【リアル給与明細】27歳、介護職の場合
プロフィール
27歳、男性
介護施設長
▼現状
高齢デイサービスの施設長2年目。
営業・事務・調理・送迎・採用諸々行っている。
労働時間は月168時間、残業は月に10時間程度。
ボーナスはなし。
【相談内容】キャリアアップのため数年以内に独立を目指していますが不安です。
解説するのは……
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。
介護の施設長の主な業務はマネジメント
相談者さんは、介護の施設長として営業・事務・調理・送迎・採用などの業務をされていますが、キャリアに不安を感じておられるのですね。
数年以内に独立し、施設運営の仕事にキャリアアップを考えているとのこと。
本来、施設のトップである施設長の主な業務は、施設全体を管理(マネジメント)です。
相談者さんは、施設長がやるべき業務ではない営業や事務、調理などにギャップを感じ、キャリアに不安を感じていらっしゃるのでしょう。
また、公益財団法人 介護労働安定センターが発表した令和4年度介護労働実態調査によると、20代後半における介護の施設長の平均年収は3,696,008円。
相談者さんの年収は3,325,296円であるため、350,000円程度平均よりも少額です。
本来やるべき業務とのギャップがあり給料も低めであれば、キャリアアップとして独立を検討するのも無理はありません。
*……参考https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023r01_chousa_jigyousho_kekka.pdf
独立開業は事前の計画が肝
独立後はマネジメントだけでなく、経営も行わなければなりません。
経営では「する」「しない」を判断しなければならないため、マネジメントとは全く異なります。
従って、経営の経験は相談者さんのキャリアアップにつながるでしょう。
一方で介護は専門性が高い業務であるため、介護事業者の指定を受けるなどの準備が必要であり、独立までには相当期間が必要です。
相談者さんは独立を数年後に予定しているとのこと。
準備がそれなりに必要であることを理解されていると思うので、まずは独立までの計画を立てましょう。
介護施設の開業までには、以下の準備が必要です。
- 介護事業者の指定を受ける
- 開業資金の確保
- 人材の採用
- 介護施設の選定及び手配
これらを「いつまでに」「どのように」準備するか、タイムスケジュールを立ててみましょう。
併せて、開業後の事業計画や資金繰りなども検討が必要です。
すぐに相談できる法律や税金、会計などの専門家を探しておきましょう。
まとめ
・施設長の主な業務はマネジメント、経営の主な業務は判断。
・独立開業前にしっかりと計画を立てましょう。
・すぐに相談できる法律、税金、会計などの専門家を探しておきましょう。
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