——育児や仕事、自分の夢へのチャレンジなど、アクティブに活動している杉山さんは、忙しい日々の中で、どのような育児法を実践していますか?
子供がぐずってなかなか寝付いてくれないなど、育児は自分の思った通りに運ばないものですよね。
私自身、子供が生後2ヵ月くらいのとき、初めてだらけの育児に翻弄され、心身ともにぐったりと疲れきってしまったことがありました。
自分の睡眠時間もままならず、そのうえ脚は浮腫むし、胸は痛いし、些細なことで神経過敏になってしまう自分のキャパシティの狭さにも嫌気が……。
「ママって本当にすごい」と、そのときに思い知らされました。
そうした日々の中であるとき、育児に対して「まいっか」と自分の気持ちに柔軟性をもたせてみると、肩の荷がふっと軽くなることに気づいたんです。
赤ちゃんと同じように、ママも自分自身のことを大事にしなくちゃ!と。
それからは一人で抱え込まず、家族にも遠慮せずに育児サポートをお願いするようになり、かなり余裕が出てきたと思います。
——育児の悩みを自分一人で抱え込み、辛い思いをしているママたちは多いと思います。
たとえ少しの時間でも、家族や保育園を頼るなどして自分の時間がとれると、息抜きができて良いと思います。
ずっと子供ばかり見ていると本当に大変で、お母さんはすり減ってしまいますから。
頼れる者には頼って、悪いなと気兼ねする必要はないと思います。なぜなら、子供は一人では育てることができないから。
家族、そして社会にも育ててもらいながら、大きく成長していくのではないでしょうか。
——忙しい毎日の中で、杉山さんのリフレッシュタイムは?
私は、子供が生後4ヵ月のときに仕事復帰したのですが、それに向け、主人やお義母さんがフルサポート体制で協力してくれたことが、何より心強かったですね。
やはり、外に出て仕事をしたり、ヘアサロンできちんと自分自身をメンテナンスしてあげるなど、一人の女性として自分と向き合う時間を作ることが、何よりのリフレッシュにつながると思います。
家に帰ると、またすぐにママに戻らなければならないからこそ、わずかな隙間時間を上手く活用したいものです。
——育児について、ご夫婦で話し合いをしていますか?
最近、暇さえあれば主人と育児方針の話ばかりしています。
親として、どのような考えのもとに育児に取り組んだら良いのか。
何かの参考になればと、いろいろな方が書かれた育児本なども読み重ねていく中で、主人と「杉山家の子育て◯ヵ条」を作ってみようということになりました。
実は、うちの母にも「子育て10ヵ条」があったので、私たちはどうしようかと話し合い、今のところ3ヵ条に落ち着いたんです。
それは「感謝のできる子」「挨拶ができる子」「人の気持ちになって考えられる子」。子供に望むこととして、この3つはマストですね。
——逆に親として、子供と接するときの方針はありますか?
これは私の母からの受け売りですが、「可能性を決めつけない」「待つ」「個を尊重する」などでしょうか。
現在、すでに子供と接するときに心がけていることでとしては、「どんなときでも真剣に向き合う」「適当な答えはしない」ですね。
遊ぶときも叱るときも、応援するときも、すべての場面で一生懸命に。どこかで適当に手を抜いたりしてしまうと、それは小さい子供にもちゃんと伝わってしまいますからね。
——お子さんは間もなく2歳ですね。今は、どのような遊びをしていますか?
男の子なので、とにかく乗り物が好きで、車や電車のブロックを使ってよく遊んでいます。
なるべく、テレビやスマートフォンなど、デジタルなものには頼りたくないなと……。
というのも、人間が実際に見る光景、匂いや味、感触など、リアルな体験を重ねることで、人間味が養われていくと信じているからです。
幸い、世界は昔よりも随分と狭く、人や国との距離感も近くなってきているので、ワールドワイドに、何事も広い視野で見つめられる大人になってほしいと願っています。
——最後に『4yuuu!』 の女性読者に向けて、メッセージをお願いします!
数多の情報が溢れる現代においては、「自分らしさ」を見つめることがなかなか難しくなっている気がします。
例えばファッションでは、トレンドを取り入れながらも、どこかオリジナリティのあるオシャレな着こなしができる人。私たちはきっと、そういう「個」を備えた力強い存在に惹かれるのではないでしょうか。
育児や仕事のやり方にしても同じことが言えるはずで、そうした自分らしさを人生の中でどれだけ見つけられるかということが、自分自身の充実度にも直結してくると思います。
人が生まれてくるのには、それぞれきちんと意味があって、その人にしかできない役割だったり、存在価値が絶対にある。
ですからみなさんも、ぜひ「個」を大事に、毎日をハッピーに過ごしてほしいと思います。
いかがでしたか?杉山愛さんに、人生観や妊娠・出産、育児についてなどを伺ってきたインタビューシリーズ。
テニスというひとつの道を極めたうえで、笑顔を絶やさずポジティブに第二の人生を進んでいる姿に、パワーをもらえた方も多いのではないでしょうか。
インタビュー・文|中山理佐
撮影|細谷 聡 (MetroSpace Inc.)
撮影協力:神南軒
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。