——お子さんを授かるまでに、流産や不妊治療を経験するなど、さまざまな壁を乗り越えてこられたそうですね。
長年アスリートとして戦ってきたので、メンタルは強い方だと自負していたのですが、流産をしたときにはかなり落ち込んで、1ヵ月近く立ち直れないこともありました。
そのうちに、また自然妊娠できるかなと思っていましたが、なかなか赤ちゃんに恵まれず、生理がくるたびにガックリと肩を落としていましたね。
しかし、落ち込んでばかりもいられないので、できることからやってみようと前を向き、不妊治療を始めたんです。
東洋医学も西洋医学もすべて取り入れて、良いと思うものは何でもチャンレジしてみました。
——具体的には、どのようなメソッドを取り入れたのですか?
妊娠しやすい体質づくりの基本としては、まずは体を温めることから。
例えば、おしゃれをしたときに露出してしまいがちな手首や足首は、カバーをしないと冷えにつながったりしますよね。
冬場にはこまめにレッグウォーマーをつけたり、夏場も冷房で体が冷えやすいので、温めたりしていました。奈良時代から伝わる「枇杷の葉温灸」が効果的でしたね。
また自炊も増やして、根菜類などの体を温める効果のある食材を積極的にいただいていました。
——体質改善としての「温活」のほかに、何か運動はしていましたか?
現役を引退してから、ピタリと運動をやめてしまっていたので、不妊治療を機に再開したんです。
女性らしい、しなやかなで、少しふっくらとした丸みのあるボディラインがママのイメージとして浮かんだので、そのスタイルを目標にベリーダンスをやっていました。
最初はヨガやピラティスから始めたのですが、あまり自分には合っておらず、ベリーダンスに挑戦したところ心地良さを感じたんです。
ですから、自分のスタイルやペースに合った、長く続けられそうな運動を見つけることをおすすめしますね。
そして、それを不妊治療としてやるのではなく、自分がその時間を心から楽しめて、実際に体が温かくなったなとか、柔らかくなっているなといった、ポジティブな気の流れを感じられることが、何より心身に効果的に働くと思います。
——不妊治療中には、ご主人やお母さまなど、身近な家族のサポートが何よりの励みになったのでは?
本当にそうですね。中でも、積極的に治療をサポートしてくれた主人には、とても感謝しています。
彼は、私が何も言わなくても、顔色を見てすぐに気持ちを察知してくれるので、治療中の気分の浮き沈みが手に取るようにわかっていたと思います。
私が落ち込んでいる様子を見て、「愛ができるところまでやれば良いよ」と、いつも優しい言葉をかけてくれました。
治療にはさまざまなプロセスがあるのですが、一度、途中でもう疲れてしまって、「子供は諦めようかな」と思ったことがありました。
そのことを母に相談したところ、
「最後までやってみればいいじゃない。それでダメだったら気持ちも切り替わるだろうけど、途中でやめてしまったら、あなたらしくないじゃない」
と。その言葉のおかげで、一気に気持ちが楽になったんです。
私はいったい何を躊躇していたんだろう……と。
きっと、途中でやめようとしていた私は、最後まで治療を頑張っても子供ができなかったらどうしようと守りに入っていたんだと思います。
もしダメだったら、そのときは主人と2人で、私たちらしく人生を歩んでいけば良い。納得できるところまで自分のペースで治療を続けてみようと、そのときに決意しました。
——妊娠がわかったときにはさぞ嬉しかったでしょうね。
泣いて喜びました。妊娠検査薬で4回も検査をして、陽性であることを何度も確かめたくらいに嬉しかったですね。
——初めての出産はいかがでしたか?
分娩室に入ってから、38分で出産という安産でした!
もしかしたら、ずっと続けていたイメージトレーニングと呼吸法が効いたのかなって。
イメージトレーニングは、妊活中からやっていたのですが、自分が妊娠している姿や、みんなが笑顔で私たち夫婦の赤ちゃんを抱っこしている微笑ましいシーンを想像してみるんです。
私は自分の妊婦像が想像しにくかったので、海外の美しいマタニティモデルさんの顔の部分に自分の写真を重ねて、それを見ながらイメージを膨らませていたりしました。(笑)
——より具体的なイメージを思い描くことが効果的なんですね。
そうなんです。妊娠してからは、子供がスルッと安産で生まれてくる様子をイメージしていました。
私は男の子がほしかったので、主人が赤ちゃんのときの愛らしい写真を眺めながら、こんな風な顔をした元気な子供が生まれてくると、自分に言い聞かせていました。
すると、本当にその通りの、主人にそっくりの男の子が生まれてきて夫婦でびっくりしましたね。
——イメージトレーニングとともに行っていた「呼吸法」についても教えてください。
簡単に言うと深い腹式呼吸で、まずは丹田にぐっと力を入れ、そこに空気を押し込むように息を吸い、ゆっくりと吐き出すんです。
私は毎日、朝と晩に5~10分くらい続けてやっていましたね。
これは私が現役の頃、試合前に意識をポジティブな方向へと向けるためにやっていたメソッドでもあります。
考えてみれば、呼吸は人間の基本ですよね。
しかし、忙しない日常の中で特にお母さんは、夫のこと、子供のこと、仕事のことなど、あまりに多くの優先事項と対峙するあまり、自分のことが後回しになりがちで、ゆっくりと「呼吸」をすることさえ忘れてしまっている方も多いのでは?
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2017年5月13日(土)〜5月21日(日)締め切り
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インタビューのvol.4では、育児についてお伺いします。お楽しみに♡
インタビュー・文|中山理佐
撮影|細谷 聡 (MetroSpace Inc.)
撮影協力:神南軒
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。