NISAを始める前に、まず「わが家のお金」を知る
————教育費や住宅ローン、老後資金など、将来のお金が気になり始める40代のママも多いと思います。まずは、投資やNISAを考える前に、家計について何を整理しておくことが大切でしょうか?
山谷さん:まずは、「今いくらあるのか」「毎月いくら入って、いくら出ていくのか」「これからいつ、どのくらいのお金が必要になるのか」を把握することが大切です。
教育費や住宅ローン、老後資金などは、家庭によって必要な金額もタイミングも異なります。だからこそ、最初から「何に投資すればいいか」を考えるのではなく、まずは自分たちの家計を把握して、近い将来使うお金と、当面使う予定のないお金を分けて考えることが重要です。
投資は、生活に必要なお金まで使って無理に始めるものではありません。自分たちの状況を知ることが、これからのお金について「自分で判断する」ための土台になると思います。
「損するのが怖い」投資とどう向き合う?
————「NISAは気になるけれど、損をするのが怖い」「何を選べばいいかわからない」という方も多いと思います。投資を始める前に知っておきたい、リスクとの向き合い方を教えてください。
山谷さん:投資には元本割れの可能性がありますし、NISAも「必ず利益が出る制度」ではありません。まずはその前提を理解することが大切です。
ただし、同時に昨今のインフレや円安などによる「何もしないリスク」も天秤にかけなければなりません。
そのうえで大事なのは、「何を買えば正解なのか」を探すことよりも、自分は何のために投資をするのか、いつ使うお金なのか、どの程度のリスクまでなら受け入れられるのかを考えることです。
家族構成や収入、資産状況、将来の予定が違えば、合う選択も変わります。「みんながやっているから」「おすすめされたから」ではなく、自分の状況に照らして判断できる軸を持つこと。それが、投資と無理なく付き合っていくうえで大切だと思います。
SNSの「絶対儲かる」に要注意!情報を見極める4つの視点
————SNSでは「これなら儲かる」「初心者でも簡単」といった投資情報を目にすることがあります。投資に関する情報を見極める際に、ママたちが気をつけたいポイントはありますか?
山谷さん:「必ず儲かる」「絶対に損をしない」「誰でも簡単に稼げる」「これだけ買えばOK」といった情報には、特に注意していただきたいです。
SNSにはさまざまな情報がありますが、情報そのもの以上に大切なのは、その情報を自分で判断できるかどうかだと思っています。
「誰が発信しているのか」
「何を根拠にしているのか」
「メリットだけでなくリスクについても説明されているか」
「自分の目的や状況にも本当に当てはまるのか」
といった視点を持つだけでも、情報の見え方は変わってきます。誰かの「おすすめ」をそのまま答えにするのではなく、複数の情報を確認して、自分なりの判断軸を持つことが大切です。
「増やす」だけじゃない。家族のお金を守るという考え方
————教育費や老後資金など、家族の将来のお金を考えるとき、「増やすこと」だけではなく「守ること」も大切だと思います。山谷さんが考える、無理のない資産形成とはどのようなものでしょうか?
山谷さん:資産形成というと「どれだけ増やせるか」に目が向きがちですが、私は「自分や家族にとって必要なお金を守りながら、将来に向けて準備していくこと」が大切だと考えています。
家族構成や収入、支出、今後のライフイベントによって、取れるリスクは一人ひとり違います。そのため、万人に共通する「これが正解」という資産形成の方法はないと思っています。
大切なのは、自分たちが何を大事にしたいのか、どのくらいのリスクなら取れるのかを理解し、その判断軸に沿って選択すること。周りと比べたり、短期間で大きく増やそうとしたりするのではなく、自分や家族が納得して続けられることが、無理のない資産形成につながると思います。
お金のことを考え始めたら、まずは「現在地」を確認
————最後に、「お金のことを考えたいけれど、何から始めればいいかわからない」というママに、最初の一歩としておすすめしたいことを教えてください。
山谷さん:最初から「何を買えばいいのか」「どの商品が一番いいのか」を探さなくても大丈夫です。まずは、ご自身やご家庭のお金の現状と、「これからどんな生活をしていきたいのか」を整理してみることをおすすめします。
お金について学ぶ目的は、誰かに正解を教えてもらうことではなく、情報を見たときに「これは自分に合っているのか」と自分自身で考え、判断できるようになることだと思っています。知識が増えることで、必要以上に怖がることも、逆に魅力的な情報に流されることも少なくなります。
まずは家計を知り、基本的なお金の仕組みを少しずつ学ぶこと。そして、自分なりの「判断軸」をつくっていくこと。それが、将来のお金を考える最初の一歩になると思います。
お金の不安を「なんとなく」で終わらせないために
教育費、住宅ローン、老後資金など、家族の将来に必要なお金は、それぞれの家庭によって異なります。
だからこそ、SNSで見かけた「おすすめ」や、周囲の人の選択をそのまま答えにするのではなく、まずはわが家のお金の現在地と、これから必要になるお金を知ること。そのうえで、投資には元本割れの可能性があることも理解し、自分たちに合ったリスクとの付き合い方を考えるのが◎
「何に投資するか」を決めるより先に、「自分たちは何のためにお金を準備するのか」を考えること。それが、家族のこれからのお金と向き合うための、最初の一歩なのかもしれません。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。


