親が元気なうちに聞いておきたいお金の話① 介護について
まずは、親が要介護状態になった時のことを話し合っておきましょう。
主に確認しておきたいのは、次の2点です。
・自宅介護か介護施設に入所するか?
・介護にかかるお金をいくら準備しているのか?
自宅介護にかかる費用は、初期費用として80万円。
公的介護保険のサービス利用費の自己負担分や、介護用品の購入費用などの合計で、月々平均7.9万円(※1)
施設介護になると、特別養護老人ホームであれば月額約10万円(※2)かかるという統計があります。
これは目安であり、施設や要介護度によって金額が大きく異なります。
親の介護についての希望をある程度聞くことができたら、その希望を実現するために必要な金額を一緒に考えましょう。
その上で、親自身が介護にかかるお金をいくら準備しているかを確認することで、資金準備や介護の希望の見直しなどを具体的に検討し、お互い幸せに暮らせる方法を考えていきます。
※1 保険文化センター:「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」より
※2 厚生労働省:「施設サービス自己負担の1か月あたりの目安、要介護5の人が相部屋を利用した場合」より
親が元気なうちに聞いておきたいお金の話② お葬式について
お葬式は、死に関する内容なので話しにくいかもしれませんが、むしろ親御さんが元気なうちにしか話せない内容でもあります。
・どんなお葬式をしたいか?
・お葬式にかかるお金を準備しているのか?
・葬儀場の互助会などに加入しているか?
などを聞いておくと良いでしょう。
葬儀費用(通夜やお布施、葬儀一式)は196万円かかる(※)という調査結果がありますが、最近では、費用を抑えたシンプルなプランを用意する葬儀社も出てきました。
本人の希望を聞き、一緒に情報収集をしても良いでしょう。
生命保険や現預金など、親が葬儀費用をどう準備しているのかも聞いておくと、いざとなった時の手続きがスムーズです。
※ 日本消費者協会:「葬儀についてのアンケート調査報告書」2017年
親が元気なうちに聞いておきたいお金の話③ 相続について
相続に関しては、次の2点を確認しましょう。
・どんな財産が、どれくらい(時価)あるのか?
・誰に何を相続させたいか?
ここで大切なのは「親の思い」です。
どんな思いの詰まった財産か、どんな思いで誰に託したいかが分かれば、残された家族も納得して相続することができます。
できれば、書面で残してもらえるといいですね。
思いを遺す方法には、主に遺言書とエンディングノートという方法があります。
オススメなのは、エンディングノートです。法的な効力はありませんが、財産のことや相続させたい人などの希望を、自由に書いてもらうことができます。
通帳や印鑑の保管場所など、言いにくいことはムリに聞き出さず、ノートに書き留めておいてもらうと良いでしょう。
エンディングノートは、死後のことだけではなく、これからの人生をどう生きたいかという思いを再確認していくノートでもあります。
ここまでお伝えした内容を一緒に記入することをきっかけに、親御さんの思いを自由に書いてみるよう、勧めてはいかがですか?
エンディングノートを書く中で、財産分与の法的効力が必要と感じたら、遺言書を書いてもらうといいですね。
親御さんの思いも、年と共に変わるかもしれないので、数年ごとに聞いてみましょう。
親と話しておきたい「お金」の話についてお伝えしました。お盆休みなどの帰省時、気軽に「お金」の話をしてはいかがでしょうか?
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