完母じゃなくて大丈夫!ミルク神話?母乳神話?時代で見る育児の変遷

子育て・ライフスタイル

2015年7月、インターネットを通じて売買される品質の不確かな「偽母乳」に対し、厚生労働省が注意喚起を行いました。
この問題に関連して、母乳が出ずに苦しい思いをしたママや、育児や医療の専門家から「行き過ぎた母乳神話はもう終わりにするべき!」との声が次々と上がりました。
なぜこのような社会問題に発展するまで母乳神話が推奨されたのか、あまり語られることの無い背景について紹介します。

まずは母乳育児のメリットとデメリットをおさらいしましょう♡

本題に入る前に、まずは母乳育児のメリットとデメリットをおさらいしましょう

《メリット》
・赤ちゃんの成長に必要な栄養素が、バランスよく含まれている
・消化が良いので、赤ちゃんの腸に負担をかけない
・免疫物質が含まれており、風邪や病気に罹りにくくなる
・母乳の授乳によるスキンシップが母子の結びつきを強くする
・母胎の回復を早め、また母親の情緒を安定させる
・ミルク代がかからず、経済面でもすぐれている
・ミルクと比べて手間がなく、おでかけの荷物も少なくて済む

《デメリット》
・充分に母乳が出ない母親にとって精神的苦痛が大きい
・育児の依存度が母親にばかり集中し、母親が休めない
・良質な母乳を保つための生活は負担が大きい

「母乳は赤ちゃんにとってベストな栄養素であり、母乳で育てることは素晴らしいこと」という意見には何の異論もなく、間違いのないことです。しかし、母乳育児のメリットだけにフォーカスし、デメリットを無視した母乳神話に追いつめられるママ達が少なくないのも事実です。

なぜ、社会問題に発展するまでに母乳が推奨されるようになったのか、その背景について紹介します。

母乳は貧乏人の飲み物!とまで言われたミルク全盛時代。

粉ミルクが、広く一般に発売されるようになったのは昭和30年台、つまり日本の高度経済成長期です。

この時代の世の中は「工業製品こそがすばらしい」という風潮で、育児でも「母乳よりも粉ミルクを飲ませるべき」という考え方が広まっていました。充分に出ている母乳を搾って捨ててまで、わざわざ粉ミルクを与える、という育児が当たり前のように行われていたのです。

ミルクで育てることが当時の母親達にとってのステイタス。「母乳は貧乏人の飲み物」などという今では考えられないような発言が飛び交うほどに、母乳育児がないがしろにされ、「ミルク神話」とも言えるような考え方が主流の時代があったのです。

ミルク神話にストップ!母乳への回帰

出典:www.wine-world.com

そんな行き過ぎたミルク神話にストップをかけ、母乳の素晴らしさが再認識されるようになったのが時代が平成に入った頃。

奇しくも高度経済成長が一段落し、バブルが崩壊し、人々が経済の発展よりも家庭・自然への回帰を求めるようになった時代と時を同じくして、ミルク神話から母乳への回帰が見られるようになりました。

現在のように母乳の素晴らしさが広く認識されるようになったのは、この時代の助産師や保育士を始めとする、お産と育児に関わる人々の努力の賜物です。

ミルク神話からの回帰のために、母乳の素晴らしさを一生懸命に伝え続けた結果、今度は母乳神話によって追いつめられるママ達が出てくる……というのはなんとも皮肉な話です。

赤ちゃんとママの笑顔が一番♡

母乳神話が生まれてしまった隠された背景について紹介しましたが、この歴史的な事実について知っているかいないかで、母乳神話に対する受け止め方はずいぶん変わってくると思います。

行き過ぎたミルク神話時代を是正するために、現在の母乳神話がある、と考えるだけでも、母乳神話を冷静な目でみることができるのではないでしょうか。

社会の流れが母乳に偏りすぎても、ミルクに偏りすぎても、どちらも歪みが生じます。育児をする上で大切なのは「何が赤ちゃんにとってベストなのか」を考えること。ひいては「ママがいつも笑顔で楽しく育児ができる方法を考えること」です。

母乳だって、ミルクだって、赤ちゃんが元気に成長して、ママが笑顔で育児ができるのなら、本来はどちらだって構わないはず。周りの情報や雑音に惑わされること無く、赤ちゃんとママにとってベストな母乳とミルクのバランスを見つけられるのが一番ではないでしょうか。

母乳神話が生まれた歴史的背景について紹介しました。
今では信じられないようなミルク神話時代を経ての今、母乳神話で苦しめられるママたちがいるのは悲しいことです。
母乳でもミルクでも、赤ちゃんが元気に成長し、ママが笑顔で居られるのが一番!
周りの情報や雑音に惑わされずに、自分たち親子にとってのベストを見つけていきましょう♡