【助産師による実録】出産はゴール?出産だけが感動じゃない!

子育て・ライフスタイル

助産師は、赤ちゃんがママと力を合わせて外の世界に出てくるのを、少しだけお手伝いすることが仕事です。私は助産師として、様々なお産をお手伝いして、生命の誕生に触れさせていただいています。

今回は、現役助産師である私が最も印象に残ったお産について、お話しします。

【助産師による実録】出産だけが感動じゃない!初めてのお産は帝王切開?

Kさんは初産婦で、高齢出産と呼ばれる年齢の手前でした。

普段はバリバリ仕事をこなす、子どもとは無縁のキャリアウーマン。妊娠がわかったものの、子宮筋腫もあり、帝王切開の可能性が高いと言われていました。

Kさん本人も帝王切開で生まれていたのと、私が「帝王切開も一つの生まれ方ですよ」というお話をしていたこともあってか、「子どもが健康に生まれてくればいい。生まれ方は関係ないですよね」と、穏やかに話されていました。

【助産師による実録】出産だけが感動じゃない!「下からお産できますよ」と言われ動揺。

検査を進めた結果、「Kさん。子宮筋腫の位置はお産の邪魔にならなさそうなので、下からお産できますよ」という先生の言葉。

むしろKさんは、この言葉に動揺しました。
帝王切開だと思っていたので、経腟分娩に対する恐怖心が少し生まれたのだと思います。そこから、Kさんに経腟分娩の説明して、一緒に子育ての予習をして、ひとつずつ不安を取り除いていきました。

やっと育休に入ったKさん。これからマタニティライフを楽しむぞ!と思っていた矢先、健診で羊水過少を指摘され、なんとそのまま入院しました。

再び帝王切開と隣合わせの日々が始まります。バリバリ働いていたKさんにとって、「赤ちゃん大丈夫かな?」という不安と戦う入院生活は、とても長く辛い心境でした。

しかし、生まれてくる赤ちゃんのために靴や帽子を作る時間、家族とゆっくり過ごす時間、病院スタッフの優しい声掛けなどが、Kさんを笑顔にしてきました。

【助産師による実録】出産だけが感動じゃない!陣痛?そして…

待てど暮らせど陣痛がこない日々。真夜中、やっと「陣痛が!」と思ったら前駆陣痛でした。しかも、Kさんは帝王切開の可能性もあるので、食べ物どころかお水も飲めない状態です。

「これが陣痛じゃないの?!こんなに痛いのに。まだごうちゃん(赤ちゃんの名前)に会えないの?」

頑張り屋のKさんの目からも、涙がこぼれました。翌日、スタッフが医師と交渉して、朝食と飲水許可をいただきました。これにはKさんも大喜び!気持ちが切り替わりました。

その後、子宮口が全開するまで時間がかかりましたが、ご主人、実母様のおかげでいよいよお産へ。赤ちゃんはKさんに会いたい一心なのか、とどまることを知らない勢いです!

介助していた手に、生命の力の強さを感じました。分娩台に上がっていきむことなく、5分ほどで赤ちゃんは生まれてきました。

Kさんおめでとう!ごうちゃん、やっと会えたね!

【助産師による実録】出産だけが感動じゃない!妊娠、子育ての中にも感動はいっぱい。

命を授かったその時、喜びや楽しみと同時に、一人の人間を育てる「親」としての責任も生まれます。

確かに、出産は命が生まれる感動の場面かもしれません。しかし、期待と不安いっぱいの妊娠期があって初めて感動が生まれ、その感動は、これからの子育ての始まりです。

出産だけでなく、妊娠、子育ての中にも感動はたくさんあると思います。小さな感動をたくさん見つけて、命を育むことを喜んで楽しんで、「親」として育っていくことを意識してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたか?助産師である私から、ある方の妊娠から出産までのエピソードをご紹介しました。

出産だけが感動の場面として取り上げられることが多いですが、妊娠や子育ても感動の連続です。ぜひ、1日1日を大切に過ごしてみてくださいね。