ここでは、脂肪酸の種類を詳しく見ておきましょう。
脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つの種類に大きく分けられます。
飽和脂肪酸はバター・乳製品などの動物性脂肪に多く含まれ、さらに長鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸に分類されます。
最近体に良い油として注目されているのは、中鎖脂肪酸を多く含むココナッツオイルやMCTオイルです。
不飽和脂肪酸は、植物油脂や魚などに多く含まれます。一価不和脂肪酸のオメガ9系(オレイン酸等)、多価不和脂肪酸のオメガ6系(リノール酸等)・オメガ3系(α-リノレン酸・DHA等)が代表的な成分です。なお、後者は、体内で作れない必須脂肪酸にも分類されています。
中鎖脂肪酸のように健康的なオイルとして人気なのが、オメガ3系を多く含む荏胡麻油や亜麻仁オイルです。
また一般的に酸化しやすいとされる不和脂肪酸ですが、オメガ9系を多く含むオリーブオイルなどは加熱に強く、普段使いしやすいとも言われていますよ。
使い勝手が良くて大人気の「オリーブオイル」
オリーブオイルは、オリーブの果実から搾油しています。食用はもちろん化粧品としての用途も人気で、今や日本ではお馴染みです。種類が豊富で、品種や収穫時期、搾油方法などによっても特徴がだいぶ異なります。
質の良いオリーブオイルを摂取すれば、悪玉コレステロールを減少させ、生活習慣の予防に繋がることも。過去には、オリーブオイルを日常的に摂取する地中海沿岸の人々は、心臓病が少なく長生きしているとして注目されましたよね。
オリーブオイルは市販の食用油のなかでもオレイン酸の含有量が非常に高いので、酸化しにくく加熱料理におすすめです。
高品質なエキストラバージンオリーブオイルなら、風味や栄養価が高いので、生のままパンにつけたり、ドレッシングに使ったりするのも◎
- 主成分:オレイン酸
- その他の成分:リノール酸・リノレン酸・ポリフェノール・トコフェロールなど
- 保存方法:冷暗所
- おすすめの用途:揚げ物・炒め物・焼き魚・生のままなど
日本でもっともメジャーな「菜種油(キャノーラ油)」
菜種油は、アブラナの種子から搾油されています。スーパーなど市販でもお馴染みのキャノーラ油は、品種改良したキャノーラ種を原料とした菜種油の一種です。
オリーブオイルほどではありませんが、悪玉コレステロールの濃度を減らすオレイン酸を多く含むのが特徴。続いて多いのは必須脂肪酸のリノール酸です。
でも質が悪いと、製造過程で体に悪影響を与えると言われるトランス脂肪酸が発生してしまう場合も。日本産で、こだわりの圧搾製法などで作られたものだと安心ですよ。
シンプルな風味と酸化しにくい特性から、どんな料理にも使いやすい食用油です。熱に強いので、揚げ物・天ぷらなどの高温調理にも◎
- 主成分:オレイン酸
- その他の成分:リノール酸・αーリノレン酸・ビタミンK・ビタミンEなど
- 保存方法:冷暗所
- おすすめの用途:揚げ物・炒め物・生のまま・お菓子作りなど
料理の風味付けと旨味に欠かせない「ごま油」
ごま油は、ごまの種子から搾油されています。焙煎されたごまを用いる茶褐色で風味が強いごま油と、そのまま圧搾する旨味が強い太白ごま油の2種類が存在します。
オレイン酸やリノール酸を主成分としていますが、ごま由来の抗酸化物質が含まれているのが特徴。それによって、生活習慣病予防やエイジングにも好影響をもたらすことが考えられます。
風味が強いごま油なら料理の仕上げに回したり、炒め物に使ったりするのが美味しい食べ方です。すっきりして旨味が強い太白ごま油なら、使い分けして揚げ物やお菓子作りにも人気。
またごま油は光や空気、熱などの影響を受けにくく、酸化安定性に優れています。一本持っておくと重宝しますよ♪
- 主成分:リノール酸・オレイン酸
- その他の成分:セサミン・セレン・ビタミンEなど
- 保存方法:冷暗所
- おすすめの用途:炒め物・生のまま(料理の風味付け)・揚げ油(白)など
どんな料理にも使いやすいバランスの取れた「米油」
米油は、米ぬかから搾油されています。
玄米を精製過程で発生する米ぬかには、玄米に含まれる9割以上の栄養素が詰まっているのだとか。
それを原料とする米油も、栄養バランスの優れた食用油として注目されています。
ごま油と同様、オレイン酸とリノール酸が主成分。米油の場合は、それ以外にも自律神経失調症、更年期障害などの改善に効果があるとされるy−オリザノール、抗酸化力が優れスーパービタミンEとも称されるトコトリエノールなどが含まれます。
マイルドな風味で癖もない米油は、揚げ物・炒め物・生のままなど、あらゆる用途で素材の味を引き立てます。
抗酸化作用に優れることから時間がたっても料理が美味しく、揚げ物の後も鍋の汚れが落ちやすいという使い勝手の良さもポイントです。
- 主成分:オレイン酸・リノール酸
- その他の成分:αーリノレン酸、γ-オリザノール、ビタミンE、トコトリエノールなど
- 保存方法:冷暗所
- 用途:揚げ物・炒め物・生のままなど
生産量は世界第2位!業務用や加工品にも人気の「大豆油」
大豆油は、大豆の種子から搾油されています。パーム油に継ぐ、生産量世界第2位を誇る大豆油。
”大豆油”はあまり見ないかもしれませんが、スーパーで見かけるサラダ油は大豆油や菜種油、コーン油、米油などが使われたものが多いんですよ。他にもパーム油同様に業務用油や加工品、マヨネーズやマーガリンの原料として使われることが多いです。
大豆油には必須脂肪酸で、血中コレステロールを下げる作用のリノール酸を多く含んでいます。
でもとりすぎはNG。もともと大豆油は業務用としてさまざまな加工食品に含まれていることが多く、リノール酸は取りすぎるとアトピーや心臓の病気などに繋がるリスクもあるようです。
でも大豆油ならではのコクや旨味を持ち、炒めものや揚げ物を美味しく仕上げます。普段の食生活のバランスを考えながら、摂取できたらいいですね。
- 主成分:リノール酸
- 他成分:オレイン酸、ビタミンK、ビタミンEなど
- 保存方法:冷暗所
- おすすめの用途:揚げ物・炒め物など
さっぱりとした味わいに仕上がる「グレープシードオイル」
グレープシードオイルは、ぶどうの種子から搾油されています。ワインの生産が盛んなヨーロッパでは、昔から食用や美容用として使われてきたオイルです。日本でも最近見聞きするようになってきましたよね。
市販で手に入りやすい食用油のなかでは、リノール酸の含有量がトップレベルのグレープシードオイル。
抗酸化作用に優れた成分が豊富なのも特徴です。オリーブオイルの2倍以上のビタミンE、そして活性酸素から体を守り抗酸化作用に優れたポリフェノールが含まれています。
グレープシードオイルはさっぱりあっさりしているので、サラダやマリネなど生のままで使うのがおすすめ。味を邪魔しないので、お菓子作りにもぴったり。炒め物や揚げ物でも、軽く仕上げてくれるので胃もたれも少ないとの声もありますよ♪
でもオメガ6系を多く含むので、使い分けしながら適量を取り入れてくださいね。
- 主成分:リノール酸
- その他の成分:オレイン酸、ポリフェノール、ビタミンEなど
- 保存方法:冷暗所
- おすすめの用途:お菓子作り・揚げ物・炒め物・生のままなど
健康・ダイエットにおすすめの「ココナッツオイル・MCTオイル」
近年、ダイエット対策や健康オイルとして注目を集めるココナッツオイルとMCTオイル。その理由は、中鎖脂肪酸が含まれているからです。
ちなみに、MCTオイル(主成分MCT=Medium Chain Triglyceride)は、中鎖脂肪酸100%の食用油のこと。
中鎖脂肪酸の特徴は他の油と比べて体脂肪になりづらく、短時間で消化されエネルギーになるところです。また脳のエネルギーとなりうるケトン体を産生し、それがアルツハイマーの予防や改善に繋がるとも言われています。
いいことだらけに見える中鎖脂肪酸ですが、使い方にはちょっと注意が必要。
まずココナッツオイルだと20度以下で固まり、20〜25度までがクリーム状、25度以上になると液体化します。甘みのある風味はエスニック料理との相性が良く、またお菓子作りにも◎固まったときは、バターのように使ってパンに塗っても美味しいですよ。
酸化しづらいと言われる飽和脂肪酸ですが、MCTオイルは発煙点が低いので、揚げ物や高温の炒め物などには向いていません。加熱料理に使いたいときはココナッツオイルと使い分けを。
ココナッツオイルのように形状変化がないMCTオイル。生のままでコーヒーやスープ、調味料などに回しかけたり、ドレッシングなどに使ったりするのがいいでしょう。
- 主成分:ラウリン酸(中鎖脂肪酸)※MCTオイルは中鎖脂肪酸100%
- その他の成分:ミリスチン酸、パルミチン酸など※ココナッツオイル
- 保存方法:常温保存・冷暗所
- おすすめの用途:生のままなど
食用にも美容にもいいと話題「アボガドオイル」
アボカドオイルは、アボカドの果肉から搾油されています。アボカドと同じように栄養豊富で、食用・美容どちらにも適したオイルとして人気です。
アボカドオイルは、オリーブオイルと同じようにオレイン酸が豊富に含まれるのが特徴。コレステロール値を下げバランスを整えることで、心疾患のリスクを減らすことが期待できます。ビタミン群やミネラルも含まれ、栄養価の高さが魅力です。
酸化しにくく熱に強いアボカドオイルは、オリーブオイルのようにさまざまな料理に使いやすいです。抽出方法にもよりますが、雑味やクセも少ないのもポイント。
でも、やや価格が高いので少量ずつ使い分けを!サラダのドレッシングにしたり、パンにかけたり、そのまま飲んだりという使い方も!
- 主成分:オレイン酸
- その他の成分:リノール酸・パルミチン酸・ビタミンA・ビタミンE・ミネラルなど
- 保存方法:常温保存・冷暗所
- おすすめの用途:生のまま・炒め物・揚げ物など
生で食べたいオメガ3系油は「荏胡麻油・亜麻仁オイル」
荏胡麻油(シソ油)は荏胡麻の種子、亜麻仁オイルは亜麻の種子から搾油されています。
どちらも、オメガ3系脂肪酸・αーリノレン酸が多く含まれているのが特徴です。
魚を食する機会が減った現代日本人には不足しがちな栄養素で、体内では作ることができない必須脂肪酸でもあります。αーリノレン酸は体内に入ると、脳や神経の働きに欠かせないEPAやDHAに変換されます。
健康を考える上で、荏胡麻油も亜麻仁オイルも積極的に摂取したいですが、酸化しやすいのが欠点。生のまま体内に入れることが大切です。
やや独特な風味を持つことがありますが、おすすめなのはドレッシングや生のまま料理にかけることです。
酸化しやすいので保存方法にも気をつけて。
光や空気、熱を防ぐように工夫された商品(遮光など密封性が高いものなど)で、早めに使いきれるサイズを選びましょう。
- 主成分:αーリノレン酸
- その他の成分:オレイン酸、リノール酸、リグナン(亜麻仁油)など
- 保存方法:開封後は冷蔵保存で、早めに使い切りを
- 用途:生のまま
もっと美味しく健康に♡用途別のおすすめ食用油の種類
最後に、用途別におすすめの食用油の種類を改めてご紹介します。美味しい料理やより健康的な食生活を考えるときは、それぞれの調理に適した食用油を使い分けしましょう♪
でも、搾油方法や製造過程などによって同じオイルでも特徴が異なることがあります。
ここでは、それぞれの食用油の一般的な特性から分類してみました。
炒め物・揚げ物
炒め物や揚げ物に適しているのは、酸化しにくい油。オレイン酸やビタミンEなどが含まれている食用油がおすすめです。
食用油の種類でいえば、オリーブオイルや菜種油、米油、グレープシードオイル、ごま油などが挙げられます。
あっさりめに仕上げるなら菜種油(キャノーラ油)やグレープシードオイル、オリーブオイル(ピュア)、コクや風味をつけたいときには米油・大豆油・ごま油(少量入れるのも)と使い分けするのもおすすめです。
でも、酸化に強い食用油でも酸化します。臭いが出たり、色が濃くなったり、煙が出やすかったりしてきたら、使うのはやめておきましょう。
生のまま
生のまま食べるのがおすすめな食用油の種類は、荏胡麻油や亜麻仁オイルなどのオメガ3系脂肪酸を含む食用油やMCTオイル、エクストラバージンオリーブオイルです。
生のほうが栄養価が高かったり、そのまま食べても美味しかったりするものは、適量摂取しましょう♪
これらの食用油は、そのまま生で摂取するだけではなく、ドレッシングに使ったり豆腐やお味噌汁などに回しかけたりしてみてくださいね。
お菓子作り
お菓子作りにはバターを使うことが多いですが、食用油でも作れます。
酸化しにくくクセが少ない種類のオイルは使いやすいので、オリーブオイルや米油、ココナッツオイルなどがおすすめです。オリーブオイルやココナッツオイルは、抽出方法にもよってやや風味が残りますが、それもうまく相乗して香りやコクのあるお菓子に仕上がります♡
グレープシードオイルやごま油(太白)も最近人気ですが、オメガ6系脂肪酸を多く含むので、摂取バランスを見て用いてくださいね。
食用油は種類を使い分けて用途に合うものを使いましょう
最近では、スーパーなど市販でも多くの種類の食用油を購入できるようになりました。
食用油は、用途別に使い分けをすることで料理をもっと美味しくし、健康的な食生活にもつながります。
特徴や成分なども見ながら、それぞれに合った使い方をして食用油をもっと美味しく楽しみましょう♪
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。