マネー用語『インフレとデフレ』ニュースではこんな風に登場します!
みなさんは、こんな文を見たり、聞いたりしたことはありますか?
『アベノミクスの経済政策の一つに「大胆な金融緩和」があります。この政策では、2%のインフレ目標が掲げられています。』
”え〜っと、アベノミクスはなんとなく分かるけれど、金融緩和って何?インフレっていいの?悪いの?”と思っている方も、多いのではないでしょうか。
実のところ、私も以前はちんぷんかんぷんでした。
アベノミクスとは、言わずと知れた安倍政権が行っている経済政策のこと。
そして、「大胆な金融緩和」とは、金融(お金を融通すること=借りること・調達すること)を緩和する(=やりやすくする)……すなわち、私たちや企業が、お金を借りやすくするために、金利を下げる政策のことです。
そのために、色々な方法を使って、日本銀行が世の中のお金の量を増やしています。
銀行などがお金をたくさん持つようになると、「金利が低くてもいいからもっと借りて!」と貸し出す金利が下がっていくのです。これが金融緩和の目的です。
モノの値段があがることが「インフレ」
それでは、金融緩和がどうして、インフレ目標につながるのでしょう。
そして、なぜ政府はインフレという状態を目指しているのでしょう。
そもそも「インフレ」とは「モノやサービスの値段があがること」。2%のインフレというのは、今100円で買えるモノやサービスが、102円に上がることを意味します。
値段が上がることは、私たち消費者にとっては一見ツラく見えますが、どうして政府は目指しているのでしょうか。
実は、ゆるやかなインフレは、私たちの暮らしている日本全体の景気をアップさせるのです。
モノやサービスを売る企業にとって、値段があがれば、その分利益が拡大し、経営がよくなり、最終的には社員に払う給料アップにつながります。
給料が増えれば私たちの家計も潤い、より、多くのモノやサービスにお金をかけて生活するようになります。
「お金を出してでもこのモノが欲しい!」という声が増え、ますます値段が上がる……こうした循環を、政府は目指しているのですね。
もちろん、簡単に昇給にはつながりませんし、今後、予定されている消費税増税が起こると、財布から出て行くお金が増えますので、残念ながら、インフレになったからといって、私たちの生活がすぐに楽になるわけではありません。
それでも、政府は長く続いている「デフレ」からの脱却を目指すべく、本気を出してインフレ政策をしているのです。
モノの値段が下がることが「デフレ」
政府が本気を出して脱却を目指している「デフレ」とは、「モノやサービスの値段が下がること」。
デフレ状態になると、私たちにとっては、モノやサービスが安く買えるので嬉しいことですが、売り手の企業は、賃金カットや人員を減らしたりして、モノやサービスの値段を下げようとします。
そのため、給料の低下やリストラにつながり、収入が減って家計が苦しくなった私たちは、お財布の紐をきつくして、なるべくお金を使わないようになります。
企業にとっては、なんとかして売りたい!と、さらに値段を下げるために給料を下げる……といった負のスパイラル(=デフレスパイラル)に陥ってしまうのです。
日本では、長いことデフレ状態が続いています。
本来「お金」とは、使うためにあるもの。それなのに、生活費を捻出するのが精いっぱいで、豊かに過ごす使い方ができなくなってきています。
『インフレとデフレ』私たちはどうすればよいの?
「インフレ」と「デフレ」の違い、何となくお分かりいただだけましたか?
政府が本格的に「インフレ」を目指している今、私たちは、何に気をつけて生活すればよいのでしょう。意識したいポイントは2つです。
1つ目は「インフレに強い方法でお金を準備しよう」ということ。
一般的に、”貯蓄型保険はインフレに弱い”と言われています。
たとえば、20年後に300万円もらっても、インフレが起こっていたら、今の価値で300万円のモノは買えなくなります。
それに対して、インフレに強いのは、企業の株価上昇が見込める株式投資と言われます。日本全体の株式に、安価で分散投資できる投資信託の活用も良いですね。
また、元本割れのリスクを取りたくない方には、個人向け国債の10年変動ものや、1年ものの定期預金が有効な対策となります。
2つ目は「税金や無駄なコスト(金融機関に払う手数料など)を意識して、自分の資産を自分で守る意識を持とう」ということ。
これからは、自分のお金を守る意識を高くしないと、どんどん使えるお金が減ってしまいます。
もし、投資信託や定期預金をしているのであれば、非課税になる仕組み(確定拠出年金など)を徹底的に活用しましょう。
家計の見直しとともに、節税できる仕組みの活用や、さまざまな手数料に対する意識を高め、少しでも幸せになることにお金を回せるようにしたいものですね。
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