”フランス人は「ママより女」"の著書が語る『日本のママ像』とは

子育て・ライフスタイル

フランス人は「ママより女」ー。

そんな、ちょっとドキッとしてしまうタイトルの本の著者、フランス人ジャーナリストのドラ・トーザンさんにインタビューを行いました。

ドラ・トーザンさんは、フランス・パリ生まれの生粋のパリジェンヌであり、ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業という才媛。

NHKテレビ『フランス語会話』のレギュラー出演を機に、東京とパリを往復する生活をスタート。慶応義塾大学講師を経て、現在は東京日仏学院などで講師を務めながら日本とフランスの架け橋として雑誌・テレビ・講演など様々なメディアでご活躍されています。

著書には「フランス人は年をとるほど美しい」や「パリジェンヌ流 今を楽しむ!自分革命」など、フランス人女性の美しく、女性らしいしなやかな生き方のエッセンスがつまった書籍が多数!

今回のインタビュー前編では、そんなドラ・トーザンさんから見た「日本のママ像」や、ママである前の、1人の女性としての生き方について、現役ママでもある私がお伺いしました。

”日本は「良い母プレッシャー」が高いと思うの”

ドラ・トーザンさんもお気に入りだという、まるでセーヌ川のほとりにいるような気分になれる、神楽坂のCANAL CAFE(カナル・カフェ)にて始まったインタビュー。

まずは、著書『フランス人は「ママより女」』に書かれていた、良い母プレッシャーが少ないと言われるフランスの母親達と比べ、日頃から「母親はこうあるべき」「母親なんだから100%の自己犠牲を払い子どもに人生を捧げてあたりまえ」というモラルプレッシャーが高い日本のママが置かれている状況について、伺ってみました。

Q《日本とパリを行き来するドラさんから見て、日本のママ像とはどのようなものでしょうか?》

ドラ・トーザン氏(以下ドラさん)

「母親になるって、女性として普通に生きていれば、自然なことだと思わない?

だけど、日本では何故か母親になることに対して、特別な思い入れがあるように感じるの。

フランスでは、伝統的に、母親が家で子どもに勉強を教えることもしないし、子どもの世話にかかりっきりになることもない。

そもそも「母であること」が自分のアイデンティティにならないからなのよね。

その点日本では、教育もしつけも、何もかもが、全て母親の責任と言われがち。これでは女性1人に対してのプレッシャーが大きすぎると思います。

日本のママはみんな、大変だと思うわ。」

”お母さんも、上手に自分の時間を見つけて欲しい。”

Q《では、フランス人の母親達はどうしているのでしょうか?》

ドラさん:

「フランス人の母親達は、とにかく、自分自身や夫婦の時間をもっと大事にしているわね。

例えば、フランスには「アルト・ガルドゥリー」と呼ばれる、仕事をしていない母親でも預けられる施設があって、そこに預けて、上手に息抜きをしたりしているわ。

買い物、ランチ、スポーツ……趣味を楽しんで、24時間、ずっと母子密着の育児をしている印象はないわね。

ベビーシッター文化も進んでいて、高校生くらいになると、ベビーシッターのアルバイトをするのが一般的だから、預けて夫婦の時間を楽しんだり、夜に出かけることにあまり抵抗がないのよ。

日本では、そういうことをすると、あまりよく思われないでしょう?

でも、私は日本の少子化を食い止めるためにも、母親に対しての義務感やモラルプレッシャーを減らすことが大事だと思っているわ。」

”せっかくの高い学歴を捨てて「専業主婦」になるのは、どうしてかしら?”

確かに、「母親になるのは義務感ばかりでプレッシャーも多い」となると、若い女性達も、母親になることに高いハードルを感じてしまいますよね。

同時にドラさんは、高い学歴を持った女性達にも、「専業主婦願望」が強いことについて疑問を投げかけています。

ドラさん:

「私が本当に残念に思うのは、頭のいい女性達が、妊娠・出産・育児の為にやりがいのあるキャリアを諦めるケースが本当に多いこと。

企業や既存の価値観に縛られている、などの問題もあるんでしょうけれど、最近では、自ら専業主婦を希望する若い女性も増えているでしょう。

フランスの女性は、家事と育児をいくらやっても、それだけでは満足できない。社会の中に自分の存在や役割を見つけたいからです。

専業主婦でいるのは貴族と上流階級のマダムくらいよ!

優秀な女性が働かないのは、彼女達にとってはもちろん、社会の損失、国家の損失です。

これは、国のシステムにも問題があるんでしょうけれど、もっと男女間の負担をフェアにしたり、今のあなたのようなママが子ども達に教えていくのも大事だと思うわ。

勇気とリーダーシップのある、ロールモデルの様な女性も必要ね。」

フランスでは、母親達が自立して働けるような法制度も整っています。

「マテルネル」と呼ばれる、3歳から5歳のすべての子どもが通う公立学校は、授業料は無料なうえ、時間も8:30~16:30と長時間。国の社会基盤も、女性の自立を後押ししているんですね。

”自由に、自分らしく生きる勇気を持って!”

様々な要因で、自分の意思とは関係なく、仕事を辞めざるを得なかったママ達もたくさんいると思います。

そんな日本社会で頑張るママ達に対し、ドラさんはこうも仰っています。

「私は、もっと女性達がみんな自由に、自分らしく生きる勇気を持って欲しい。

仮に、夫の収入だけで家計が成り立ったとしても、自分に収入がないということは、本当の意味で自分の自由に使えるお金がないということ。

それはとても不自由な事だと思います。

子どもを産んで母になった後でも、女性として何ができるか、人間として何ができるかを、もっと貪欲に追求してもよいのではないのでしょうか?」

出典:www.amazon.co.jp

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”自分らしく生きる勇気をもつことが必要よ”そう語るドラさんの言葉は、単にフランスの女性達の意識や子育てを紹介するにとどまらず、心の底から日本のことを思ってくださっていることが伝わる、熱のこもったものでした。

ともすると誤解を受けそうな「ママより女」という言葉の裏には、「ママである」というアイデンティティだけにとらわれ過ぎ、自由に羽ばたけない日本のママ達の背中を押してくれる、力強いメッセージが込められているんですね。

インタビュー後半では、「子育てとアムールの両立で叶う、「ママより女」的生き方」をお送りします。

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