自分の価値は、まわりの人が決めるもの?
自己肯定感とは、自分自身を価値あるものとする気持ちです。
小さい子ども達は、自己肯定感のかたまり。
「どうせ私なんて…」「こんな自分ではイヤだ」と思っている赤ちゃんを私は見たことがありません。
「〇〇ができないから、価値がない人間だ」「ママから認めてもらえない私なんて、ダメ…」と自分を卑下する幼児にも、会ったことがありません。
何ができても、何ができなくても、自分自身はすばらしい存在だということを子どもはわかっています。子ども達には生まれつき自己肯定感があるのです。
そんな子ども達にも、成長過程で優越感や劣等感が生まれます。優越感は一見良いもののように感じられるかもしれませんが、劣等感と同じ種類の感情です。
まわりからの評価によって自分の価値が上がったと感じた時の感情が優越感。下がった時が劣等感です。自分の存在価値を他人の評価に委ねてしまい、常に人の顔色を気にしている状態なのです。
自己否定感が強い人は、自分に文句ばかりを言っている状態です
自己肯定感の反対は、自己否定感。
心の中に、自分を否定しようとする声があふれている状態です。
「そんな私では、認めてもらえない」
「そんな私では、愛されない」
と自分で自分に文句を言っているのです。
自己否定感が強い方は、自分を責める癖を持っている傾向にあります。
落ち込むことや苦しいことがあった時に「どうせ私が悪いんだ」「私の努力が足りないから、こんな目に会うんだ」と、さらに自分をいじめてしまうのです。
もし友人が同じ状況にあったら、どんな言葉をかけますか?
「それは大変だったね」「あなたなりに頑張ったと思うよ」と温かい言葉をかけるのではないでしょうか。
ところが、自己否定感が強い方は自分をとことんいじめ抜いてしまいます。では、どのようにすれば、自己肯定感のある子が育つのでしょうか。
子どもの考えを聞くことは、子どもを受け止めること
自己肯定感いっぱいの子どもに育ってもらいたいと思ったら、周りの人が子どもを否定しないことです。
自己肯定感は「高める」のではなく、「失わせないこと」が大事なのです。
そのためにできる簡単なことは、話を聞きながら肯定的な相づちを打つこと。「聞く」という姿勢そのものが、子どもの存在を肯定していることになるのです。
例えば、子どもが言い訳をしたときに「言い訳をしない!」と一喝することは簡単です。しかし子どもには子どもなりの自分の考えや伝えたいことがあります。それを否定せずに「聞く」のです。
「なるほど」「そう思ったんだね」「そうなんだ~」などと相づちを打ちながら耳を傾けて、親としての意見はとりあえず横に置いて、最後まで話を聞きます。
話し終えたら、「それで、あなたはどうしたいと思っているの?」と聞いてみてください。幼児であっても、意外と自分なりの意見を持っていることも多いのです。
ただし、子どもの考えを聞くことは子どもの言いなりになることとは違います。もし、親としての意見を伝えたいと思ったら、子どもの話をしっかり聞いた後に話をしてみましょう。
「ママの意見を言ってもいいかな?」そう語りかけながら、意見交換をしていくのです。
感情に良い悪いはない!ただ寄り添うことが大切☆
自己肯定感を育てるためには”子どもの考え”の他にもうひとつ、否定しないでいただきたいものがあります。それは子どもの”感情”。
「楽しかったね!」「不安を感じたのかな?」「イヤだと思ったんだね」と受け止めることが大切です。悲しみは半分に、うれしさは倍になります。
「楽しい」「嬉しい」という感情は肯定しやすいものですが、「悲しい」「悔しい」「こわい」「不安」といった負の感情は親にとっても居心地が悪いものです。つい「そんなことで泣かない!」「そんなことを言ってはいけません」と、否定したくなってしまいます。
とは言え、子どもが何を思い何を感じるかを、親がコントロールすることはできません。子どもは「何を思ってもいい」「何を感じてもいい」と腹をくくりましょう。
悲しい時は悲しんでいいのです。不安な時は不安になってもいいのです。ありのままの感情を受け止めることも「私は、私でいい」という自己肯定感に繋がっていくのです。
子どもの自己肯定感を育てるためには、「高める」のではなく「失わせない」ことが大切です。そのために親ができることは受容して聞くこと、どんな感情も否定しないことです。
子ども達が自分で自分をいじめないように、どんな自分も愛せるようにしてあげたいですね。
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