「褒めるだけでいいの・・・?」不安に思わず、今すぐ実践してみて!
「ピグマリオン効果」という心理学があります。
”期待されることで子どもが伸びる”というものです。
専門的なお話をすると、アメリカ学習心理学者ローゼンタールが行ったある実験があります。
サンフランシスコの小学校で知能テストを行ないました。
学級担任には、今後成績が伸びてくる子供を割り出すための検査であると説明し、「成績が伸びる子供リスト」を渡しました。
しかしそれは”嘘”で、本当は検査には何の意味もなく、このリストに記載されている子供は無作為に選ばれたものでした。
その後、学級担任は”子供達の成績が上がる期待”を込めて接していきました。
その結果、どうなったと思いますか・・・?!
褒めた結果は・・・?
なんと、学級担任が期待した通り、成績が上がっていったのです!
論文の結果には成績が上がった理由として、学級担任が子供達に対し「期待のこもった眼差しを向けた」ことと、子供達も「期待されていることを意識した」ため、成績が向上していったといいます。
つまり、「君は頑張っているね。」
といった声掛けが、子供たちのやる気を上げ、結果、本当に頑張ることができ、勉強をするようになった、ということです。
しかし、褒めればいいってものではない。
「なんでもいいから褒めていいの?」
残念ながら、何でもではないのです。
『頑張っていること』を褒めるのです。
「君は才能があるから」
と、努力以外の褒めを活用し声掛けをされた子供は、失敗を恐れるようになり、パフォーマンスが上がらなかったり、言い訳がましくなってしまったそう。
しかし、
「頑張って勉強しているね」
と、努力を誉められた子供は、その”過程”の努力を楽しみながら行うことができたそうです。
私たち大人もそうですよね。
努力なくして評価されるものには違和感を感じるし、結果がたとえ失敗だと思えたものでも、
”努力した過程”を褒められれば、失敗も糧(かて)にすることができ、
「次も頑張ろう」、「無駄ではなかった」と思えます。
失敗を恐れず前に進んでいくためにも、幼少期のこういった体験はとても大切なものです。
自分のやってきたことに怯えず自信を持てるようになるのも、私たち、親や養育者、教師など大人の声掛けにかかっているのかもしれません。
じゃあ、逆のことをするとどうなるの?
ピグマリオン効果と逆のことをしてしまうのは「ゴーレム効果」と言います。
期待を向けられなかった子供は成績が下がっていった、というもの。
「君はダメな子だよ」
そういわれて、自分に自信が持てる子がいるでしょうか?
「あなたは、とってもいい子よ。」
そういわれて、自分のことを嫌いになることはそうそうないのではないでしょうか?
もちろん、ほめ過ぎるのも違和感を感じるでしょうし、時にはプレッシャーになることもあるでしょう。
そのさじ加減は難しいものです。
完璧なものなどこの世にはないし、人によっては合うもの合わないものが違っていたりします。
褒められるということは、「自分は認められた存在なんだ」と承認欲求を満たします。
承認欲求は、人間だれしもが持つ欲求です。
認められるということは、自己肯定感を育てます。
「自分が、自分でいていい」
子どもの心はまだ未発達で、時にとても脆いものです。
自己肯定感の高い子供は、自分自身を大切にすることができます。
自分を大切にすることができて、初めて他者を大切にすることができます。
人と人のかかわりは簡単なものではないから、「セオリー通り」には進まないことも多いかもしれません。
「いいママになろうとしすぎる」ことが、かえって自分自身を苦しめてはいませんか?
「グッド・イナフ・マザー」(good enough mother)という言葉があります。
訳すると、「ほどよいお母さん」という意味です。
私たちは皆、不完全な人間。
私たち大人も、失敗しながら、子供とのかかわりを学んでいけばいいのではないでしょうか?
張り切りすぎることも、実は相手に圧迫感を与えてしまっている場合も。
「程よく」、「適度に適当に」といったことも大切になってくるのではないでしょうか?
大切なのは、「あなたはいい子よ」の奥に隠れている、
「どんなあなたでも、ママは大好きよ」
この一言に尽きるのではないでしょうか?
頑張りすぎず、「グッド・イナフ・マザー」を目指して腹6分くらいで子育てを楽しんでいけると、心に余裕も生まれるかもしれませんね・・・♥︎
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